表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/97

ボスラッシュ

……………………


 ──ボスラッシュ



 私たちは禁忌のダンジョン第1階層を抜けて、第2階層へと突入する。


「ワオオン!」


 響くのはポチスライムの雄たけび!


 この第2階層は若干複雑な迷路になっていて、どうなっているのかが分かりにくい。


 だが、大丈夫! そのための魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”ですから!


「はああっ!」


 私が魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”を正面の壁に向けて振るうと、そこから生じた波動が壁を叩き壊していき、瞬く間に道ができた。


「ワオン!」


 そして、その道に立ちはだかるポチスライム!


 ここに生息するポチスライムはポチスライム最終決戦亜種。メタリックな色合いと高い防御力、そして高いHPがこの道を進むものを足止めするぞ!


「てえい!」


 そこにディアちゃんが高性能樽爆弾を投げ込んだ。


 爆風が吹きすさび、ポチスライム最終決戦亜種がぷにーと吹っ飛ぶ。


「このまま畳むぞ! 雑魚にかまっている暇はない!」


「畏まりました、陛下」


 私、エーレンフリート君、ジルケさん、そしてジークさんとオットー君とミーナちゃんでわらわらと湧いたポチスライム最終決戦亜種を叩き潰す。


「きゅーん」


 ポチスライム最終決戦亜種も私たちの総攻撃を前に撃沈。


「よし。このまま前進だ」


 確か第2階層のボスは……。


 私たちの目の前に下層に降りる門を守るように翼を広げた怪物の石像が現れた。


「なんだ。この階層に強い敵はいないのか」


「戯け。その目の前の像がこの階層のボスだ」


 私がそう告げて魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”を剣先を石像に向ける。


 すると石像が動き出した!


「ガーゴイルか!」


 ジークさんがそう告げて武器を構える。


 そう、ガーゴイルだ。翼を広げた悪魔のような顔をした動く石像で、防御力は滅茶苦茶高いし、そのHPも禁忌のダンジョンに相応しいだけのものである。つまりそれなり以上にヤバイ敵ということだ。


「これは流石に私の魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”でも一撃というわけにはいかない。助力を頼むぞ」


「まっかせてー!」


 そう告げてディアちゃんが高性能樽爆弾を投げつける。


 炸裂!


 ガーゴイルに爆発系の攻撃は有効だ。逆に斬撃系の攻撃はあまり効果がない。


「吹っ飛べー!」


「やってやるぜ!」


 ここは後衛職の輝く時だ。


 ミーナちゃんが爆発系の魔術を敵に叩き込み、オットー君が爆薬のついた矢を放つ。


 ガーゴイルは反撃を試みるが、ここは私たち前衛職がガードだ。


 ガーゴイルが鋭い爪の並ぶ腕を振り下ろしてくるのを私の魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”で受け止めて弾く! ジークさんたちもディアちゃんたちに攻撃が及ばないように的確に攻撃を受け止めては、弾き続ける。


「くらえー!」


 そして、再びディアちゃんがガーゴイルに向けて高性能樽爆弾を投げつける。


 激しい炸裂。クリティカルだ!


「今だ! 畳みかけろ!」


 全員で一斉攻撃だ。ミーナちゃんたちが後方から火力を叩き込み、ジークさんたちが剣やハルバードでぼこぼこにする。


「グウ……」


 私たちの総攻撃でガーゴイルは叩きのめされた。やったね!


「回復を終えたら、次の階層に進むぞ」


「おー!」


 というわけで、私たちはガーゴイル戦の傷と損耗を癒すと次のステージへ。


 第3階層。


 そこはボス部屋一直線であった。


「こいつは……」


「アークバシリスクか」


 いたのは巨大なバシリスク。私たちが倒したレッサーバシリスクよりも3倍は大きい。巨大な怪鳥を前に私たちの足が止まる。


「普通の毒の治癒ポーションで回復できると思うか?」


「レッサーバシリスクの毒の治癒ポーションで対処可能だ。だが、可能ならば毒はくらうな。どうなるか分からん。毒に注意しつつ攻撃だ。行くぞ!」


 私は魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”を振りかざして、アークバシリスクに突撃する。バシリスクの毒の散布方法は口から吐く毒霧がメインだ。これを躱すのは至難の業だが、なんとかするしかないでしょ!


