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「僕」のとある文化人類学的事件簿  作者: 梅雨前線
『ぬのと たける』を殺してください
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『布都 建』

 人が何かを思いつくときは、必ずそれに紐づくきっかけがあると思う。そのきっかけに気が付く人はきっかけを大事にし、気が付かない人は自分が天才だと自惚れ、溺れていく。


 僕は家に帰って、『ぬのと たける』という言葉を思いついたときのことを考えていた。蛞蝓になりかけていた四畳半で胡坐をかき、あのときの先輩との会話を思い出す。


「日本書紀、文化人類学科、国譲り神話、タケミカヅチ・・・」


 ふと、男の話を思い出す。


「『布』に『都』・・・」


 僕は、部屋の中に乱雑に置かれた本を漁った。バタバタと積み重なった本たちが音を立てて崩れる。仕方ないんだ。本棚を置くと床が歪んで大家に怒られるから。


 ごめんよと、本たちに許しを請いながら僕は目当ての本を見つけた。


「あった・・・。まさか『古事記』を持っていてよかったと思う日が来るとは」


 僕はパラパラとページをめくっていく。


「これだ」


 見つけたページには『建布都神』と書かれていた。


 『建布都神(たけふつのかみ)』。タケミカヅチと同一視されている神の名前だ。


「並び変えると『布都建』。・・・『ぬのと たける』か。これが当たっているのならもう僕の手には負えないかも」

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