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FLARE  作者: Hiro S.Inchi
炎を渡す者たち

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第26話:それぞれの願い

焚き火のぱちぱちと爆ぜる音が、静かな夜空に溶けていく。


四人と一柱は、星図を囲んで腰を下ろしていた。


誰からともなく、ぽつりと声が漏れる。


「ねえ……もしこの旅が終わったら、みんなどうするの?」


ミナの問いかけに、炎の光が仲間の顔を照らした。


最初に口を開いたのはリサだった。


木箱を抱きしめ、夜空を見上げる。


「わたしは……もっと“記録”を集めたい。灰に眠った声だけじゃなくて、笑った顔や、生きてきた証を。――忘れられないものを、できるだけ多く残したい」


リオは頷き、その言葉を心に刻んだ。

次にミナが口を開く。


「わたしは……ずっと“風は災い”って言われてきた。でも本当は、風は人をつなげるものだと思うの。だから、旅が終わったら……風の道を探したい。人と人を結ぶ、自由な空の道を」


風が焚き火を揺らし、星空を流れるように通り抜けた。


カイは少し俯いていたが、やがて顔を上げた。

焔を持たぬ少年の瞳に、確かな決意が宿っていた。


「僕は……母さんみたいに強くなりたい。火はないけど、勇気ならある。だから、困ってる人を守れる人になりたいんだ」


リサとミナが微笑み、リオは胸が熱くなるのを感じた。


最後に、仲間の視線がリオへ向く。


「……僕は」


リオは焔を掌に浮かべ、静かに語った。


「炎を恐怖じゃなく、希望に変えたい。そのために旅を続けるし、仲間と一緒に未来を照らしたい。それが、僕の――願いだ」


焚き火の光が星明かりと混ざり、五つの想いを照らす。


それぞれ違うけれど、確かにひとつに結ばれていた。


『……よい願いだ。星々もきっと応えてくれるだろう』


アウラの声が柔らかく響いた。


その瞬間、夜空をひとすじの流れ星が横切った。

仲間の願いを繋ぐように、まっすぐに。

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