化かし011 狩人
山伏と巫女の旅。
出羽国を出るまではミズメを恩人と拝む村を経由し、屋根と器を借りるのに困りはしなかった。
もちろん、オトリも世話になりっぱなしではない。
隠れ里の巫女頭候補というだけあって、古来より巫覡が引き受けてきた種々の雑用に通じていた。
霊視を使った肉体や精神の不調の調査を行い、野草の知識を使った薬学で人を癒し、水鏡に映る吉兆を読んで、農耕や狩猟へ助言を与えた。
人々が忌避する墓所の清めや、迷い霊の導きや、悪霊の御祓いももちろん彼女の仕事だ。
古流派の土術によって畑の土に住まう精霊の具合を視たり、水術で水源の霊視も行った。
しかし、それらは他の流派にも珍しくない技で、再生を司る古流派の水術の特権である治療術は安易に使うことは禁じられているらしく、怪我人は薬で対応された。
オトリは「私が自分で怪我をさせたミズメさんとは違うから」と言ったものの、重症者を前に唇を噛んだ。
それから不幸なことに、危篤の者にも何度かまみえてしまい、彼女は更に沈み込むこととなる。
人の命と里の掟を天秤に掛けた彼女であったが、結局は水術による治療は見送った。
仮に行ったとしても、自己治癒能力を高めるその術は本人の体力を削るため、死に瀕するまで傷付いた者には施せないのである。
死の運命を見るたびに、お人好し娘はまるで自分が殺したかのように表情を沈めた。
ミズメはそれを察知するたびに肩を叩き笑い掛け、時には悪戯を仕掛けてわざと怒らせた。
「命を救ってもらえなくても、死に際に魂が陰ノ気に染まらないようにして貰えただけでも幸福なはずだよ」
ミズメは格好の良いことを言う一方で、“悪癖”が目立ち始めていた。
相方への励ましだけではない。先の穴熊や狐狸、他の物ノ怪には偉そうにしておきながら、通行人にも音術や幻術で悪戯を仕掛けたのだ。
これにはオトリも呆れ顔となった。
しかし、化かされるほうも慣れたもので、有名な天狗の娘が巫女に叱られてる姿を見て笑って赦した。
彼女の行う悪戯は、命を脅かすものではない。ちょっと音術で脅かして心臓を跳ねさせたり、官能的な幻を見せて、あとちょっと……というところで種明かしをするものがおもである。
それでも、オトリが本格的に怒る悪行があった。
「ミズメさん! いくら嫌われ者相手だからといって、通りすがりに掏摸を働いてはいけません!」
窃盗行為である。
ミズメは悪党と判断している人間とすれ違ったさい、弁当やちょっとした品をくすねた。もはや癖のようなものであった。
巫女は正義の心はもちろん、銀嶺聖母からの頼みもあって、決して勘弁をしなかった。
謝罪を強要されたミズメがごねたり、偸んだ品物を返すために道を戻ったりと旅は鈍行となった。
天狗なる娘も、一応は反省の色を見せてはおり、師の言いつけ通りに矯正しようと努めていたが、あまり自信が持てないでいた。
加えてもうひとつの問題。
“年寄り嫌い”である。
ミズメはオトリと同じく善行に就いたが、古傷か性分か、その範囲から老人をのけ者にしていた。
そのうえ、儒教の敬老思想への批判も口が苦くなるほどに繰り返した。
「お年寄りにも優しくしてあげてくださいね」
困り顔のオトリ。こちらの件には諫言ひとつで済まし、深くは追及してこなかった。
そうは言われても、生理的に嫌なものは嫌なのである。
老人が尊いなんてごく一部だけの話だ、養われるだけの命盗人や、邪仙のような者もいるではないか。
ミズメはお決まりの反論が思い浮かぶも、生返事でやり過ごした。
「「はあ……」」
ミズメが溜め息をつけば巫女も溜め息であった。
