みーちゃん
「ここらへんにはいないか・・。進んでみるか」
俺は棒で探索しながら進む。
おかしい。
この中に確かに猫が入るのは見たが、さほど時間は経ってないはずだ。それなのに気配が少しも感じられない。
「あ」
俺は思わず呟く。
同い年くらいだろうか。
オレンジ色の髪をしたショートカットの女の子が猫を抱きしめ泣きながらしゃがみこんでいた。
それにかなり高度な気配を絶つ魔法を使っている。すぐ見つからないはずだ。やっぱりこの協会の中に人はいたか。しかし
あまりにも様子がおかしい。
「大丈夫?」
「ひっく・・うぐ・・うぇーん。リプカが・・リプカが・・」
俺は思わず聞いたが女の子は泣きながら答えた。
「どうした?お友達とはぐれたのか?」
「!!!あなたは誰ですか!?」
女の子は俺に気づいたみたいでビクッと肩を震わせながら怯えて言った。
「いや。俺はこの猫に用があってきたんだが」
「みーちゃんの事?」
みーちゃん?どうやらこの猫は女の子のペットのようだ。
「ああ。飼い主だったか?そのみーちゃんとやらが俺の大事なものを飲み込んじゃって」
「ううん。飼い主じゃないよ。さっき見つけの。みーちゃんって名前は今付けたの」
今付けたのかよ!
まぁそれならば話は早い。
「ちょっと猫貸してくれるか?」
よくわからないが、こんな変な協会さっさと出たい。
「そんなことより・・ぐすん」
女の子は何かを思い出したながら泣き出した。そんなことって言われてしまった。
「私の友達がコウモリの軍団に連れ去られたの!お願い。助けて・・」