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後に魔王と呼ばれる元イジメられっ子  作者: ちょむろう
一章 復讐を誓い歩み出す
9/29

第9話 始まる復讐



 あれからの事は余り覚えていない。ただ、気がついた時には日が昇っていた


 今は10時を少し過ぎたぐらいだ。休もうかなとも思ったが、流石に昨日も行っていないし、それにその選択をするには時間が早かった


(仕方ない。行くか)




 到着してクラスに入ると授業中だったので視線が一気にこちらを来た


「北大路、今日も来ないかと思ったぞ。来たなら早く席に座れ」


「はい」


 自分の席に向かう間、クラス内を見た。話に聞いていた通り"大我"、"琴莉"、"小鳥遊"の3人は居なかった


 席に座わると授業が再開された。しかし、全く集中する事は出来なかった


「アイツ来たよ」


「ね〜良く来れたよね」


「アイツの家燃えたんだろ」


「そうそう、親も巻き込まれて死んだとか」


(聞こえてるよ、、クソ)


「こらっ!静かに、授業に集中しろ」


 話をしていた生徒達は静まり、授業が再開された。授業が終わると数分間の小休憩の時間になった



「き、北大路くん、おはよう」


「おはよう、士部崎」


 その様子を見て、またクラス中から話し声が聞こえた


「えっ!?士部崎さん話しかけに行ったよ」


「というか北大路の奴、あんな感じだったか?」


「なんか仲良さそうじゃない?休みの間に何かあったんじゃないの」


「まぁ〜ある意味お似合いだけどね」


 オレと士部崎が話をしていると更に声を掛けられた


「よぉ〜北大路〜〜元気だったか?」


「はぁ〜い北大路、元気?」


 "緑山竜哉"と"鈴木綾"の2人だ。大我の友達でオレをイジメていた2人


「なんだよ、なんだよ北大路お前、士部崎と仲良かったのかよ」


「ねぇ〜びっくりだよね。何、士部崎コイツと仲良くなって助かろうと思ったの?悪いけどコイツは元々あーしらのオモチャだからそんなの無理なんだけど」


 竜哉と鈴木はオレに話し掛けた後、士部崎に絡んだ


「い、いや、その、そんなつもりじゃなくて、北大路くんとは、夏休みに偶然会って、そ、その、私の"能力センシティブ"で怪我を治して、そこから話すようになったの」






 "バァンッ"


 鈴木が士部崎の頭を掴み机にぶつけた


「何?アンタまだ自分が能力を発現出来たとか言ってる訳?昨日教えたよね、出来もしない嘘つくんじゃねぇーって」


 その様子を見ていたオレは耐えられず

鈴木の手を掴んだ



「やめろよ、士部崎は嘘なんかついてない。間違いなく、傷を治してくれたんだよ」


 オレの行動に竜哉とクラスメイトは驚いていた


「離してよ!痛いでしょ」


「おい!北大路、綾から手を離せ。何、調子こいてんだよ」


 そう言って竜哉はオレの手を掴んで鈴木から離した。その隙に、士部崎も逃げてオレの近くに来た


「ありがと〜竜くん」


「大丈夫だったか?」


 鈴木の無事を確認すると竜哉はこちらを睨みつけた


「北大路!!てめぇ~どういうつもりだよ」


「別に、ただお前らが士部崎を嘘つき扱いして、暴力を振るってたから止めただけだろ」


「"ア゙ァ゙〜ン"嘘つき扱いって、嘘つきなんだよ。そいつは」


「そーよ。大体アンタ、あーしの手を勝手に掴んで良いと思ってんの?調子に乗んなオモチャのクセに」


(こいつら相変わらず自分勝手な事ばっか言いやがって、、)



「ちょ、何急に脱ぎだしてんの?アンタ頭おかしいんじゃないの」


「おかしいのはお前らだよ。見ればわかるだろ?」




「は、え?なんで、、何で火傷の跡無いんだよ」



 竜哉の言葉にクラスメイトもオレの身体を見て驚いた


「え?ウソ、、ホントに無い。北大路、それどういう事なのよ」


「さっきから言ってるだろ。士部崎に治して貰ったんだよ」


「ウソ・・ウソよ!!昨日調べて、コイツは能力を発現出来ないって分かってるのよ。デタラメ言うんじゃねーよ」


「そうだ!ふざけた事言ってんじゃねぇーぞ」


(何だよその調べてって・・)


「なら何でオレの火傷の跡が無くなったんだ?お前らが何と言おうが、士部崎は能力を使える。これが真実だよ」



 そう言って服を来て席に座った。その後すぐに先生が来て授業が始まった



「ねぇ?さっきの話ホントかな?ホントだったら士部崎さん凄いよね」


「士部崎に媚び売っておこうかな」


「これじゃあ竜哉君達の立場もあやしいんじゃないの」









 "バァンッ!!!!"