何はともあれ、彼女たちは数日を掛けて出羽国を旅し、ようやく越後国へと到達した。
今朝までは潮風の香る道を歩いており、丘から砂嘴や砂州の広がる景色が拝めていた。
潮の満ち引きで現れては消える陸地にオトリは感嘆の声を上げた。
案内人のミズメは、自分の物でもないのに自慢げにした。
海に頼れば食事にも困らず、ふたりは綺麗な貝殻を拾って若い娘らしく“貝合わせ”に興じる程の余裕を見せた。
越後に入ってからは順調に、揉めることなく旅は進んでいる。
ところが、拓けた地は見通しがよく、そのうえに駅路も通っているため、人通りがある。
何やら腰に太刀を差し、烏帽子を被った男が子分を引き連れて馬で闊歩しているのを遠くに発見。
厄介ごとを回避するために、ふたりは翼と水術を用いて山道へと引き返したのであった。
「やっぱり、山のほうが安心するなあ。どうしたって、大きな路や都も避けられないから、ずっと隠れてるわけにもいかないんだけど」
ミズメは背伸びして緑の空気を思いっ切り吸い込む。
「このあたりもしっかりと道が踏み固められてますし、近くに村があるのでしょうか?」
「多分ね。縄張りの外だから、空からちらっと見えるくらいだし、詳しくは分からないけど」
「何ごともなければ良いのですが」
「悪者なら調伏する。困りごとなら人助けをする。それだけだよ」
「そうですね。でも、上手くいくかな……」
「まだ何も起こってないのに、なんで悲観的なのさー」
「だって、今まであまり気持ちよく解決できてきませんでしたから……」
オトリはしょぼくれた顔で地面を見て歩いている。
「あたしと一緒なら平気だって! ほれ、前を向いた前を向いた! オトリはどんくさいんだから」
「そ、そうですか?」
「そうだよ。さっき走った時も何回か転んでただろ?」
オトリは水術を用いて己の水気を操れば、人ならざる身体能力を得ることができる。
走れば馬のごときの早駆け。突けば猪のごとき大力。その気になれば大岩や大木を投げ上げることもできるという。
しかし、飛んだり跳ねたり曲がったり。これらは反射と慣れの問題のようで、勢い余ってどこかへ突っ込んだり、何も無いところで転ぶこともしばしばであった。
「里で暮らしていたころは、走る用事もなかったし、水術の腕前も旅に出てから急に伸びたので、頭のほうが追っつかないんです」
「便利そうでも、使いこなすのは大変なんだね」
「はい。武術も特に習っていたわけでもありませんし、戦いで手足を使えばすぐに怪我をしてしまいます。治せるとはいえ、痛いんですよね。その上に水術を使うと、酷くお腹が空くんです」
「あたしの翼は風次第かな。体力を節約する飛びかたとかはお師匠様に教わったけど、高く飛んで滑空すれば、そんなに疲れないよ」
「良いなあ。お腹が空きました……」
巫女が恥ずかしげに腹の音を鳴らす。
「狩りでもするかな。それか、飯の種になりそうな困りごととかがあれば良いんだけど」
「良くないですよ!」
……などと会話をしていると、前方に騒ぎを発見した。何やら男共が怒声を上げている。
「ずくのあるやつは前へでろや! じっきに来るすけ、しゃぎつける仕度してろ!」
茂みを囲う農民たち。各々の手には鍬や斧が握られている。
「何かしら? 邪気は感じないけど……」
「罪人捕りにしては腰が引けてるしなー」
ふたりは足を止めて観察をする。
程無くして、茂みから驚くような巨体の猪が飛び出して来た。
縦幅が大人の倍……小屋ほどもあり、長く野太い牙は乱杭のごとしである。
「出やがったな、“山鯨”め!」
