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夢幻界 望み叶えるモノ  作者: はぎの
第一部 了、編
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第三話 吸血鬼の異世界探索 前編

第三話後編 間違って削除してしまったため、書き直しました。



 五年前、夢幻界に大きな爆発が起こり、キノコ雲を出現させた。多くの者が死に、天は黒い雨を降らせた。


 ―――<第三話 吸血鬼の異世界探索>



 吸血鬼の館のテラスで、パラソルをさしたブルーと了が話をしていた。設置されているテーブルにはケーキや紅茶が並び、了はそれを口にして満面の笑みを浮かべていた。そんな了に、腕を組みながらブルーは尋ねる。


「了、この世界はどんな世界だ?」


「いきなりなんだ」


 紅茶を飲みながら疑問に思う了にたいして、ブルーは前髪を指でいじくりながら話す。


「なに、この世界に住むにあたってどんな世界か知りたくてな」


「なら人里にある管理所に行けばいい」


「管理所とはなんだ?」


 了の口から出た聞きなれない言葉に、首を傾げるブルー。そんな彼女に説明する了。


「治安を守ったりしている組織。私もそこに所属している。そこにいけばアサキシという人間がこの世界について詳しく教えてくれるぞ」


「そうか、管理所とはどんな建物だ?」


「赤レンガでできた建物。人里の中では大きい建物だからすぐにわかるよ」


「私の様な吸血鬼が人が住む里に行って平気か?」


「数少ないが人里にも妖怪は住んでいるし、平気さ。念のため私の紹介状を渡すよ」


「お気遣いありがとう。明日行ってくるよ ……質問したついでに何だが、了はなんで男の口調なんだ?」


 美少女の了が男の口調であるのは、ブルーの目から見てもおかしかった。


「ん、それは友人からこうした方が、戦う者として威圧感でるぞっていわれたから」


「確かに、男口調の方が威圧感は出るが、年頃の娘だろ? それに女なのに男らしい了って名前気にしてないのか?」


「私にとって男口調でも女口調でもどうでもいいのし、名は体を表しているのさ」


 そう言って、ケーキと紅茶を飲み干し、今日五回目の、おかわりをディナに申し出た。

―――


 翌日の昼

 日光除けのパラソルをかざし、赤いドレスを着たブルーが人里に居た。


「ほほう。これは」


 ブルーは人里の光景をみて、言葉を漏らした。ブルーは東洋の事はあまり知らないため見る物が新鮮だった。


「エキゾチックだな。昔、読んだ東洋の本を思い出す。この場所は東洋に存在する場所なのか? ……ん?」


 そう言いながら通りを歩いていると、ブルーにとって見知った石材でできた古めかしい西洋建築のパン屋をみつけた。

 窓ガラスから店内を見てみるとそこには、エプロンをつけた着物の男性が働いていた。西洋建築のなかに東洋の服があるその異質さに首を傾げる。


「西洋なのか、東洋なのかはっきりしないな。どこなんだここは」


 そうつぶやきながら再び歩き出した。歩いているとブルーにとって異質な者を見た。


「なんだあいつ……」


 ブルーが見た者は、現代の服を着た若い女性の姿だった。女の姿は紫色のシャツを着ておりジーパンをはいていた。先ほど見た着物や自分が知る西洋のファッションとは違う物をみて、パラソルを思わず手から落としてしまいそうになるほど困惑した。

 これは彼女が現代の服装を知らないことを意味しており、古い時代出身であることの表れでもあった。


「本当なんなんだ?」


 困惑しながらも彼女は、人里を回った。

 歩いていると人里の中心ともいえる大きな広場にきていた。広場にはベンチが設置されていて人々が座り談笑していた。

 そんな広場の中心には、四角い石碑が立てられていた。人里を見て回って疲れたブルーは談笑する人々と同じようにベンチに座る。


「ふう疲れたわ…… あの石碑はなんだ」


 ベンチに座った彼女の視界に石碑がうつる。よく見てみると石碑には慰霊の文字と無病息災と書かれていた。(何かあったのか?) と思いながらしばしの間休息して、再び里を見て回った。

 見て回ったことで、人里は和風で古風な木造建築や文化が基本で、西洋の建築物や現代の物は特殊だとわかった。

 ブルーはこの世界について歴史や文化をふくめて気になりだしていた。


 「さて、当初の目的の目的地、管理所とやらに向かうか」


―――



 赤いレンガでできた三階建ての管理所の所長室に、吸血鬼ブルーが椅子に座って居た。


 話を聞きに来たと伝えると、この部屋に通され、所長のアサキシはしばらくしたら来るので待っていていてほしいと言われて用意された椅子に座り待っていた。

 所長室の内装は様々な書物が壁の本棚に並べてあり、この部屋の主の知識量を物語っていた。部屋の窓の前に大きな机が備えられており、その上は古ぼけた地球儀が置かれていた。

 部屋にかけられた時計が鳴ると、ガチャリと扉が開く音が部屋に響く。


「待たせて、すまないな」 


 部屋に入ってブルーと対面したのは、凛とした美しい女性だった。女性の髪は青く、長さは背にかかるほどで、服はワンピースに似た物を着ており、片腕には赤いドクロの刻印がされている黒いブレスレットをつけていた。

