3話 忌子の姉
第1節で描かれたクリスの過去の詳しい版
時系列は前話のかなり後くらい
クリスが母の笑った顔を見たのはたった一度だけ。
痩けた頬、隈に縁取られた暗い瞳。かさついた唇。乱れた髪がかかる死人同然の顔に薄く笑みが乗る。
記憶のある中で、いつも暗く彩られていた顔に不気味な笑顔が乗った瞬間、母は自分の首を切った。
倒れ伏す細い身体と、床に広がっていく赤い液体。
まだ幼いクリスには状況が上手く理解できなくて、火がついたように泣き出した弟を宥めるのに必死だったのを覚えている。
すぐに使用人が駆け付け、母の遺体は処理された。
「お前たちの母親は死んだ。もうここに置いておく義理もない」
冷たい顔でそう言ったのはクリスの父親である男だった。
母は優しい人だと夢見がちに言っていたが、クリスは彼の優しさに触れたことは一度としてない。
忌子として生まれたクリスには侮蔑が籠った冷たい視線が注がれるばかり。この日も同じだった。
血の繋がりを認めない瞳は視線のみで勘当を示した。
「金はやる。後は好きにしろ」
少ないお金と少ない荷物だけを抱えてクリスと弟のレオンは外に放り出された。
まだ四つのクリスはその日から生まれて間もない弟を抱え、生きていくしかなかった。
スラム街の片隅で、貰ったお金を少しずつ切り崩しながら生活する日々。
幸いなのは、人間と違って妖の身体は丈夫にできていること。そうでなければ早々に二人命が尽きていたかもしれない。
クリスはそうなってもよかった。でも、弟を死なせたくはなかった。
クリスが死ねば、幼くてか弱い弟は簡単に死んでしまうだろう。それだけは避けなくてはならない。
どんな悪事に手を染めても、どれだけこの身を削っても、弟だけは、レオンだけは死なせるわけにはいかない。
弟を守るために生きて数年、遂にお金が尽きた。最低限の食事すらままならなくなったクリスは他の住人を真似て盗みをするようになった。
クリスにはちょっとした特技があって、それに価値を見出した住人たちと協力することもあった。複数人で組んで襲えばより大きな利益が手に入る。
少ないお金を切り詰めて生きていたときよりも少しだけ贅沢な暮らしができるようになった。
スラム街の人たちは価値のある人間には優しい。
お下がりの毛布をくれたり、水浴びができるところや美味しい残飯が食べられる場所、盗みに入りやすいお店を教えてくれたり。
汚く染まった大人たちの間を上手く渡り歩いて、弟を守るために必要な術を身につけていった。
こっそりお金も貯めている。弟が大きくなったとき、彼だけでもここから抜け出せるように、と。
スラム街でお金を抱えるのは危ういことだが、クリスの特技を警戒して大抵の人は近付いてこない。一度弟に手を出そうとした大男を八つ裂きにしてからは特にクリスに対する警戒心がスラム街全体で強まっているように思う。
弟のためのお金も、弟自身も守れるならクリスには特に言うこともないが。
「レオン、寒くない?」
「うん」
小さく頷くレオン。その身体を包む毛布は薄っぺらく、防寒具としてはとても役に立たない。ないよりはマシ程度の代物だった。
それでも優しいレオンは姉を困らせないように「平気」だと言って笑う。
そんなレオンのお腹が小さな鳴き声をあげた。可愛らしいその音に苦笑し、立ち上がる。
「食べるもの、取ってくるわ。レオンはここで待っていて」
また小さく頷くレオンを見届けて、小走りで露店が並ぶ通りまで向かう。あまり一人で待たせたくないから近場の店で済ませよう。
盗みにはもう慣れた。気配を極限まで殺し、店主の意識が逸れた瞬間を狙って果実を一つ。指先から伸ばした糸で絡めて盗み取る。
欲張って見つかるリスクを避け、スピード勝負でその場を立ち去る。
店主がクリスがいた方に振り返ったときにはすでに路地裏へと逃げ込んでいた。そのまま足を止めず、むしろ速めてレオンの所へ戻る。
時間にして数分もかからない早業で食事調達を済ませて戻ってきたクリス。
喜ぶ弟の顔を想像していたクリスの目に映し出されるのはレオンを掴みあげる男の姿。
一瞬にして頭の中が真っ赤に染まり、抑えきれない怒りが全身に駆け巡る。
「弟に、何をしている!」
スラム街にいるにしては身なりのいい男たちだった。襤褸とは程遠い衣服ながらも高級品とも言い難い。
稼ぎのいい悪事に手を染め、金回りがよくなった奴らといったところだろうか。
「その汚い手を離せ!」
彼らの素性などクリスにはどうでもいことで、怒りを煮詰めた視線を注ぐ。
