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夢幻界 望み叶えるモノ  作者: はぎの
第一部 了、編
25/84

第十一話 呉服屋に訪れる客たち

日常回 伏線回

 ―――<第十一話 呉服屋を訪れる客たち>


 葉月はいつもの様に呉服屋で働いていた。呉服屋の内装は以外にも現代のファッションの店と似ていた。 彼女はそんな呉服屋で働く事が好きだった。綺麗な衣類に囲まれていると心が癒された。


 ここに就職できたのは、この店の店主がかつて封魔に助けたられた事があり、封魔に大変な恩を感じていた。そのため封魔の少女、葉月がここで働きたいと頼みこんだ時は、快く迎え入れた。

 彼女はこの事に感謝して、人一倍働いた。そんな葉月が服の整理をしていると、声をかけられた。

 そちらに目をやると、管理所の所長のアサキシが居た。


「……アサキシさん、何の御用で」


 葉月が敬語を使い応対すると、アサキシはへえと驚いた。


「管理所で会う時はため口なのになあ」


「……ここではお客の応対をするため敬語です。で何か?」


「お前に渡したいものがあってな、月の事件と、妖怪の里の事件に関しての報酬だ」


 アサキシは服から、小袋を取り出した。受け取り中を見てみると、かなりの額のお金が入っていた。

 葉月は事件解決はやりたいからやっただけだと言い、謝辞を述べてアサキシに返した。


「ふん、いらんのか。損する奴め。お前家族が死んで一人暮らしなんだろう?」


「そうですけど、……どこで聞いた」


「おい客には敬語を使えよ葉月。お前が騒動を起こしたとミヅクの奴から聞いてな、お前について少し調べただけさ」


 アサキシは手をひらひらしながら喋る。


「しかし寂しいよなー家族が死んで一人で暮らすのは」


 アサキシは同情の目をやる。葉月はそれをうっとおしそうにする。


「寂しくなんかない……」


「ほうそうか、そうか」


 アサキシは笑い、辺りの服に手を取る。葉月の返答なんか気にしていなかった

 葉月はそれを見みて、


「菫がアサキシを苦手としているのが少しわかった気がする」


 と言う。それを聞いたアサキシは腹を抱えて笑う。


「アッハハ。菫の奴そんなこと言っていたか。あーそうだ、奴は私の事が嫌いさ。でも奴は私の下についてる。考えてみなくてもあいつは間抜けだな。アッハハ」


「……そこまで言うか」


 アサキシの菫へのあんまりな言葉に葉月は少し引いた。


「言うさ。それじゃあ用が済んだし帰るとしよう。葉月ィ頑張って生きろよ家族が居ない家でなあ!」


 アサキシはそう言って店を後にした。


―――


 しばらくすると、次は了がやってきた。何やら服を見に来たのだ。葉月はにこやかに応対する。


「お客様、このような服がございますよ!」


「葉月くだけた口調でいいぞ。こちらの調子が狂う」


 葉月の接客笑顔を見て、了はこそばゆそうな顔を向けそう告げた。了の言葉にくだけた口調になる葉月。


「ふんそうか、何の用だ」


「服を身に来たのさ、いっつも同じ服ばかり着てるもんでな、新しいのが欲しい」


 了は着ているジャケットをパタパタとする。そのジャケットを見て葉月が気付く。


「……そういやおまえいつもそのジャケット着てるな。何故だ?」


「ん、何となくでだ。でも着すぎて別のが欲しくなった。お前や菫、ほかの人たちが着てる服みたいなのが良いな」


 了の言葉にどこか含みを感じたが、葉月はあまり気に留めなかった。


「そうか、なら私が選んでやる。これなんかどうだ」


 了に見せたのは蒼い縞模様の袴であった。それを見て了はあることに気付いた。


「葉月って青色好きなの?いつも同じ色ばかりな気がする」


「……まあな」


 葉月が青い色を好むのは、かつて封魔の者は青い物を身に着けていたからだ。それが影響し好むようになった。了は服を見る。


「いいモノだな、綺麗だし」


「! そうだろう、此処には良い服しかない。もっと見せてやろう!」


―――


 葉月は店の服がほめられたことを喜び、次々と了に服を見せて感想を求めた。

 結果、了は感想を言うだけの存在となり、本来の目的の服を買うことが頭から抜け落ちてしまった。

―――


「はい、ミヅクさん望まれていたものです」

「おうありがとうよ。葉月」


 葉月は診療所のミヅクの部屋にいた。部屋には棚に綺麗にしまわれた薬品や薬草が並んでいて、部屋にの椅子にミヅクは座り、葉月は立ちながら清潔な衣類を持っていた。

 葉月がここにいたのは、ミヅクに頼まれた衣類を届けるためだ。葉月は衣服をミヅクの手に渡して去ろうとする。そのときミヅクが話しかけた。


「葉月、少し変わったな」


「何がです?」


 不思議な顔で葉月は尋ねる。


「菫から聞いたんだが、了と菫たちと海とかと一緒に、ご飯を食べるようになったらしいじゃないか」


 そう話すミヅクの顔は何処か喜ばしげだった。そんな彼女の表情に不思議に思う葉月。


「それは、まあそうです」


「いいことだよ本当に。おっと話しかけてすまなかった」


「いえ、かまいませんよ」


 葉月は心療所を出ていき、ミヅク一人になった。


 ミヅクは葉月の事を変わったと言ったのは、葉月が大災害後からずっと、元気がない事を知っていたのと、最低限誰かに関わらうとしていなかったからだ。親が死に、憎むべき妖怪と平和に暮らすようになったのだから、葉月がそうなっても仕方がないとミヅクは思っていた。


 だが葉月が月や山での出来事や、了や菫と海や食事に行った事を聞いたミヅクは、もしかすると葉月は妖怪への憎しみを忘れて幸せに暮らせるかもしれない。ムクとも仲直り出来るかも知れないと希望もった。ミヅクは、戦い傷ついた葉月の未来は幸せであってほしいと願った。

 

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