唸る獣。頭をひと振りするだけで大の男が吹き飛ばされて、離れて見ていた娘たちの足元へと転がって来た。
「大丈夫ですか!?」
オトリが声を掛ける。
「娘っこにめぐさえとこ見せた……。わしゃ平気。あの山鯨が畑を荒らすすけ、囲ってやろう言ったが、無理なもんは無理! んなも早う逃げーや」
男は立ち上がり、駆け足で退散していった。
「なんだ、元気じゃん。情けない奴だな」
ミズメが誹る。
「彼らだけでは駄目そうですし、手伝いませんか?」
オトリが提案する。
「良いね。恩を売って今晩は暖かい飯と寝床だ」
ミズメは返事をすると“どこからともなく”身の丈ほどもある真巻弓を取り出した。
「今、どこから弓を取り出しました!?」
声を上ずらせるオトリ。
「それは天狗の秘密!」
弭しなり、放たれたる矢が獣の胴体へ突き刺さる。
しかし、猪は矢に刺さったことに気付いてすらいないようだ。鼻先で農民たちを引っ繰り返すのに忙しそうにしている。
「分厚い皮だなあ。普通の矢じゃ通りそうもないな。オトリ、代わりにやってよ」
「うーん。水術を大勢の前で披露するのはちょっと……」
「助けようって言ったのはオトリだよ。どうせ一晩で通り過ぎるだけの村だって」
「噂は馬鹿にできませんよ。山城や畿内に噂が届くと困るのですが」
「えー、いいじゃん。あたしの矢だって限りがあるんだよ。あれだけ動き回ってたら針山にしなきゃ斃せないよ」
揉めるふたり。そうしてるあいだにも農民は逃走したり、倒されて頭数が減っていっている。
「うう……死人が出る前に動かないと」
唸るオトリ。
「がっはっは!」
そこへ、背後から喧しい笑い声が飛び込んできた。
「小娘二人が山伏の真似事か? おまえたちの専門は悪霊の調伏だろうが。ここはこの越後に名を轟かす狩人、阿奈美須様の出番じゃ!」
振り返れば、ミズメのものよりも巨大で野太い強弓を手にした男が居た。
無骨な頬骨に太い眉。髪は一つ結いで、露わになった上半身は筋骨隆々。腰には毛皮を巻いている。
「げっ! アナミス! この猪はおがたちのもんだ!」
「なーにが俺たちのもんだだ。おめえらじゃ山鯨の餌じゃ!」
そう言うと男は強弓を引き絞った。弩のごとき威力で放たれる矢。
矢はミズメの耳元を唸りと共に通り過ぎ、猪と対峙した農民の頬を掠めて猪の胸へと吸い込まれて行った。
「危ないな!」
「喧しいわ。俺の矢はまっすぐ飛ぶんじゃ。おまえらが動かんかったら平気じゃ。ほれ、女は引っ込んでろ!」
「あとから来て偉そうに!」
怒鳴り合うミズメとアナミス。ふたりの声を飲み込むかのような大咆哮が猪のほうから聞こえた。
「へっ! 俺の一発が効いたようじゃのう! 女のしょぼい腕なんかで斃せるわけがねえもんな」
「女、女ってなんだよ!」
ミズメが憤慨する。
「女が弓に触れるもんじゃねえ。山女神さまの怒りに触れるわ。しかも、なんじゃ? 女のくせに袈裟なんぞ着てる上に、殺生だなんて穢れるようなこと。罰当たりにも限度があるじゃないんかのう?」
……と、アナミスは豪快に笑ったものの、見る見るうちに顔を青くしていった。
確かに彼の矢は猪の胸毛を血に濡らしていたが、致命どころか単に怒りを掻き立てただけに過ぎず、獣は雄たけびと共にその身を起ち起こした。
あまつさえ、その八つ当たりを受けた農夫の一人の頭がついに踏み砕かれてしまった。
「人死にが……。私が出し惜しみしたせい?」
オトリも青くなっている。
「オトリ、呆けてる場合じゃないぞ!」
ミズメは警告した。猪は怒涛の勢いでこちらへと向かって来ている。
しかし、オトリは忘我で立ち尽くしたまま。彼女を脇へ突き倒して猪をいなすほかに手段はなかった。
