第31話:燃え尽きぬ影との決戦
荒野全体を覆うほどに膨れ上がった“燃え尽きぬ影”。
その咆哮は大地を揺らし、空を黒く塗りつぶしていった。
『――終われ。お前たちの炎も、風も、灰も、勇気も。すべて無に帰すのだ!』
闇の触手が四方八方から襲いかかる。
だが、ミナの風がそれを裂き、
リサの灰が囁きを封じ、カイの小さな体が勇気をもって立ちはだかった。
「リオ兄ちゃん! 今だ!」
「わたしたちの誓いを――乗せて!」
「忘れないで、あなたの炎は希望!」
三人の声が重なり、リオの胸に流れ込む。
その瞬間、掌の炎が燃え上がった。
「……これが僕たちの炎だ! 影よ、見ろ! 僕らの誓いは――燃え尽きない!」
黄金の焔が爆発し、夜を裂いた。
それは仲間の力と願いを束ねた炎。
影の黒炎と激突し、荒野全体を光と闇の渦に巻き込む。
互いの力が拮抗し、押し合い、世界そのものが震える。
だが、リオは一歩も退かなかった。
仲間の背を守り、未来を照らすために――。
「僕はもう奪わない! この炎で照らすんだ! 仲間と、希望と、未来を!!」
最後の叫びと共に、黄金の焔が黒を呑み込んだ。
燃え尽きぬ影の体がひび割れ、断末魔の咆哮を上げる。
『……なぜ……お前の炎は……消えない……』
「それは――僕ひとりの炎じゃないからだ!」
リオの炎が炸裂し、影は光の中で霧散した。
黒い靄が晴れ、空に星が戻る。
荒野に静寂が訪れ、風が優しく吹き抜けていった。
リオは肩で息をしながら拳を握る。
仲間たちが駆け寄り、笑顔で彼を囲んだ。
「勝ったんだね……!」
ミナが涙を拭う。
「うん……でも、これは僕たち全員で勝ち取ったんだ」
リサは箱を抱きしめ、そっと微笑んだ。
「この記録も……きっと未来を照らすはず」
カイは枝を高く掲げて叫んだ。
「僕たちの炎は、絶対に消えない!」
アウラの声が静かに響く。
『……よくやったね、リオ。君の誓いは確かに証明された。燃え尽きぬ影にすら、負けなかった』
夜空の星々が祝福するかのように瞬いた。
その下で、リオたちは改めて歩き出す。
――次なる試練へ、未来を照らす炎を胸に抱いて。




