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第24話 士部崎みゆの行動


 今話は番外編の士部崎視点でこれまでの振り返りを書いています。本編続きは次話からになりますのでよろしくお願いします。






 何故いつも、、私は、、、そこに居て助ける事が出来ないのだろう・・・


 北大路くんと"能力者プレイヤー学園"へ編入する為、私達は新幹線に乗っていた。道中、私達は汐留さんから"能力者プレイヤー"の事、学園の事などについて聞いた


 行くと決めたにも拘らず、詳しい事は何も知らなかった。話を聞いている内に、新幹線は目的地に到着し、そこからは車での移動になった


 学園へ着くとその建物の大きさに驚いてしまった


 その後私達は汐留さんに案内されて学園長室にやって来た。学園長は綺麗な女性で桜田さんというらしい


 汐留さんから桜田さんに変わり私達は教室、そして寮へと案内された


(これから私の部屋、、そして相部屋になる人と会うのか・・・緊張する)


 初めて会う人と相部屋・・・仲良くなれるかどうかも分からない


 私は不安の中、部屋へ案内された


 部屋から出て来た女の子は、明るく元気でとても可愛い人だった


 今までの人生で、私が関わる事なんて無かったタイプの人


 だからこそ怖い


「私、"白里まなみ"よろしくね!」


「し、士部崎、み、みゆです。よ、よろしくお願いします」


 白里さんに挨拶され動揺しながらも何とか返せた



(どうしよう、、変な人って思われたかも・・・)



 第一印象から失敗したと思った


 怖くて、白里さんを真っ直ぐ見る事が出来ない


「ねぇねぇ、みゆちゃんって呼んでもいい?」


 そんな私をよそに白里さんは更に話しかけてきた


「え!?え、あ、はい、、大丈夫です」


 とにかく何か言わないとと思い返した


「じゃあ私の事はまなみちゃんって呼んでね!」



 いきなり名前で呼ぶなんて私にはハードルが高い


(うぅ〜〜どうしたら・・・)


 

 北大路くんは気にせず白里さんと呼んでいた


(今なら私も白里さんって呼んでもおかしく無いし、それで良いよね?)




 けど・・・言う寸前で止まった



 こんな事ではいつまで経っても変われない



 私は変わりにきたんだ



 ここで一歩踏み出さないと変われない



 成長出来ない



 その想いが妥協する心を止めたんだと感じた


 だからこそ、、私は勇気を出して改めて声を出した


「わ、分かりました、まなみ、、ちゃん」


「ありがと〜みゆちゃん!」


 まなみちゃんが私に抱きついて来た


 今までされた事の無い反応に戸惑ったが不思議と気分は良かった


 自分の成長を実感出来たから・・・



 私の部屋が終わると今度は北大路くんの部屋に行く事になった



 烏藤くんという人が北大路くんの相部屋らしい


 部屋には居ない様だったので、私達は烏藤くんが居るというトレーニング場に向かった



 トレーニング場に着くと桜田さんから説明を聞いた


 同級生に凄い人がいる事に、私は焦りを感じたが自分を奮い立たせた


「わ、私も頑張らなくちゃ!」


「みゆちゃんてば、思ったより頑張り屋さんなんだね」


 まなみちゃんに聞かれていたので少し恥ずかしかった



 そんな話をしているとある部屋で人影を発見した


 どうやら中にいる男の人が烏藤くんらしいが、その前には熊が倒れていた


 いきなりだったので私は驚いて悲鳴を上げてしまったが、桜田さんからあれも"能力センシティブ"だから問題無いと教えてもらった



 そんな話をしていると中から烏藤くんが出て来た


 烏藤くんは正直とても怖い見た目をしていて私は緊張した


 それでも何とか挨拶をした


 すると烏藤くんは北大路くんを睨んだ。どうやら相部屋が嫌な様だった


 その様子にやっぱり烏藤くんは怖いと思ってしまった


 私がそんな事を思っていると、桜田さんから烏藤くんと北大路くんの勝負が提案された


 よく分からない内に2人とも了承して私は不安になった


(北大路くんに何かあるのは嫌だな。それに、、北大路くんに不要な争いをして欲しくない・・・)