射殺さんばかりの視線を受けながらも、男たちは涼しい顔で首を捻っている。所詮子供だと侮っているのだろう。
「あぁ? こいつの姉か?」
「身なりは汚ねぇが、磨けばそれなりになるんじゃね。しかも、忌子。今日はついてんな」
男たちの目的はどうやら忌子らしい。忌子は使い捨ての戦力や好事家のペットとして高値で取引されており、そういう奴隷商売で生計を立てている奴らなのだろう。
その標的をレオンにしたこと、汚い手でレオンに触れたこと、絶対に許さない。
後悔させてやる。殺してやる。いや、死ぬことすら救いと思うような凄惨な目に遭わせてやる。
未だ子供だとクリスを侮る男たちに向けて糸を放った。クリスのちょっとした特技、霊力の糸を生成して操る力。
いつもは遠くのものを取ったり、罠を仕掛けたり、諜報活動に使ったりするその力に攻撃性だけを与える。
「なんだ、これ。糸? ただの子供騙しか」
嘲笑とともに糸に触れた男の指が落ちる。一度大男を八つ裂きにしたことのあるこの力は、触れただけで対象物を切断する鋭利な凶器だ。
薄汚い苦悶を零し、怒りに満ちた声が投げかけられる。
構わず、レオンを掴む男の腕を落とした。
地面に落ちる寸前でレオンを抱き止め、距離を取る。
「目を瞑っていて」
優しい声で語りかけながら、怒りに狂う男たちと向かい合う。誰一人楽に殺しはしない。
男の誰かが生成した水の刃がクリスを襲う。糸を縒り合わせた壁で防ぐ。練度の低い術はそれだけで容易く霧散した。
男たちが怯んだ隙をつくように殺意を持って糸に命令を加える。煩わしい音のすべてを失くしてしまえ、と。
「あらあら、大変なことになってるわね」
薄暗い場所に似合わない呑気な声が花咲いた。
聞こえる声すべてを雑音として処理していたクリスの耳に流麗な音色のように滑り込んだ。
同時に鋭利さを備えた糸たちがすべて透明な障壁によって阻まれた。
クリスが水の刃を防いだときのように、強固さを持つ結界を前に糸が霧散した。構成している妖力が解けたのだ。
「邪魔、するな」
せっかく男たちを殺せると思ったのに。
怒りと憎しみを煮詰めて、美しいものしか知らない呑気な女を睨みつけた。
血腥いものなど知らない純潔を語るその姿はそれだけで引き下がると思ったのだ。
愚かしい程に無垢な女。汚いものなどない綺麗な世界で育ち、汚れたことなどなさそうな光。
クリスが過ごした闇を示せば、女はすぐに引き下がるだろうと思っていた。
「残念だけれど、それは聞けないわ。代わりに助太刀してあげる」
「助けなんていらない」
しかし女は引き下がらず、光を纏った笑みをこちらに向けてくる始末。
知らないから向けられる闇にも気付きはしない。そういうことだと思っていた。
「こういうときは素直に甘えるものよ」
小首を傾げ、可愛らしく。
雲ひとつない空を写し取ったような瞳を、女は男たちに向けた。
小柄な身体。クリスでさえも簡単に押し倒せてしまいそうなほどにか弱い少女の身体。
しかし、女はか弱そうな印象など掻き消えるほどの迫力で男たちを圧倒してみせた。
ゆっくりとした挙動で歩み寄る姿にすら男たちは分かりやすく怯える。
恐怖を映した瞳を前に女は手を伸ばし、クリスが切り落とした指や腕に治癒を施した。
瞬く間に元の状態に戻った傷口に目をくれることもなく一言。
「去りなさい」
凛とスラム街の片隅に響き渡る声。
悔しげに顔を歪める男たちは「覚えてろよ」なんてらしい捨て台詞を残して去っていた。
「ええ、覚えているわ」
と、女は男たちにとって恐怖を与えるような一言とともに去っていく姿を見送っていた。
完全に姿が見えなくなったところで彼女はこちらを振り返った。
その手が、汚れの知らない透き通った白い手がレオンへと伸ばされ――咄嗟にその手を払った。
きっと睨みつけても女は暢気に笑っている。彼女の周りには悪意や敵意などといった感情が存在しないとでも言うように。
「貴方たち、忌子のようね」
「だったら何?」
薄暗い場所でも光り輝くような金色の髪。
澱んだ空を霞ませる澄みきった紺碧の瞳。
汚れを寄せ付けない透き通った白い肌。
身に纏う衣装、装飾品一つとっても一目で分かるほどの高級品ばかり。
何より彼女の纏う妖気は誰よりも気高く澄んでいた。邪気に愛され、生まれながらに穢れを纏うクリスたち、忌子とは対照的な姿。
相対しているだけで、酷く惨めな気持ちになる。
どう足掻いたって忌子のクリスでは彼女のような光になることも、光に触れることも叶わない。変え難い事実を彼女の存在が示していた。
「困ったことがあったら手を貸すわ」
「助けなんていらない」
