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9話 終わらない皿アライ。

 やばい

 どさくさに紛れて俺の失態をバラされた

 ついでに言うと皿もまだ洗い終わってなかったり...


 よし、もっかいやっとくか!


 俺の名前は夜宮光明。

 O県立春青高等学校1年せ──


「えっ、夜宮君、早く洗ってよ...」


 この声は──!?


 わからん。


 普段しゃべってなかったから声だけ聞いてもわかるわけなかった。


 まぁ、でも、ね。

 黒地さん率高めの、雛さん率100%だろうね。


 わかりにくっ!!


 あの~ほら、クラスメートの黒地さんかどうかはまだ確信持てないけど、このタイミングだから、この声は俺たちに朝食を振る舞ってくれた雛さんで──


「よ、夜宮君? 大丈夫? どうしたの?」


 ふと眼前に現れた顔、それは紛れもなく、雛さんのものだった...と。


「ヤバいよ猫美... 夜宮君に変なことしてない? なんか魂がどっか行っちゃってるんだけど...」

「さぁ、知恵熱じゃない? 一生懸命に名前を思い出してたし。」

「えっ、自分の...?」

「ゲホゴホゴホゴホ!」

「どうした猫美、変なものでも食べたの?」


 あぁ、猫美ちゃんがフォローしてくれてる~


「めんどくさっ!! めんどくさっっ!!!! もう本人でなんとかして!! 私はカンケーないからね!!」


 あっ、猫美ちゃんが謎の物体の山から掘り出していたこれまた謎の物体達を抱えて、建物の中へと行ってしまった。


 えっうそ気まずっ!!


「よ、夜宮君... 名前、わかる...?」

「えっ、あっ、いや、わかります、よ...?」

「ホント!? 良かった~」

「あの、俺が名前わかんなかったのは、その、皆さんの名前というか、その...」

「えっ、私の名前とかっ...てこと?」

「いや、雛さんの名前は覚えてますよ!? ほら、たくさん居る子供たちの名前が、ねぇ...」

「あっ、私のことは覚えてくれたんだ。ありがとう~」

「雛さんでしょ? 黒地、雛さん...」


 雛さんが一瞬固まった。


 えっ、なに? なに?? なに???


「えっ... なんで名字知ってるの...?」


 えっ、地雷? 地雷だったのか!?


「いや、あの、猫美ちゃんに聞きました...」

「あ、うん、そっか... そうだよね...」


 どうしよう!? 気まずい!!


 そこで俺の希望の星がきらめいた!!


「雛姉ちゃん! このお兄さん、猫美姉ちゃんのことを山本猫美って名前だと思ってたんだぜ!」


 ふ...た...藤太君!! 最高!!


「それで俺のことを太郎って呼ぶんだぜ!! なんとか言ってやってよ!!」


 ひどいなぁ。

 今、心の中で言えたのに。


「夜宮君、そうなの?」

「いや、もうわかるよ? ふ...た...ふ...たろ...藤太君。」

「お兄さん、わざとやってるでしょ?」

「あ、バレてたか! はっはっはっ!!」


 と、いう事にしておこう。


「っていうか、雛姉ちゃんは今から何するの?」


 言われてみれば、雛さんは軍手に大きなハサミ、ゴミ袋とスコップという、謎な装備。


「んー? いやちょっと、草抜きに。一緒にやる?」

「冗談キツイっすよぉ~ やですよぉ~ おいらは真面目にここらを掃くっす~」


 ふ...藤太君が急に媚売りだした。


「ってゆーか夜宮君! 他にもやってほしい事がたくさんあるんだから、早く洗ってよね!」


 あ、まだやることあるんだ...

 そりゃそうか...


「了解っす」



 雛さんは奥へとずんずん進んで行った。

 ホントどこ行くんだろ?


 ってゆーか勇も哲平も、ちゃんと働いてるんだろうな?


 俺だけだったら怒るぞマジで。



「お兄さん、早く洗ってよね☆」


 藤太君のテンションがわからない...

ぐだぐだと...

すみません...

m(;ω;)m

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