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ムコ  作者: CGF
11/29

二夜目1



「あっ!タクジ!?……えっ!?なんで?嘘だろ?俺は起きたはずなのに」



ユウイチが騒ぐ。


騒ぎたいのはこっちだ。



「……うるさいぞ、落ち着けよ」


「お、落ち着けって?おかしいだろ、こんな」


「落ち着けよユウイチ。カウンターを見ろ」



カウンターは既に【120】から少し減っている。



「ゼ、ゼロになったはずなのに……」


「どうやらあのカウンターは夢から覚めるまでのリミットを示してるみたいだぜ?」


「終わったんじゃ……無かったのかよ」



オレも終わったと思っていたさ……



「丁度昨日の続き、ってところなんだろうな」


「こんな馬鹿げた夢なんてあってたまるか?いつまで続くんだ!?」


「ルールを読めよ、既定の点数を集めれば終わるんだろう。それより」



オレはユウイチに訊いた。



「ニュースは見たか?」


「“アサミン”の話だろ……」


「そっちもだが、“梶原 悟”のニュースもだ」



ユウイチは意味が解らないらしく首をひねった。



「昨日化け物蜘蛛に喰われたヤツだよ」


「え!?マジか?」


「……顔くらい覚えておけよ。道理で2点持ってた訳だ、殺人の経験者なんだからな」



いくら夢の中でとはいえ、仮面を奪う事は殺人に繋がる。普通の神経なら躊躇ためらうのが当たり前だ。


人間以外の生き物から手に入れたのかとも思ったが、ヤツ──梶原 悟──の場合、そうじゃないのかもしれない。



「夢の中で二人が死に、現実でも死んだ。どう思う?」


「ど……どうって、関係あるのか?」


「……ユウイチ、お前が『オレの夢に出てくる登場人物』ってだけなら、関係無いさ。お前は現実には存在していないんだからな?」


「な!?ふざけんな、俺は生きてる」


「その証明は?」



オレがそう訊くと、ユウイチは服のあちこちを手で叩き何かを探した。


……多分、免許証か何かだろう。夢の中でそんな物出してどうするつもりなんだか。



「何処に住んでるんだ?」


「お、俺は博多」


「……遠いな、オレは仙台だ」


「鹿児島だっけ?」


「それは川内……宮城だよ」



遠くないだろ、博多と薩摩川内じゃ。



「起きた後すぐ待ち合わせの出来る距離じゃ無いな……取り敢えずここから動こうぜ」



オレは立ち上がるとユウイチを促した。








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