第1章『呪われた協会』
ある日の事
日は真夜中
真っ赤な満月が光輝く夜だった。
人気がない場所に何年も使われていない大きな建物があった。
「ねえ知ってる?この協会で何人もの人が消えるんだって」
「ここ今使われていないからお金のない旅人がよく泊まるんだ」
「そして朝になると旅人の姿はなく服だけになっている」
「呪われているんだ。この協会は」
そう噂される協会は目の前にあり今にも消えそうな電灯を前に不気味に白く光輝いていた。
「本当に行くの?リプカ!」
オレンジ色の髪色のショートカットの女の子はリプカと呼ばれる黒い髪の少しきつめ目だが整った顔立ちの女の子に言った。
「行くに決まってるじゃない!学園にもこの協会は噂されているの!それを解決したら私達の株は上がるじゃない!」
ここまで来たから行くしかない。目の前の協会は不気味としか思えなくただならぬ雰囲気がまとわりついていた。
正直怖い。
しかしここで弱音を吐けば学園一の魔法使いとされる私のプライドがずたぼろだ。
それになんと言っても今日は武器を持ってきてる。お気に入りの水玉模様の傘だ。
「怖いよー。やっぱりやめようよー」
「大丈夫だって!ほら行くよ!オレン!」
こうして私達は呪われた協会に足を踏み入れた。
ギィッと軋む音がしながらドアを開けるとそこは真っ暗であたりに蜘蛛の巣やホコリなどが充満していた。
「オレン!光の魔法!」
「う、うん」
オレンは一枚のカードを取り出すと魔力を込める。すると。
ポウッと音がしたと同時にあたり一面が明るくなった。光の魔法は私は使えないので私一人だったらどうにもならなかったかもしれない。。
ていうか一人じゃ行くのは無理!怖い!
それにしても
「荒れてるなぁ」
オレンが言う。確かに。
「本当にこんな所に人が出入りするのかしら」
明るくなるにつれ協会の中がわかる。
ガラスが割れ地面にはヒビが入っており、いかにも荒れ地といった感じだ。
「ゆっくり歩こうか。ゆっくりね」
私が自分に言い聞かすように言うとオレンも小さく頷いた。
5歩くらい歩いた時だろうか。
「きゃあ!!!!!」
オレンが大声を上げた。
私も同時にビクッとなりオレンを見た。
「にゃ?」
するとオレンの足元には白い猫がねっころがっていた。
「な、何だ猫かー」
オレンは安堵したかのようにふぅと息を吐く。
びっくりしたじゃない。全く。
そう思った時だった。