 そんな私に、北大路くんは声を掛けてくれた


 不安だったけど、声を掛けてくれた事は嬉しかった


 北大路くんの後に今度は桜田さんが声を掛けて来た


 私の"能力センシティブ"で2人が怪我をしたら治して欲しいと言われた


 まなみちゃんと烏藤くんが驚いていたが、私が北大路くんしか治せていない事を言うと烏藤くんに馬鹿にされた


 まなみちゃんは庇ってくれたけど、北大路くんの事も一緒に馬鹿にされたのが悔しかった


 でも、私の事は本当なので何も言えない何も出来なかった




 そうこうしているうちに2人の勝負が始まった


 烏藤くんの出した"黒い鳥"に北大路くんは後ろへ飛ばされてしまった



 私は不安で仕方がなかった。北大路くんは立ち上がったが再度烏藤くんの能力で傷ついた


 その姿はあの日見た光景に重なるものがあり、とても苦しかった


 それでもなお立ち上がる北大路くんに私はこれ以上やめて欲しいと思った




けど・・・次の瞬間




 北大路くんの姿に目を奪われた


 青白い左眼はとても神秘的で、右手にある能力は怖さと神々しさを感じだから




 突如桜田さんの声が聞こえ、烏藤くんの後ろのガラスの壁が割れた


 烏藤くんの方を見ると"黒い鳥"に稲妻が当たり、そしてそのまま後方のガラスを割った様だった



 3人が部屋から出てくると私の先程の不安や苦しい気持ちはどこかへ行き、まなみちゃんと一緒に北大路くんに話し掛けた


 左眼については触れて欲しくなさそうに思えたので、今度は烏藤くんに話を振った


 最初の印象は怖かったが、桜田さんやまなみちゃんと話している姿を見て何となく話し掛けられそうに思えたから



(以前の私には考えられない変化だ・・)


 雑談していると桜田さんが話しかけて来た


 闘う前に言っていた怪我を治す事についてだ



 私は北大路くんに能力を使った


 傷が治り、まなみちゃんと烏藤くんは驚いていた


 北大路くんしかまだ治せてないけど・・それでも治せる



 気持ちだけでなく能力も成長している様に思えて嬉しかった




 その後、私達は寮に移動した

 

