第六話
二日間の休暇が終わり再び戦いが始まった。
こんなにも長い間戦っているのに、戦意が失われないのもすばらしいことだといつもリユンは思う。
リユンは兵を見送って、自分の部屋に戻った。
いつもどおりの一日を過ごす.....はずだった。
それを壊したのは軍の一人の調査報告兵だった。
「敵軍の....セレーネが捕らえられました!」
「なに!?」
***
リユンは一度も使ったことがない国の地下牢にいた。
何ヵ月ぶりだろう。母国に帰って来たのは。
檻の中には泥で汚れたセレーネが手錠に繋がれていた。
「油断してしまったよ。こんなにあっさり捕まるとはな...」
セレーネはおどけて言ったが、リユンはさっきから黙ってなにも話さない。
セレーネも居心地が悪いのを感じながら、黙っていることにした。
しばらくすると、リユンは立ち上がって、
「また来る」
とだけ言って地下牢を後にした。
地上に上がると軍は宴状態になっていた。
「おう!リユンさん!あんたも飲むかい?」
「いや、今はいいよ」
リユンは少し離れたところで座った。
みんな笑っている。当たり前だろう。
こんなにも長かった戦いが終わったのだ。
でも、リユンは浮かない顔をしていた。
「そういえばリユンさん。処刑はいつにするんですか?」
リユンはその質問にすぐに答えることができなかった。
「三日間待ってくれ」