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ムコ  作者: CGF
25/29

四夜目6


現れた女は、20代くらいだろう……



仮面を被っていないのは自分が上位者であると解らせる為か。


だとしたら、配列がぐちゃぐちゃになり続ける顔は?



単にこちらへ不快感を与える為では無いだろう。


いちいち鼻につく仕草を見れば、自己顕示欲の強いタイプに思える。


そんなタイプの女が、気色悪がらせる為だけにあんな小細工をするものだろうか。




(顔を、覚えさせない為か!?)


「……何をしに来たんだ?」


「あら、解るでしょ?ルールを……一部でも読み解いた貴方なら」



女は歪み続ける顔でクスクスと笑う。



「手前ぇ!」



最初の衝撃から立ち直ったユウイチが、持っていた手斧を投げ付けた!



ぶぅん!と音を立てた手斧は、しかし女の腹を素通りして後ろの壁に当たる。



「ホログラムってヤツかよ!?」


「……いえ、夢なんですから」



「せっかちね。まぁ、『ムコ』には丁度いいけど」



面白そうにオレ達を窺う女に、オレは訊いた。



「オレ達を処分しに来たのか?」


「まさか。ルールを一つ無効果されたくらいで、そんな勿体無い真似はしないわ」



勿体無い……?



「そうね、通告、と謂えばいいかしらね」



女はまた足を組み直し、髪を払う。



「今後、貴方達は他の人達に出逢わない様にしてあげる。蟲だの獣だのと遊ぶといいわ、仮面を集めるのに不自由はしないでしょ?」


「仲間を増やされたくない、って訳か。ルールを削りたくないからだな?」


「まぁね、それをされるとこっちの思惑が……駄目にはならないけど、遅くなるのよ」



そう言うと、女の姿がぼやけ始める。



「お!おい!お前の名前は!?」



引き留める為にそう訊いたのだが。


女は消えてしまった。



消える際、不愉快そうな表情をした様に見えたのは……気のせいだっただろうか?



部屋が元の様に暗くなる。



「な……なんだアイツ!?」


「変ですね?名前くらい教えてくれても良さそうなのに」



確かに。ああいう自己顕示欲の強そうなヤツなら、訊かなくても自己紹介くらいしそうな気がする。


この夢を視せる事の何が目的なのか、そんな事は喋るはずも無いだろうが、自己紹介をしないというのが引っ掛かった。



あの不愉快そうな表情。顔のパーツが散らかっていても判る程に。


名前を訊かれたのがそんなに嫌だったのか?



(有名人……という訳じゃ無さそうだが)


「しっかしよ、アイツどうやって俺達に夢を視せてんだ?」


「さぁ……魔法、とか?」


「ユミちゃんよぉ、そりゃ無ぇだろ」



まぁ、魔法なんてさすがに……





……魔法?







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