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とある学祭の模擬店〜空気を入れ替えるミントティー〜

作者: 夜朝

わかる

わかるよ


僕もさ

実は

ゆくゆくは

カムアウトしたい

あえて話していないことがあるんだよね


でも

ちょっと待ってくれ


それを告白したいのは

なぜかと言うと


もう溜め込めないくらいに


こう

なんて言うのかな


蒸し暑いっていうか

息苦しいっていうか


自分にとっての居心地が

よくないから

改善したいわけなんだよ


でもさ


それまでの状態が

居心地よかった人たちにしてみれば

一大事なんだ


あの

真冬にストーブ焚いて

こたつに入って

ほっこりしてるところに


窓やドアを全開にされて

すごく寒くされる感じだね


できれば

ぬくぬくしててほしいんだ


でも

これが例えば

自分自身が

温かいお茶として

活用されている場合にだね


「じ

 実は自分の中には

 すーっとする成分が入っていて


 ホットよりも

 むしろ

 アイスで飲んでほしい葉っぱなんだ!」


君たちの告白したいことは

どんなかな


「実は

 温室で美しく切り揃えられるよりも

 露地で好き勝手に茂りたいんだ」


とか?


ああ

ははは

これは難しいんだ


そばにいる人の

期待に応えたいのは

それはそれで

ウソじゃないからさ


ただ

外では

いくらでも

猫も被るけど


中でまで猫が脱げなかったら

一体どこでリラックスするんだい


そりゃ無理ってもんさ


だからね


すぐそばにいる人はさ


ありのままの

かざらない自分を


それでいいよ


とか


むしろそれがいいよ


とか

言ってくれる相手じゃないと


うまくいかないよね


ただ

その結論に至るまでの過程はさ

あのー

言ったほうがいい場合と

まったく言う必要がない場合と

あるよね


「自分を偽らせて

 居心地を悪くさせた

 原因の一端は……」


とかさ


無駄な波風は

要らないよね


「自然の成り行きで

 ある日

 ふと

 気付いたんだ」


そんな程度で押さえて

細かい説明なんてさ

しなくても


はい

どうぞ


ホットのミントティと

アイスのミントティ


……うーん

なんか

どっちも美味しいなぁ……


もっと

こう

すごく上手な

たとえのメニューが

思いつけばよかったんだけど


うん?

僕がカムアウトしたいこと?


……あー


まあ


なんていうかさ



自分の畑に


ピンク色の花が咲く種は

存在しないって

言い張ってたんだよね


うん

まあ

それなりに


品種?


さあ

なんだろうね


名もないような

小さい花が良いよ



雑草って

割と憧れなんだ


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