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後に魔王と呼ばれる元イジメられっ子  作者: ちょむろう
一章 復讐を誓い歩み出す
16/29

第16話 士部崎みゆの戦い


 番外編みたいな形で士部崎みゆ視点を書きました。

読んで頂けると次話移行更に楽しめると思いますので、是非読んで頂けると幸いです。





(私は、、弱虫だ。立ち向かう勇気を持たない私にはどうする事も出来ない。自分で自分が嫌になる。高校生になって何かが変わるかもと思ったけど、結局、、どこも似たようなものだった。そして私も変わらない)






 けど・・転機は突然やって来た




 "ボッ!!!"


「うぉ!?なんだこれ!?」


「きゃぁ~〜〜」


「ちょっとっ!大我何やってんのよ!」


「知らね〜よ!!急に手から"火"が出やがったんだよ」


 パニックの中、火はすぐに消えた


「落ち着きない。鳳仙君一緒に職員室へ来なさい」


「ちぃっ!分かりましたよ」


「他の者はしばらく自習していなさい」


 


「なにあれ?ヤバくない!?」


「大我のヤツどうやったんだろうな!?」




 しばらくして2人は帰って来た


「え〜悪いが、今日はこの後すぐ休校とする事になりました。鳳仙君の件については君達もすぐ知る事になると思います。ニュース等をしっかりと確認するようにして下さい」


 そう言って先生は教室から出て行った


「やった〜!!」


「まじかよ。なんか知らね〜けどラッキーだな」


 クラスではあちこちから喜びの声が漏れていた


「大我、あれってどういう意味?」


「あ゙ぁ!?言ってた話か?俺も詳しくはしらね〜よ。職員室に行ったらすぐ校長が出て来て休校にするって流れになったんだからな」


「そうなんだ」


「なぁなぁ大我。あれどうやったんだ?」


「それも分かんね〜よ。何となくタバコを吸いたくなって火を付ける所を思い出してたら急に出たんだよ」


「何それ・・」


「もう良いだろ?帰ろーぜ。ニュース見ろとか言ってたし、それでなんか分かんだろ」


 鳳仙くん達の話に聞き耳を立てていたが、詳しい事は分からなかった。その夜、私はお昼の出来事について知った。それと同時に胸が高鳴った



(変わらない日常が変わったんだ。私も変われるチャンスが来たんだ)




 次の日


(今日は北大路くん来てるんだ。良かった、、私頑張るから。変わってみせる)


 教室の隅でそう誓った



 けど・・私は結局、、傍観者だった



 いや・・・もはや加害者



 最低だ・・・






「竜哉!こいつを後ろから抑えてくれ」


(今日もまた始まった。助けたいけど、、今の私にその力は無い。昨日試してみたけど出来なかった)


「早く出来るようにならないと。それまで、、北大路くん、どうか耐えて下さい」



 しかし今日はいつもと違った


「あ、え?いぁぎゃ〜〜〜〜ッ!!!!」


「すげぇ~カッコいい!!」


「さらに〜昨日試した通りなら」


「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜〜」


「うわぁ~きたなーコイツ漏らしてやんの」


「おいおい勘弁しろよ。付いたらどうしてくれんだよ」




(な、なにあれ、、どうしてそんな事出来るの・・・)


 いくら試しても出来なかった事を簡単にしている鳳仙くんに戦慄した


「ーーーーおい、士部崎!小鳥遊!竜哉の代わりに透を抑えろ」


 "ビクッ"



(な、なんで私を呼ぶの、、怖い、私は、、どうしたら良いのだろう。行きたくない、、言う事を聞きたくない。けど・・聞かなきゃ)


 小鳥遊くんが北大路くんの方へ行くのを見て、付いて行った



 小鳥遊くんと2人で北大路くんの腕を掴んだ。小鳥遊くんは言い訳をしていた。私もただ謝る事しか出来なかった



 前を見ると鳳仙くん以外の2人も能力を使えていた


(どうして他の人も使えるの?)



 鳳仙くん以外も能力を使える事に驚いていると、次の瞬間、、凄い力で腕を振りほどいて北大路くんが逃げ出した



(北大路くん、良かった。けど・・)


「おい!!何やってんだよ。こら!」


「ちょっとコイツらまともに抑えておく事も出来ない訳?」


「どうする大我。北大路の代わりに小鳥遊で試すか?」


「まぁそれも悪くないが、折角だしちょっと別の事をしに行くか」


「ちょっと大我。別の事って何よ」


「そうだよ、一体何をするんだよ?」


「いいからついて来いよ」



 鳳仙くん達は出て行った。私は助かった事に安堵した




 家に帰った私は今日の事を考えていた


(どうして鳳仙くん以外も能力を使えたんだろ。よく分からないけど、鳳仙くんは何か気づいたんだ。それならきっと私にも出来るはず)






 夏休みに入って1ヶ月ぐらいが経った。"能力センシティブ"についても色々と調べていたが、未だ成果は無かった


 これからしばらくお盆なのでお母さんの実家へ行く


「どうにかして夏休み中に能力を発現させなきゃ。頑張れ私」


 お母さんの実家に来た私は家族と一緒に買い物へ出かけた。叔父さんがホームセンターへ行きたいと言ったのでホームセンターにも行った


 私は欲しい物がある訳じゃ無かったが、何となく店内を見て回る事にした


「ん!?あ、あれって」



 私はそこで北大路くんに出会った


(どうして、北大路くんが此処に!?)