他人なんて信用できない。利用し、利用されるだけの間柄だ。
クリスが心から信頼と信用を注ぐのはたった一人、弟レオンだけだ。そう思っていた。
彼女はそれからたびたびクリスのもとを訪れた。スラム街に足を踏み入れば、簡単にカモにされてしまうであろう姿を晒しながら誰に手を出されることなく、穢れを知らない姿で何度も何度も。
圧倒的な光の前では、スラム街程度の闇は掻き消えてしまうらしい。むしろ闇の方が照らされ、彼女の来訪を歓迎する者がじわじわと増えてきている。少し居心地が悪い。
「暇なの?」
「何年も生きてると時間ばかり余って大変なのよねぇ」
なんてからからと笑う姿を見て心の中で彼女のことを『暇人』と呼ぶことにした。
言葉や所作の端々から貴族の令嬢だということは窺え知れ、親の金に甘えて好き放題している類の妖なのだろうと判断した。
母親が死に、忌子だからと捨てられたクリスたちとは大違いだ。
「レオン? どうしたの?」
それは突然のことだった。いや、予兆はあったのかもしれないが、日々の生活に忙殺され、気付くことができなかった。
ぐったりと力なく倒れるレオン。呼吸は荒く、じっとりと嫌な汗をかいていた。
触れてみれば、高い体温が掌越しに伝わる。
「ど……どうしよう」
今までも悪いものを食べてお腹を下したり、熱を出したりすることはあったが、ここまで酷いのは初めてだ。
クリスの迷惑にならないよう、限界まで我慢していたのかもしれない。レオンは優しい子だから。
「ね……さん、ごめっ」
「だいじょうぶ……大丈夫よ、レオン」
何度も何度も「大丈夫」と語りかけながら、クリスは解決策を見つけられないでいた。
スラム街の子供を診てくれる医者などいない。以前、レオンが熱を出したときに門前払いを食らったのを覚えている。
あのときは薬屋から薬の盗んで飲ませた。今回も薬を飲ませれば大丈夫だろうか。
クリスは元々医術に長けた家の人間だ。聞きかじり程度の知識は持っていて、今まではそれでどうにかなっていた。
「熱冷ましの薬を……でも…」
まずは薬を飲ませて様子を見る。あとは水もたくさん用意しておいた方がいいだろう。
必要なものを思い浮かべ、それを手に入れる方法をシュミレートする裏で、苦しむ弟を一人残していくこともできないとジレンマに悩ませる。
連れていった方がいいか。でも、下手に動かして悪化したりしないだろうか。
クリスにはどれが正解なのか、答えを見つけられない。
迷いに迷ってレオンを抱えあげる。置いていくよりもマシだと判断した。
連れていった方が薬も早く飲ませられる。
ぐったりとしたレオンの様子に不安を掻き立てられながら、薬屋への道を急ぐ。
「あら、熱でも出したの?」
呑気に声をかけてきたのは例の暇人だった。
驚いたように目を丸くして、レオンの顔を覗き込む彼女。
相手をする時間も惜しくて通り過ぎようとすれば、腕を掴まれた。きっ、と睨みつける。
「邪魔しないで」
「そんな邪険にしないでちょうだいな」
焦るクリスにはその一挙手一投足がやたらとゆっくりに見えた。
「うちに来なさい。医者を手配するわ」
「……。……何が、狙い?」
「単なる善行、なんて言っても信用しては貰えないでしょうし……そうね、働き手が欲しいからとでも言っておきましょうか」
警戒するクリスを前に彼女はにっこりと笑った。
「貴方が私の小間使いになってくれるなら、貴方の弟を助けてあげるわ」
「……弟に何もしないって誓える?」
「もちろん、誓うわ。ここで誓約しても構わない」
言って、彼女は宙に手をかざす。
妖力によって編み出されるのは誓約書だ。
クリスにも理解できる言葉で綴られた誓約書には、交わした言葉通りの文言が並んでいる。
その上、誓約を反故にしても罰せられるのは彼女のみ。クリスには一つとして損のない誓約であった。
それでも警戒は消さず、瞬き一つすら監視するように名前を綴った。
「これで誓約完了ね」
紙は光の粒になって消えた。姿が見えなくなっただけで交わした誓約が有効であることは感覚的に分かる。
「おいで」
行って女性は手を差し出した。
恐る恐るその手を取れば、視界が一瞬にして変わった。
今までスラム街にいたはずなのに、今は豪奢な一室に立っている。
複数人で使っていると言われた方が納得できるほどに広い部屋。
派手さはないものの、置かれている調度品すべて高級品であることが一目で窺える。一つでも壊しようものなら、クリスが一生かけても払いきれない気がする程に。
「樺、この子をベッドに。あと医者の手配を」