「はああっ!」


 私が魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”を振り下ろし、生じた波動がアークバシリスクに襲い掛かる。だが、この一撃だけではアークバシリスクも倒れなかった。


「キイィィ──!」


 アークバシリスクは雄たけびを上げると、私たちに向けて突撃してくる。


「受けきるぞ、エーレンフリート!」


「お任せを!」


 吸血鬼は状態異常になりにくい。


 私は気合でどうにかするとして、ここはエーレンフリート君とともに毒をまき散らすアークバシリスクをどうにかしよう。


 私たちはアークバシリスクの足を狙って攻撃を仕掛ける。姿勢を崩して、その隙に首を刎ね飛ばしてやろうという算段だ。


 突進してきたアークバシリスクの足元に滑り込み私とエーレンフリート君はアークバシリスクの足を狙って攻撃を叩き込んだ。アークバシリスクも流石のダブル黒書武器の攻撃には耐えられず、床に向けて盛大に転ぶ。


「ジルケ、ジーク! 首を刎ね飛ばせ!」


「……任せて!」


 アークバシリスクが毒霧をまき散らす前にジルケさんたちが動いた。


 ジルケさんとジークさんでアークバシリスクの首に刃を叩き込む。


 アークバシリスクは悲鳴を上げる暇もなくぼふんと白煙を噴き上げて、素材だけを残して消え去ったのだった。


 私たちって意外に息が合ってるチームじゃないかな? とっさの連携が上手くいくとかなかなかいいパーティーだと思う。


「よくやったな、ジルケ、ジーク、そしてエーレンフリート」


「ありがたきお言葉」


 私の言葉にエーレンフリート君が深々と頭を下げる。


「ディア。素材の回収は忘れるな。それから全員に回復アイテムを」


「了解!」


 私たちは第4階層に挑む前に、第3階層で休息をとり、それから再び禁忌のダンジョンの階段を駆け下りていった。


「ここは……」


 第4階層はいたるところに人骨が転がるカタコンベのような場所であった。ここにいるボス魔物はいったいなんだったけな。


「オオオォォォ……」


 背筋の凍りつくようなうめき声が響き、ゆらりと空気が揺れる。


「そうか。ここのボスはレイスか」


 レイス。


 アンデッド系魔物の上位種。物理攻撃は無効。聖水を使うか、魔術で殴りしかない相手だ。ここでは脳筋プレイはできないぞ。


「ヘルミーナ。魔術でしか倒せない相手だ。行くぞ」


「任せて!」


 私は魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”をミーナちゃんは杖を構え、レイスに狙いを定める。急がないとこいつは面倒な攻撃をしてくる。


「オオオォォォ!」


 周囲の骸骨たちが起き上がり、カラカラと骨を鳴らしながら私たちに迫ってきた。そう、このレイスは死体を蘇らせて、私たちに叩きつけてくるのである。


「やらせないよー!」


 ディアちゃんはレイスがさし向けてきた骸骨めがけて高性能樽爆弾を投げつける。


 炸裂。哀れ骸骨は爆発四散。だが、数が多い!


