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ロンリネス
ドカドカ
ドラムを叩くつもりだ。
「それは君、間違っているよ」
彼は饒舌に語る。
「そうかなあ。」
女の子Aはニコニコと答える。
女の子Bも女の子Cも笑顔だ。
梅田のチェーンの居酒屋は今夜も非常な賑わいだ。
梅田に行くたびに、
本当なんだろうか。
あの本に書いてあることは本当なのだろうか。
俺の隣にいるイケメンは、僕の知る限り、数人の女性をはべらしている。
モテる。
何が女性の意見を否定してはいけないだ。
イケメンならいいんじゃないか。
現に、目の前の女の子達は明らかに彼狙いだ。
僕のことなんて見えていない。
僕は透明なんじゃないかと疑うほど。
「私、トイレ〜〜」
Bが先陣を切る。
「私もお〜〜」
AもCもそれに続く。
いわゆる作戦会議だ。
残された男たちも作戦会議だ。
おっと、こいつの説明を忘れちゃいけない。