突然、影から現れた長身に思わず声をあげそうになった。
樺というらしいこの男へ、恐る恐るレオンを預ける。まだ完全に信用しきれていないので、ベッドに行くまでの道中、睨むように見張った。
樺は丁寧するぎるほど丁寧にレオンを扱い、ベッドに寝かせた。そこでようやく警戒を解いた。
樺の振る舞いはスラム街の子供に向けられたものではなく、主の客へ向けられるものと一貫していた。女がクリスたちを客として認識している間は危害を加えることはないと信用できるものがあった。
「さて、これからの貴方の処遇だけど……」
クリスが警戒を解いたのを見て取った妖華がそう口火を切った。
レオンを丁重に扱ってくれるのなら自分はどうなってもいい。そんな思いで紺碧の瞳を見返す。
「その前に名乗っていなかったわね。私は妖華、妖界の王をやらせてもらっているわ」
「おう、さま……?」
「だからと言って態度を変える必要はないわよ。私はそれを咎めない」
上級貴族だろうとは思っていたが、まさか王本人だとは思ってもみなかった。
身につけてるもの、所作、それらは彼女の言葉を肯定できるほどのもので、反して彼女の言動はそこから少し外れていた。
「貴方の名前を聞かせてもらえるかしら? 偽名でもいいわよ。呼び名が欲しいだけだから」
「……クリス。弟はレオン」
名前は素直に教えた。スラム街にいたときは意地を張って教えずにいたが、他の住人に呼ばれるのを聞いて知っていたのだろうとは思う。
ここで敢えて名乗り合うことに誠意を示したのだと。
だからクリスも誠意として本名を名乗った。弟を救ってくれることに感謝しているから。
「それで早速仕事なのだけれど、クリスは読み書きはできるのよね」
こくりと頷く。
レオンが助かるのならどんな仕事でもするつもりだ。
そんな覚悟を読み取ったのか、妖華は満足そうに頷いで小部屋へ案内した。
広すぎる部屋の奥には小部屋がいくつもあり、そのうちの一つだ。そのすべて妖華の私室というのだから、住む世界が違う人だと改めて実感させられる。
「ここにある書類を宛名ごとに分けてもらえるかしら」
「分かった」
机の上に書類によって作られた塔がいくつも建っていた。まだ読めない字がたくさん並ぶ書類たちではあったが、宛名の部分は辛うじて読める。
「あと、これから礼儀作法の勉強もしてもらうことになるからそのつもりでね」
そう言って、妖華は去っていった。
想像していたよりも簡単な仕事で少し拍子抜けだ。でも、与えられた仕事をきっちりこなすことに変わりはない。
それからクリスは、部屋を一つ借りて王宮で暮らすこととなった。レオンが寝ている部屋の隣である。
ここら一帯は妖華の私的な空間となっているらしく、スラム街の子供がうろちょろしても文句を言ってくるような人はいない。
妖華からの信用が厚い使用人や、妖華と親しい間柄の人物しか入ってこれないようになっているらしい。
思っていたよりも快適に王宮暮らしをしつつ、厳しい樺の指導を受けつつ、言いつけられた仕事をこなす。そんな日々だ。
一週間ほどでレオンも全快し、これ以上長居する必要もなくなっていたが。
「貴方が望むならずっとここにいなさいな。補佐してくれる子がいるなら私も助かるもの」
なんてことを言われてしまっては出ていくなんてできない。
そう考えてしまうほど、クリスは妖華という人物を好ましく思っていた。
王宮で暮らした方がレオンの安全も守れる。けれどそれ以上に彼女の傍にいたいという欲も出てきてしまった。
彼女の傍で、彼女の助けになりたい。
「私……妖華様に助けてもらってすごく感謝してる。貴方の助けになりたい」
「嬉しいこと言ってくれるわね」
にこにこと笑う姿を見るだけでクリスも嬉しくなる。弟以外にこんなことを思うなんて想像もしていなかった。
「じゃあ、一つお願いを聞いてくれるかしら」
「なんですか?」
「もし貴方たちみたいに困ってる子がいたら手を貸してあげて。私は私の目の届く範囲でしか、手を差し伸べられないから……」
困ったように笑う姿が印象的だった。
「貴方の目も加われば、もっとたくさんの子を助けられると思うの」
この人は妖界を愛しているのだ。深い愛情を、会ったことすらない民にも向けているのだと。
優しい人。そう片付けるのは簡単だ。
けれど、彼女は優しい以上に強い人なのだ。
誰かに愛情を向けることは、とても辛く苦しいものであると他でもないクリスがよく知っているから。
彼女の抱えるものをクリスも共に背負いたい。
この人はレオン以外にクリスのすべてを捧げてもいいと思える唯一の人物になった。