「吹っ飛べ―!」


 その隙にミーナちゃんがレイスに爆発系の魔術を叩き込む。


 レイスは確かなダメージを受けてよろめく。


「降り注げ。無垢なる刃」


 私もエーテル属性の全体攻撃で攻撃。


 攻撃対象には周囲の骸骨も含まれていたらしく、レイスごと骸骨たちが吹っ飛ぶ。


「まだまだいくよー!」


 ミーナちゃんが次の攻撃を叩き込む。


 装備の質が非常に向上しているのか、ミーナちゃんの攻撃力は高い。


 レイスは吹き飛ばされ、ぼふんと白い煙を吐き出して消え去った。


「流石にいろいろと厳しくなってくるな。これ以上、攻撃手段が制限される敵が現れないといいのだが」


「どうだろうな」


 実際のところ、どうだったっけ?


 このゲームは何回も周回して、この禁忌のダンジョンも何度もクリアしたはずなんだけどいかんせん昔のゲームなので記憶があいまいだ。中学生の時にプレイしたゲームの内容なんてふんわりとか覚えていないよ!


「何はともあれ。回復を行ったら、さらに地下だ。一気にたたくぞ」


「おー!」


 私たちは消費したMPを回復させて第5層へ。


 第5層は熱帯雨林の世界だった。


 何故か地下なのに太陽の日差しが差し込み、燦々とした太陽の下で、むわっとする樹海が広がっている。何をどうやってこんな空間を作り出したのか。


「少しばかり死角が多いな」


「そうだな。気を付けて進み──」


 ジークさんが何事かを告げる前に私が魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”を思いっきり横なぎに振るった。剣先から生じた波動が樹海を叩き切っていき、樹海は哀れ伐採地に。でも、死角を作っている君たちが悪いんだよ?


「……死角はなくなったが、この階層の主はお怒りのようだ」


 ジークさんがそう告げるのに、私たちが武器を構える。


「マンティコアか」


 現れたのは醜い虎の姿にサソリのような尻尾をはやした怪物だった。


 ……なんだか、ミーナちゃんに毒を負わせたキメラを思い出して嫌な感じだ。


「毒針に警戒しろ。一気に畳むぞ」


「りょーかい!」


 開戦第一撃はディアちゃんの高性能樽爆弾で始まった。


 高性能樽爆弾はマンティコアを吹き飛ばし、壁に叩きつける。


「あんた見てると、嫌な思い出が思い返されるのよ!」


 それからミーナちゃんが些か理不尽なことを言いながら、魔術攻撃をぶつける。


「叩き切って、それで終いだ」


 そして、マンティコアに反撃の隙を与えず、私が魔剣“黄昏の大剣(ラグナロク)”で斬撃を叩き込んだ。マンティコアは悲鳴すら上げられず、真っ二つに切られて、ぼふんと白煙を噴き上げると素材だけを残して消え去った。


「ねえ、ねえ。なんだか、このダンジョンの敵って弱くない?」


 ディアちゃんがそう尋ねる。


「戯け。敵が弱いわけではない。我々が強いのだ」


 そうなのである。


 ディアちゃんの持っている“賢者の杖”は錬金術アイテムの効果を3倍にする。ポーションの回復量も、樽爆弾の威力も全てが3倍になるのだ。


「貴様も強くなったのだ。それなりの自信を持て」


「わーい! 私、最強!」


「調子には乗るなよ」


 実際のところ、ディアちゃんは調子に乗っていいぐらいに強くなっている。高性能樽爆弾の威力が3倍ともなれば、邪神だってそこまで粘らずに倒せる。


 前衛の装備もきちんと整えてくれているし、隙なしだ。


「さて、この階層は余裕だったな。準備を整えたら下層に降りるぞ」


「おー!」


 というわけで私たちは順調に禁忌のダンジョンを攻略していっていたのだった。


 第6階層──ボスはミノタウロス。


 第7階層──ボスは超巨大ムカデ。


 第8階層──ボスはミドガルドシュランゲ亜種。


 私たちは爆弾、魔術、弓矢、斬撃で次々にボスを撃破していって階層を潜り続ける。


 そして、ついに到達した第9階層では──。


……………………

面白そうだと思っていただけましたら評価、ブクマ、励ましの感想などつけていただけますと励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