百合を書けと言われた気がした。
前職の先輩の話です。
その日、入社以来研修で所属していた部署から、正式に配属される部署へ異動する出勤一日目。
朝、社員寮のマンション(数部屋借り上げていたマンション。数年前に殺人事件発生)でエレベーターを待っていたら、上階から下りてきたエレベーターが開きました。
冷蔵庫がのってました。
(冷蔵庫……だな)
それ以外の感想を持ちようがありませんでした。
「え、ここ何階!? なんでとまったの!?」
冷蔵庫のかげから女の人がぐいっと出てきました。
(あ、見たことある。初出勤前に部署に挨拶しにいったときに、手土産の「白い恋人」を強奪しながら「おまえ、わかってんじゃん」って言ってたすげー美人のひとだ)
ていうか今日は早番で出社してこのひとからいろいろ教わるはずなんだけど、
寝ぐせ・よれよれパーカー・眼鏡で、ここからどんなペースであのハイパー美人になるの? 普通に考えて電車にまず間に合わなくない?
冷蔵庫持ってるし。
「十三階ですけど……」
というわたしの話を聞かないで冷蔵庫持っておりてこようとしているし。
「十三階でいいんですか!?」
と大きな声出してみたら、
「ああ!? 十一階じゃないの!?」
って叫び返しながら冷蔵庫ずりずりひきずってエレベーターの中に戻っていくし。
ドアに挟まれているし。
さすがに何か手伝わないと、と思いながら隙間から冷蔵庫に乗り込んで、いやエレベーターに乗り込んで「開」ボタンを押してみたものの、
「あででで、いで、うわ、おい、こら、閉まる押してるだろうがああああああ」
って滅茶苦茶怒られました。
その間、先輩はエレベーターに何回もがっつんがっつんはさまれていました。
確かにわたし、混乱したまま「すいませんすいません」って言いながらボタンを押していたんですけど、何回確認しても慌てすぎて「閉」押しちゃってました。
二度めましてがそんな出会いだった冷蔵庫先輩(仮称)。
女子高から推薦で体育大学に進んだ運動神経抜群美女。ちなみに種目はバスケ。
「高校のときは朝練終わって教室帰ると、いっつも机の上にあんぱんと牛乳あったよ。ありがたく頂いてたよ、誰からか知らんけど」
という、漫画みたいなこと言ってました。
そんな先輩とのあれこれでも書こうかと思ったんですが、暇になるといきなり「昇竜拳っ」て叫びながら飛び上がる(※職場での出来事)とかそういう話しか出て来ないのでこの辺でやめておきます。
そんな作者のどうでもいい日常や思い出を書くエッセイもどき、リクエスト受付中です。
リクエスト限定エッセイもどきなんですが、最近の活動報告等の会話の流れがら小ネタを書いてみました。
リクエストに応じたものではないので、そのうちこの回は消すと思います……。