大地を蹴る轟音が通り過ぎ、アナミスのものと思われる悲鳴と共に遠ざかって行く。
「ちぇっ、逃がしちゃったか」
舌打ちするミズメ。
巨大猪“山鯨”は乱暴な狩人を追い掛けてどこかへと走り去ってしまった。
さて、ミズメとオトリはぼろぼろになった農民たちに手を貸して、怪我人と遺体を村へと運び込んだ。
先程の化け猪は、元は山を一つ越えた森の奥深くに住んでいたらしいが、最近になってどういうわけか村の近隣に姿を現すようになったらしい。
農村というものは普段から鳥獣との知恵比べのいくさ場であり、罠や案山子を仕掛け、鍬を武器として振りかざさねばならぬことも日常茶飯事である。
齧られた作物が獣の命を繋ぐいっぽうで、知恵比べに負けた獣の肉が農民の腹へ納まることもある。
古来より繰り返されてきた人と獣の関係。自然の営みのひとつである。
だが、化け猪ほどの巨体となれば話は別。罠は意味をなさず、畑は畝を一度に何本もやられ、とうとう村の米倉までもが破られてしまう始末。
この村は近所の寺の荘園らしく、支配人である坊主の人格に問題はなかったものの、特段霊力に長ける法力僧というわけでもなく、武芸も未経験の年寄りであった。
そんなわけで荘民ともども頭を抱えているのだという。
先程のアナミスなる男は、村や荘園には属さず、勝手に山へ住み着いて鳥獣を獲って食いつないでいる猟人である。
彼の弓の腕前は、農民はもちろん、退去を命じに来た兵でさえも舌を巻くほどで、その鏃で脅すような真似をしてこの地に居座っているとのこと。
加えて、獲った獣を大量の米や野菜と交換しろと怒鳴り散らす有り様で、こちらの性無者も悩みの種となっていた。
「アナミスにも困っておるのです。そのうえに化け猪騒ぎ。本来なら、許可なくまじないを行う者の力を借りるわけにはまいりませぬが……御二人は若い娘さんだというのに、確かな霊力をお持ちになっている様子。善行であれば仏も目を瞑るに違いないじゃろう。是非、わしらをお助け願えぬじゃろうか?」
弔いを済ませた坊主が言った。
「私がもっとちゃんとしてれば……」
オトリはずっと沈んだままだ。
「あの山鯨なる獣は神仏の力にでも頼らねば止めることはできぬでしょうな。あなたのせいではありません。頭蓋は斧でも砕けず、皮すら矢を通さない怪物ですじゃ。今は、ただの大きな獣じゃが、放っておけば人を殺し続け魔道へ堕ちるやもしれませぬ。そうなれば、今以上に大きなわざわいとなるに違いない」
「坊さんは何もできないのかい? 寺を持つほどの腕前なんでしょ? 真言で仏さんの力を借りたりは?」
ミズメが訊ねる。
「それは我が師の話。わしは寺を引き継いだだけ。今の流行りは真言を唱えるよりも、極楽浄土を目指すことじゃ。欲を捨て、民と共に仏道を歩み、来世に望みをかける……」
そう言って坊主は手を合わせた。
「流行に乗って宗旨替えしたってわけか。これだから坊主は。ま、いいよ。化け猪はあたしが討ってやる」
「私も手伝います。本気でやれば水術で頭蓋を撃ち抜けると思います」
「オトリはいいよ。あたしがこの弓矢で射貫く」
ミズメは自身の弓を取り出して言った。
「でも、アナミスの矢でも大した傷を負わせられませんでしたけど」
「あたしが最初に射ったのは“ただの矢”だ。集中だってしてなかった」
「矢に毒でも仕込むの?」
「あの巨体じゃ、毒が回るのに時間が掛かるよ。それにせっかくの大物なのに毛皮や肉を痛めちゃうでしょ。あたしが本気を出せば射れない獲物はいないね」
ミズメの目は座っている。反芻するは狩人の不遜な態度。
