【猫美】名前に猫が入ってるからって虫が好きとかそーゆーんじゃないし。
ビビった。
ゴキブリホイホイが飛んできた。
死ぬかと思った。
それをお姉ちゃんにチクったら大爆笑された。
アンタだってこの前ゴキブリに追いかけられて、泣きながら全力疾走してたじゃない。
で、結果。
なぜか私はお姉ちゃんの『草抜き』ってゆーか『草刈り』ってゆーかわかんない仕事を手伝ってた。
主に蔦を集める係。
めんどくさい仕事を請け負ってくれるお姉ちゃんはやっぱり優しい...けど、こんなこと本人には言わないし。
あとこれ別にツンデレじゃないし。
「ねー猫美、もしも何か一つ能力が手に入るとしたら何がほしい?」
「えぇ?」
お姉ちゃんの脳ミソはたまにどこかへタイムスリップする。
今日はまたいきなり何を言い出すのかと思えばまぁ...
「...猫と喋れる能力。」
「へー、動物と、じゃないんだ」
「それで虫の声まで聞こえたら嫌じゃん。蚊が飛んできて潰そうとしたら『やめて殺さないで赤ちゃんがいるの!!』って言わるかもしんないじゃん。」
「...気まずっ」
「それか猫が寄ってくる能力。」
「姉ちゃんがその能力持ってたら猫美も寄ってきてくれるかな?」
「さぁね」
「もっとほら、こう、カッコイイのないの!? 火炎魔法とか氷魔法とか、弓使いとか暗殺者とか!!」
「何と戦う訳?」
「もー夢がないナー」
「要らない能力持っててどぉすんの。」
「それか、万能な能力。」
「いわゆるチートってヤツ?」
「そそ! 何でもできる能力!」
「具体的に言うと?」
「えーっとねぇ、『粒子操作』!!」
「粒子ぃ?」
「そ! 大気圏から原子引っ張ってきて火をつけるとか、自分の体から尻尾生やすとか♪」
「尻尾は要らないと思う。」
「えー」
二人でクスクス笑いあう。
こんな他愛ない時間が幸せだったんだって、こんな風に色々なものを失ってからしか気づけなかった。
こんな風になるまでは、毎日が忙しくて、始めは楽しかったのに、どんどん辛くなってきて...
だから私は、今が一番楽しくて幸せ。
親に会いたいって言ってる子達には悪いけど、私はこのままでもいいかなって思ってるんだ。
「おっ、そろそろお昼ごはんだね♪ 一旦戻るか!」
きっとお姉ちゃんは、ホントは私のこの気持ちにも、薄々感づいてるんだろうな。
「私たこ焼き食べたい」
「前からずっと言ってるよね。お金持ちの猫美サマはおばあちゃん家のたこ焼きパーティーも用事で欠席してたのに。」
「だから今すっごく食べたい...」
「素直だねぇ... スーパーで粉でも買ってくるかなぁ...」
あぁ...幸せだ。
まぁーにあったのだー(*≧∇≦)ノ




