赤い糸
部屋を整理してたら糸電話が見つかった。
幼稚園から、小学校低学年くらいまでよく使ってた覚えがある、赤い糸で結んだ糸電話だ。十年近く経った今でも原型を留めていたせいか、当時遊んでいた情景が目に浮かぶ。女の子同士で、時には男の子とも、よくこれで“お話”していた。
それぞれ別の高校に入ったが、未だに数人とは交流もある。同じ学校に通ってる男子もいる。
なぜだか、急に、その子に電話をしたくなった。喜びとは少し違うが、なんとも言えないこの気持ちを共有したくなった。
♯♯♯
「それでねー!」
自己満足な報告だけで済ませるはずが、ついつい話が弾んでしまう。
手元の糸電話を撫でながら、耳では携帯で電話をしてる。
手段が代わっても、距離が変わっても、君の声にドキドキすることは変わらないし代わらない。
(すきだなあ…)
不意に頭を過ぎった言葉は、同調するにはまだ幼くて、くすぐったかった。
電話が終わっても、鼓動は速いまんまだ。
聞こえてたのは声だけなのに、キミが目の前にいるような気がして、もっと話したかったなとか、もっと声を聞きたいなとか、想いが溢れてくる。
ううん。
やっぱりいいや。
話したいこと、伝えたいことは次に取っておこう。
大切なキミとの、大切な距離感をなくしてしまわないように。
もう一度、糸電話に触れてみる。
この糸電話が、私の声が、私の鼓動が、伝わるのは、キミ、なのかな?
この赤い糸が繋がる先は_。
どーも。イルミネです。
久々に短編。
にしたって、かなり短いですね(笑)