「アナミスのようなことを言う娘さんじゃのう」
坊主が笑った。
「あんな奴と同じにしないでくれる?」
ミズメは不機嫌である。
アナミスが繰り返し「女の癖に」と馬鹿にし、「弓に触れるな」とまで言ってのけたのが気に喰わなかったのだ。
両性を持つ彼女としては、何も知らぬ相手を男だの女だので馬鹿にする連中は腹の虫が好かない。
ここはひとつ、あの差別者を弓の技にて「ぎゃふん」と言わせてやろうという腹であった。
「ともかく、お手伝い頂けると仰るのなら、今晩はこの寺で休まれるとよい。質素じゃが、夕餉も用意いたしますぞ」
「今日は山で野宿する」
ミズメは寺の縁から庭へと降りた。
「せっかく寝床を貸してくれるっておっしゃってるのに!」
オトリが不満を漏らす。
「この辺の地形と生き物の気配を見ておきたいから。オトリは坊さんの世話になりなよ。その歳じゃ襲われたりもないだろ」
白い歯を見せるミズメ。
「確かに足腰も立たんが、わしはそもそも煩悩を捨て仏道に生きる身。今世では女子を抱くつもりも獣の肉を喰らうつもりもありませんな」
「じゃあ、猪は獲ったら村の人たちと分けちゃうね。明日の日暮れまでには必ず吉報を届けるから」
手を挙げ、坊主たちに背を向けるミズメ。
「ちょ、ちょっと待ってください! やっぱり私もいっしょに行きます!」
オトリが駆けて来た。
「娘さんがた!」
坊主が声を上げた。
「一つ忠告じゃ。アナミスはあれでいて“しつこい”狩人じゃが、粗暴で自身が一番だと信じてやまない傲慢な男でもある。いつまでも得物を仕留め損なったままでいるとは思えぬし、化け猪を狙えば、烈しき競走となるじゃろう」
「先に矢を刺したのはあたしだ。あれはあたしの得物」
「そういう道理が通じるかどうか。あやつは、豊後国より流れてきた土蜘蛛の末裔という噂じゃ」
「土蜘蛛……」
「それを誇りにしとるから、官や兵を向けられても鼻で笑えるんじゃ。スメラギ様に祀ろわぬ不届きな男ゆえに、令も法もあったものでない。霊力と弓の腕に自信がおありのようじゃが、相手が野蛮な蟲の民であることを忘れぬようにの!」
土蜘蛛。あるいは蟲。
かつて、日ノ本を統一したスメラギに従わなかった豪族や有力者を指した言葉。
今となっては人々に忌み嫌われた一族や、村の出の者をそう呼ぶこともある。
それもまた蔑称であり、坊主の口から出て欲しくはなかったが、なんにせよ、先の配慮のない射撃は揺るがない。
「あの人にも気をつけなければいけないんですね。お坊様、ありがとうございました!」
頭を下げるオトリ。坊主はにこやかに笑って手を振った。
「……“蟲”ね。蟲が“鳥”に敵うわけなんかないよ。あたしは鳥の物ノ怪、天狗の水目桜月鳥だ」
ミズメは不敵に笑った。
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貝合わせ……貝殻を見せ合ってどちらが綺麗かで対決する遊び。和歌を添える場合もある。また、複数の蛤の貝を上下に分けて混ぜて、神経衰弱のように元の組み合わせを当てる遊びもある。
駅路……駅使が通行する官道。各国を結ぶ主要な道路で、物流や情報伝達のかなめである。駅には馬屋や関所、宿場などがあった。
乱杭……村や城を護るために立てられた杭。杭は先を削って尖らせた部分を外に向ける。
ずく……根性。
しゃぎつける……ぶん殴る。
めぐさえ……みっともない。
弩……ボウガン。
性無者……手を焼くような性悪の者。
豊後国……大分県辺り。
しつこい……猟師や狩人として優秀という意味になる。