 その女性の名はアサキシ。この部屋の主であり管理所の所長を務めている。アサキシを見たブルーは意外に思った。


(こんな女が、ここの主だとは。了みたいな戦士が所属している組織だから筋肉男か年老いた老人を想像していたが)


 ブルーの想像とは違いアサキシは女で、年齢は二十五歳と若い。容姿はブルーに引けを取らず美しく、胸は服の上からでもわかるほど大きい上に、背が高くて腰は細い。いわゆるモデル体型であった。

 そんな彼女をみてブルーは少しがっかりした。


(イイ女じゃなくて、筋骨隆々でいい男だったらよかったんだけどなー)


 がっかりしているブルーに、アサキシは不思議に思いながらも話しかける。


「しかし驚いたよ。事件を起こした吸血鬼が頭を下げこの世界について、知りたいがために此処に来るとはな」


 アサキシの言葉にブルーは少しイラつきながらも来たわけを話す。


「了にこの世界について知りたければ、此処に来いと言われたんでね。この世界に住むんだ、文化や歴史について知りたい」


「そうか、そうかいいだろう」


 それを聞いて頷き、椅子に座ってアサキシは話を夢幻界について語り始める。


「まずこの世界についてだ。少しお前にとって不愉快な言葉が出るかもしれんがいいか」


「構わん」


「そうか。この世界は夢幻界と呼ばれて、魔法や奇跡や妖怪が普通に存在する世界だ」


「ここまでは、普遍的な異世界だな」


「ここからが違う。夢幻界は人間世界で不要となったモノ、消えたモノや消えても問題ないモノ、行き場がないモノが来る異世界だ。そのためゴミ箱世界とも言われている」


「ゴミ箱……」


 アサキシの言葉に動揺するブルー。自分が今いる世界がまるでゴミ箱の様な場所だからだ。そんな彼女に構わず、アサキシは話し続ける。


「人間世界の科学の進歩で妖怪は脅威では無くなって、人間界では妖怪は居ない者として扱われるようになった。それでこの世界に妖怪がいるようになった。もちろんこの世界固有の妖怪もいるがね」 


「なぜ人間たちは妖怪をいない者として扱ったんだ?」


「妖怪は幻想存在。人間の不安や恐怖から生まれたものだ。未知の出来事や存在に対しての理由づけとして。人間界は進歩して妖怪たちは不要になった」


「私は消えても問題ないからここに……」


 ブルーはいつの間にかこの世界に来ていた。彼女はここに来た理由が分からなかった。来た時の記憶もない。顔を暗くし若干のショックを露わにしてしまう。しかしあることに気付き、アサキシに問いかける。


「妖怪が幻想存在だとしても、人間は違うだろう?」


「人間の中にも行き場のない奴、不要な奴、消えても構わない奴がいる」


「ああ……」


 その言葉に納得する。人間は大多数の者が必要とされるがごく僅かな者は必要とされず死ぬ。それは化け物であるブルーにとっても常識としてわかっていた。もっとも自分が不必要な存在になるとは夢にも思っていなかったが。


「次はこの世界について大まかな歴史を話すか。この世界では5年前に妖怪と人間の大きな争いがあったが、今は和解している」


 アサキシの話にブルーは声を上げて困惑した。


「妖怪との大きな争いだと! 妖怪は人を襲う等して力を得るが人が居なければ力を失う。それこそ幻想になって消えることもある。なのに人に対して大きな争いなどありえない」


「それは、『先導師』と呼ばれる者が現れたからだ」


「『先導師』?」


 聞いたこと無い言葉を呟き、アサキシはそうだと答える


「この世界も妖怪と人との大きな争いも無い時代。要は妖怪は人を脅かし人が退治する関係であり、命の危険が深刻な問題では無かった時代があった。だが、先導師が現れたことで全てが変わった」


 ブレスレットに手を当てながら、ブルーに語る。


「先導師はこの世界に相応しくないほどのオーバーテクノロジーを与えた。人体の細胞を自在に操る技術、ナノマシンと呼ばれるものや特殊兵器、パワードスーツなどをな」


「細胞を操る!? そんなばかな」


 ブルーは驚きそう口にしたが、アサキシは「本当だ」と答えて話を続ける。


「そのせいで、妖怪たちは恐れた。人間世界の様に科学が進歩することで人間が強くなり、妖怪は再び力を落として脅威で無くなって消えてしまうのではないかと」


「消えてしまう恐怖ね、確かに恐ろしい」


「その恐怖で妖怪は、今以上に必要以上に人を襲い殺した。自らの存在を揺るぎない物にするために」


「しかし、人間もやられっぱなしではないだろう?」


 ブルーが口を挟む。人間はやられたらやり返す生き物、それは彼女にも分かっていた。ブルーの言葉にアサキシもうなずき肯定する。


続きが読みたいや、おもしろいと感じたら、評価やポイントしてもらえると嬉しいです。

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