コウモリ
バサバサバサバサ!!!!!!!
「何の音!?」
「え?」
「うわ!!」
いきなりコウモリの軍団が私達に向かって襲い掛かった。
「オレン!一回ずらかろう!」
「うん!あれ。リプカ!ドアが閉まってる。開かない!」
ドンドン!とオレンはドアを開けようとするが鍵が閉まってるかのように開かなくなっていた。
「どうしよう!リプカ!」
「仕方ない」
私は傘に魔力を集中させる。すると魔法でできた水が傘の先っぽから出現する。水はどんどん大きくなり一メートルくらいのまるい形の水のかたまりが無重力のように浮かぶ。
「雨の魔法!レインアロー!」
すると水のかたまりがまるで横から雨が降ってるかのように四方八方に水の矢がコウモリの軍団に一匹一匹突き刺さる。
「キー!キー!」
コウモリ達は苦しそうにジタバタしていた。
「行くしかなさそうね・・。オレンも魔法の準備しておいて」
「・・・わかった」
オレンを見るといつの間にかさっきの猫を抱きしめていた。
「リプカ・・。コウモリが」
「え?」
オレンに言われた通り先ほど雨の魔法で捕らえたコウモリがシュウッと音をたてながら消えていった。
生き物であるはずのコウモリはいきなり消えるはずはない。
ということは
「魔法・・・」
私は呟く。
「そうみたいだね」
オレンは猫を抱きしめながら怖がりながら言った。
つまり私達以外にこの場所に魔法使いがいる。
それに生き物を魔法として出すとは相当の魔法使いだ。