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物語の1片
「ぁぁぁぁぁあああああ!!」
自身で深々と刺した紅の剣を俺の身体から抜き、右上段に振るう。相手は大量の返り血を浴びる。
「っ!?」
痛い、痛い、痛い、血を流しすぎた、それでも、なお出続ける血を能力で止血し、相手を見る。警戒して距離を取ろうとしている。だが...どんなに強くて、どんなに速くても、この攻撃からは逃げられない!
「俺の返り血からは誰も逃げられねぇよ...。」
右手を相手に向けて伸ばす。
【血液操作!血柱!】
「!!」
返り血が無数の刃となって怪物を貫く。怪物は体を抑えて倒れた。
「俺の勝ちだ...怪物...。」
身体が冷たくなっていく。止血はした...それでも...。歪む視界と聞こえなくなる耳で何とか状況を確認した。自己犠牲の末に倒した......
はずの怪物はなぜか立ち上がっていた。