 竜哉が机を思いっきり叩いた。全員が驚き視線が竜哉に集まった


「こら!!緑山!なんだいきなり」


「黙ってて下さい。じゃないとどうなっても知りませんよ?」




 先生が竜哉を注意したが、竜哉が脅すと先生は苦しい顔をして引き下がった


「お前ら邪魔だ!どけ」


 竜哉の声にクラス中の生徒は反応し、机を隅に退かして広い空間を作った



「おい、北大路。お前の言う事がホントなら、今ここで見せてもらおうじゃねぇーか。それに今日のお前は生意気すぎだから此処でお仕置きしてやるよ」


(何考えてんだよこいつ)


「いつものダーツをしてやるから、怪我したら士部崎に治してもらえ」


 竜哉の言葉を聞いた鈴木と士部崎が反応した


「それさいっこう!竜くん冴えてる〜」


「だ、ダメです。私、治せないので、、や、やめてください」


(士部崎・・)


「てめ~が嘘だと認めて、俺のセフレになりますってお願いしてくるなら考えてもいいぜ。まぁあんま抱きたいとも思わないけどな」


(竜哉の奴、ふざけやがって)


「もぉ~竜くんやめてよね」


 士部崎は怯え後ろへとたじろいだ



 オレは後ろから士部崎の肩を押さえた


「大丈夫か?士部崎。心配してくれてありがとう。けどこれはチャンスだ」


「えっ?」


 士部崎は不思議そうな顔をした


「能力協会の汐留さんがした話を覚えているか?」


「う、うん」


「お前の能力はオレが"要素トリガー"に絡んでるって言ってただろ?だからここでオレを治せ。みんなの前でお前の能力を使ってみよう」


 士部崎は不安そうな顔をした


「で、でも、その為に、北大路くんが痛い思いをするなんて」


「大丈夫。そんな事気にしないで、お前はただ能力を使う事だけ考えるんだ」




「分かった、私やってみるよ」


「話し合いは終わったか。結局どうすんだ?士部崎」


 竜哉の問にオレが答えた


「望み通りここで見せてやるよ」



 竜哉と鈴木はオレの言葉にキレた


「良い度胸だな北大路。また失禁させてやるよ」


「マジムカつく。ヤッちゃおう」



 2人はダーツの"シャフト"を出した。それを見たクラスは盛り上がった


(ここまでは休み前にも見た光景だな)



 しかし状況が変わった



 2人の能力が変化し始めたのだ




(何で、、こいつらが"火"を出せるんだよ。それにあれは・・・)


 能力の変化に更にクラス中が盛り上がった。


(嫌な予想が当たったな。こいつら前より能力の力が上がってやがる)




 2人は燃え盛る"炎の矢"を出した


「どーよ俺の能力は、カッコいいだろ」


「違うよ"私達の"でしょ」


「あぁ、そうだな。じゃあ受けてもらおうか北大路」



 そう言うと2人はオレに投げて来た



 矢はオレの腹部と右太ももに刺さった


「ん゙ん゙ん゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜」






(大我の能力にも劣らない程痛いし、、熱い・・・)


 オレが叫び苦しんでいるのを見て、2人は喜んでいた。そしてクラス中の生徒もテンションを上げており、それは先生も同じだった






 ただ1人を残して




 士部崎は必死な顔でオレに近づいてきた


「大丈夫!?北大路くん」



 脂汗をかきながら笑って見せた


「期待してるよ。士部崎」


「うん、任せて」


士部崎はオレの手を握り集中し始めた。


(痛いけど士部崎の邪魔は出来ない)


 周りは騒がしいが、士部崎には届いてないようだ




(え!!!)


 突如、オレの身体が光った。クラスは一気に静まり返り、全員こちらを見て息を呑んだ


 オレはというと身体中の力が抜け"痛み"、"苦しみ"それら全てから解放される様なそんな気持ち味わっていた




 光が収まるとオレの身体は傷1つ無い状態になっていた


(これが士部崎の能力か・・・)


 その姿にクラスは大騒ぎになった。士部崎を讃える者、褒める者、そして先生もガッツポーズをして飛び跳ねていた




「なによそれ!!!!」


 突然の大きな声に静まり返った


「アンタ、そんな事出来たんだ。何?それで優越感に浸ってあーしらをバカにしてたわけ」


 鈴木は怒り狂っていた


「すげ〜じゃん!マジでそんな事出来たのかよ。士部崎、俺について来いよ。俺ならその能力をもっと上手く使える様にしてやるよ」


 反対に竜哉は大喜びしていた


「遠慮します!私は北大路くんの傷を治したくて使ったんです。緑山くんには関係ありません」


「今、なんて言ったんだ?士部崎!!!」






「きゃああぁぁぁ〜〜〜」




 隣にいた士部崎の太ももに矢が突き刺さった


「なっ!!!」


 飛んできた方向を見ると鈴木が不敵な笑みを浮かべていた


「ざまぁーみろ。調子に乗るからそんな目に会うのよ。竜くんの誘いも断るし」


「綾、やめろよ。コイツは大事な駒なんだから。士部崎〜今度は自分の足を治してみろよ」



 竜哉の言葉にクラス中が注目した



 その中で士部崎は痛みに涙していた






「い、痛い、いたい、、アヅいよ、、た、タスケテ」




(何で、、士部崎が、、、どうして?、、誰がやったんだ?なんで、、、どうして)








 オレの中で何かが壊れた




(こいつらにも・・・絶望を)









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