 まなみちゃんが歓迎パーティーを提案したけど、北大路くんと烏藤くんは断ったのでそこで2人とは別れた


 私とまなみちゃんは自分達の部屋に入ると明日の準備や食事等をしてそれぞれのベットに入った


「ねぇねぇ、みゆちゃんってば北大路くんの事好きでしょ!?」


「え!?え、え、え、あ、う、あ、な、な、な、なんで、、」


「アハハハハッ!その反応だとやっぱりそうなの?」


 まなみちゃんのテンションが上がり更に話し掛けて来た


「今日の様子を見てたら・・・何となく、そんな気がしてさ、、北大路くんカッコ良かったよね!あの左眼も綺麗だったし」



 私は今日の出来事を思い出しながら何となく話し出した


「う、うん。北大路くん凄かった、、けど、好きかどうかは分からないんだ。私はただ、、北大路くんを助けたくて、、助けられる様になりたいから・・・」


「ふ〜〜ん、そっか!なら明日から一緒に頑張ろうね!おやすみ」


「う、うん!おやすみなさい」



 ドキドキした



 ドキドキと期待と色んな感情が湧いて来て中々眠れなかった


 それでも目を瞑り何とか眠る事が出来た






 次の日


 私とまなみちゃんは北大路くんと烏藤くんを迎えに部屋へ行った


 まだ準備が出来ていない様だったので少し待ち4人で学園へ向かった



 教室に到着して中に入ると全員から注目された


 そんな中、1人の女の子が私達の前に来て、まなみちゃんに話し掛けた


 女の子は"清源紫苑せいごんしおん"さんと言う昨日話に出た人だった


 こんなにすぐに会えた事、そして何となく想像と違った事に驚いてしまったが、挨拶した


「わ、私は、し、士部崎みゆです。よ、よろしくお願いします」


 挨拶を終えると紫苑さんが私に抱きついて来た


「・・可愛い」


 これ又今まで私が経験した事の無い出来事で戸惑ってしまった



 そんな時、後ろから桜田さんが現れた


 どうやら桜田さんが担任の先生の様だ


 学園長が先生という事に内心驚いてしまったが、そんな事お構い無しに桜田先生は私と北大路くんをクラスメイトに紹介して交流時間にした



 私達にいくつか質問がされた


 その中で"壬生みぶ圭佑けいすけ"くんは何故か私に彼氏がいるか聞いて来た


 まともな友達も居なかった私に彼氏なんていた事があるはずも無く、そして何故壬生くんがそんな事聞いてきたのかもよく分からなかった


 でも、昨日寝る前にまなみちゃんと喋った事を思い出して、顔が熱くなった


(ど、どうしよう・・なんて答えたら)




 悩んでいると、桜田先生に注意されて壬生くんは能力についての質問に変えた



 私と北大路くんが答えると、いきなり1人の男の子が机を殴った


 真田くんという男の子は、烏藤くん以上に怖い見た目をして、おまけに言動も烏藤くんとは明らかに違い、私は恐怖した


 私が怖がっている中、話は進み北大路くんに能力を見せてもらう為トレーニング場へ移動する事になった



 トレーニング場に到着して北大路くんと桜田先生は部屋の中に入って行った


 部屋の外では、真田くんとまなみちゃん、それに烏藤くんが言い争いをしていた


 私はまなみちゃんの近くで北大路くんの方を見るしかなかった


「・・"雷霆らいてい"」



 それは明らかに昨日以上だった。当然また目を奪われた


 

 他の人達も同じ様子で北大路くんが出てくると一斉に話し掛けていた


 そんな中、真田くんだけはまだ納得していない様で北大路くんに勝負を挑んで来た


 桜田先生が必死に止めていたが、北大路くんもやる気になり闘う事になってしまった



(なんだろう・・何だか胸騒ぎがする)






 紫苑さんと"椎名しいな優雅ゆうか"さんが安全の為に能力を使った


 私はそれをただ見ている事しか出来ず、辛かった


 成長したと思っていたけど



 私はまだまだ底辺で、助ける事が出来ない事を実感させられた


 北大路くんの無事を祈りながら部屋の中を見た



 北大路くんの能力で、激しい音と光そして煙が起こっていた


 しかし真田くんは何とも無く、今度は真田くんが能力で右腕を銃の様にして北大路くんを吹き飛ばした




 北大路くんが苦しんでいる姿が目に映り込み辛かった


 もう止めて欲しい



 そう思っていても北大路くんは立ち上がって吠えた




 その姿に私の中の胸騒ぎは、確信へと変わっていった



 とにかく止めないと、そう思い身体を走らせた



 部屋に入る寸前で何かに後ろから引っ張られてしまい転んだ


 前を見ると烏藤くんの能力で生み出した鷹が扉を塞いでおり、まなみちゃんや桜田先生、烏藤くんが私を制止した


「止めないと、、北大路くんを止めないと、、真田くんが!!」


 私は何とか伝えようと言葉を出した



(とにかく、、このままだと・・・)



 焦り、恐怖、悲しみ・・


 気持ちの整理がつかず、まともな事を言えなかったが、それでも桜田先生には何か通じた様だった






「ーーーーもうしてるんだよ・・・」



 北大路くんの冷たい言葉が耳に入った


(なに、、あれ)


 北大路くんの能力が変わっていく


(あれは、、あの時の・・・)



 私にはこれから何が起こるのか何となく分かる・・・私は体験してるから



 まなみちゃんを振り払い部屋に入った


「北大路くん!!やめて〜〜〜!!!!」



 とにかく叫んだ



 間に合って欲しい



 その一心で






 紫苑さんが創った壁もあり、北大路くんの能力は真田くんを僅かに傷付けただけで終わった


「貴方達はクラスに戻っていなさい!私は2人を連れて行くから」


 桜田先生と北大路くん、真田くんはトレーニング場から出て行った



「みゆちゃん・・・」



 間に合った



 ただ、、また助ける事が出来なかった



 北大路くんが出て行く姿を私は下を向き、虚ろな目で見ていた






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