 よく分からなかったがチャンスに思えた


(あの日の事を謝らないと、、許してもらえるか分からないけど、変わる為には謝らないと)


 勇気を出して話し掛けた



 そしてあの日の事、今まで見て見ぬふりをしていた事を謝った


 今まで言えなかった事を言えた喜び、そして改めて思った自分の弱さに胸が締めつけられた


 気が付くと少し涙が出ていた。そんな私を見て北大路くんは"ありがとう"と言った



 その言葉はとても嬉しかった



 家族と家に帰った後、北大路くんの事を思い出した


「北大路くん、何か変わってたな。カッコよくなったっていうか、大人っぽくなったっていうか」


 自然と顔が熱くなった


「きっと北大路くんも変わろうとしてるんだ。私も頑張らなきゃ」


 


 北大路くんと会ってから3日が経った日の朝、叔父さんから家に電話が来た。なんでも、猟師の叔父さんが山で倒れている男の子を見つけて助けたとの事。男の子は血塗れで近くには熊の死骸もあったとか。警察にも連絡して事情聴取を受けているらしい



 私は家族と一緒に病院へ行った



 叔父さんと達の話から北大路くんだと分かった


(ウソ・・・なんで北大路くんが)


 私が同級生だと言うと顔を確認して欲しいと言われ会う事になった



 何かの間違えだと思いながら眠っている男の子に会った






 眠っているのは北大路くんだった


「何で・・どうして?何で北大路くんが」


 傷だらけでそこに寝ている北大路くんを見て、私はどうしようもなく悲しい気持ちになった


「どうして!?どうして北大路くんばっかりこんな目に遭わなきゃいけないの?」



 涙が溢れた


 自分でも驚くほどに大きな声で訴えていた。そして北大路くんの手を握った


「助けてあげて下さい。北大路くんに酷い事しないで」


 ただひたすらに傷が治るのを願った




 北大路くんの身体が突然光り出した。辺りにいた警察、病院の医師達は驚き慌てた


 私も何がなんだか分からず呆気にとられていた



 光は次第に収まり、その場に居た人全員を更に驚かせた



 北大路くんの傷は綺麗に治り、顔色も良くなっていたからだ


「士部崎さん、アナタ今何をしたんですか?」


「みゆ!?一体何があったの?」


「先生これは一体どういう事ですか?」



 パニックになった




「"能力センシティブ"・・・」


 1人の警察官の言葉に辺りが静まり帰った


「いえ、最近能力による犯罪等の話をよく聞いていたので、こういう不思議な事が起こるとそう思ってしまって」


「いや、そうかもしれませんね。見たのは始めてですが、士部崎さんアナタ能力を発現していたのですか?」


「い、いえ私も初めてで何がなんだか」


 その場に居た人達は今起こった事を能力によるものとして話し始めた


「とにかく、傷は治りましたがまだどうなるか分かりません。ここでは詳しい事を調べられないので、大きな病院へ移動させようと思います」



「北大路くん・・・」


 北大路くんを違う病院に行くという話になった。まだ安心出来ないが私が北大路くんを助けたのかもしれないと思えて嬉しかった



「士部崎さん、少しよろしいですか?」


「はい!?」


 警察の人に言われて私と家族は別室に移動させられた


「士部崎さん、先程使用された能力については本当に何も知りませんか?」


「は、はい。わ、私も初めてでよくわからないんです」


「そうですか。我々も詳しい事は分かりかねますので、専門の方に話を伺いたいと思います。詳しい事はまた後日連絡しようと思いますので、よろしくお願いします」


「わかりました」



 その後、北大路くんは学校がある街の大きな病院に移動した事を知らされた。そして、私には"能力センシティブ"協会という所に所属している"汐留"さんという方から連絡が来た


 汐留さんは北大路くんのお見舞いと一緒に、私の能力について話を聞きたいと言うので病院へ行った


「どうも初めてまして士部崎さん。私は能力協会の汐留と申します。どうぞよろしくお願いします」


「え!?あ、初めまして士部崎みゆです。よ、よろしくお願いしします」


 汐留さんは微笑んでいた


「では始めに北大路さんのお見舞いに行きましょうか」


「は、はい」



 私達は北大路くんの病室に入った


「まだ目を覚まされていない様です。検査の結果、傷等は完全に治ったようですが」


 寝ている北大路くんを見てまた心が痛くなった


「私、、のせいですかね?私が変な事したから、目を覚まさないんですか?」


「いえいえとんでもない。士部崎さんのおかげで彼は助かったんですから」


(なら・・・どうして目を覚まさないの、、北大路くん)


 汐留さんに励まされたが、それでもまだ自分を責めた。そんな私を見てか汐留さんはある提案をして来た


「士部崎さん、能力をちゃんと使える様になりたくはありませんか?」


「え!?」


「どうですか?」


「私でも、使える様になれるのなら、、なりたいです」


「分かりました。では移動しましょう。今日、ワタシはこの為に来ましたから」


 汐留さんは微笑んでそう言った。私はその言葉を信じて北大路くんの病室を後にした



(北大路くん、、待ってて、私・・・)






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