第12話 聞かされた新事実
汐留さんと佐藤に連れられてオレはあるホテルに来た
(すげぇ〜いいホテル・・・)
「北大路さん。申し訳ありませんがしばらく此処で生活して頂こうと思います」
「え!?それは良いですけど、此処って一泊どのくらいするんですか?」
オレの言葉に汐留さんは笑った
「すいません。勘違いさせてしまいました。支払いは気にしなくても大丈夫ですよ」
オレは勘違いしていた事に気づき苦笑いした
「そうなんですね、良かった」
「ではよろしくお願いします」
「北大路くん。ウチのが入り口で警備してるから何かあったら遠慮なく言ってくれ」
「分かりました」
そう言って佐藤と汐留さんはホテルの部屋から出ていった
(警備してるって要するに監視だろ。まぁいいけど)
2日経ちホテルでの生活にも慣れ始めた。外は雨が降っており"ぼーっ"と雨の降る空を窓から眺めていた
「こんにちは北大路さん、元気ですか?」
汐留さんが部屋に入って来た
「おかげさまで」
しばらく何気ないやり取りをした
しかし笑顔だった汐留が急に真剣な顔になった
「緑山さんの奥さんが自殺されました。それに鈴木さんのご両親も近所の視線に耐えかねて引っ越しを考えているようです」
「そうですか」
特に何も思わなかった
「それだけですか?北大路さん、貴方が求めていたのはこういう事だったんですか?」
「別にこれが求めていた物かと言われるとよく分かりません。ただ、竜哉達にした事はオレが求めた物であり、その結果としてそうなったのであればオレが求めていた物とも言えますね」
今思っている事を正直に口にした
「貴方がした事は直接関係の無い人まで巻き込んだんですよ?」
「関係無いとは言えないですよ。それに、この結果はあんた達が作ったと思いますけどね」
その言葉に汐留さんは下を向いた
「確かに、、そうですね。北大路さんを責めるのは間違っていました」
そう言って汐留は頭を下げた
「別に汐留さんを責めたつもりは無いですよ」
しばらく無言で時間が過ぎた
下を向いていた汐留さんだが、ようやくこちらを向いて喋り始めた
「話を変えて、この2日で決まった今後についてお話しようと思います。まず、北大路さんには"西"に我々が新たに作った"能力者"学園の方に編入して頂こうと思います」
「その、"能力者"ってなんですか?」
「これは失礼しました。最近決まったのですが、世界中で"能力"を発現した人をゲームやアニメのような能力が使える事から能力者と呼ぶようになったんです。そして能力者が集まる学園を能力者学園と呼ぶ事になりました」
「知らない間にそんな事になってたんですね」
「はい。今現在日本には能力者学園が"東"に1つあるだけなのですが、能力者の数が世界に比べて、日本は多い様でこの度新しく"西"にもう一つ作る事になりました。北大路さんにはそこへ行って頂きます」
「大我は?鳳仙大我はどっちにいるんですか?」
汐留は困ったような顔をした
「鳳仙さんは東の学園にいます。だからこそ貴方を西に編入させるのです」
「何で!?ならオレも東に行きます」
「無理です。これは政府、そして協会の決定です。貴方と鳳仙さんは会わせないという事で決定致しました」
「何でそんな事をあんたらに決められなきゃならないんだよ!」
声を荒げて言ったが汐留は変わらず淡々と答えた
「貴方の考えはこれまでの行動で理解したつもりです。だからこそこれ以上復讐はして欲しくありません。そして貴重な能力者をわざわざ危険に晒す事も出来ません。貴方もこちらが決めた法に乗っ取り無罪になったのですから従って下さい」
汐留の言葉に何も言い返せなかった
「それと北大路さんの能力はまだ詳しく知らないですが、先日見せて頂いた"力"では今の鳳仙さんにはどの道復讐なんて出来ません」
(は!?何で、、そんな事言われなきゃいけないんだよ)
オレの能力が否定された気がした
「そんな訳無い!!」
「いいですか?鳳仙さんは既に学園で能力を磨いており、貴方の知る"火"を出す能力以外にも発現しています。そしてその火を出す能力も正直言って数段力を増しています。だからこそ鳳仙さんを会わせる訳にはいかないのです」
「何だよ・・・それ」
「仕方ないのです。鳳仙さんの系統は"見聞系"ですから」
(え!?)
「系統?見聞系?大我が見聞系?一体何の話ですか?」
「恐らくですが北大路さんは"心緒系ではありませんか?」
「え!?何でそれを、、」
「やはり思っていた通りですね。そして自身の系統まで理解していましたか」
「何で分かったんですか!それに理解してたかって。それに大我が見聞系って事も」
「待って下さい。1つずつ説明致しますので。まず北大路さんの系統については、見せて頂いた能力が心緒系統に属していると思ったからです。系統によって同じ能力だとしても、見た目や性能が個々で違います」
(山で試した時に思ったけど、やっぱりそうなのか)
「その様子だとこれもやはりご存知のようですね。それが2つ目の北大路さんが自身の系統を既に理解していると思った理由でもあります」
「え!?」
「3つの系統で、それぞれ能力の発現しやすさが違うんですよ」
(そうだったのか・・)
「最も発現させやすいのは見聞系の能力者です。"経験"を主に"要素"にするので、実際に経験した事や物を再現するのに向いている系統です。次に発現しやすいのは心緒系の能力者です。"感情"を要素にするので見聞系に比べて発現させにくいのですが、その分特殊な性能や見た目の能力になりやすいです。そして、最も発現させにくいのが"幻影"系の能力者です。"想像力"を主に要素としている為、心緒系よりも更に特殊な能力を発現させる事が出来ますが、それだけ発現の難易度は高いです」
呆気に取られてただただ話を聞いた
「北大路さんの系統が分かった理由は理解頂けましたか?」
「何となく・・」
「では、2つ目について。系統によって発現しやすさが違うので、心緒系や幻影系の能力者はまず普通に発現させる事が困難なんですよ。自身の系統を理解してそれを要素として作用する様に意識しないといけませんから。心当たりがあるんじゃありませんか?」
(その通りだ。オレが能力を発現出来たのは、この思考に辿り着いたからだ)
口にはしなかったが、顔か雰囲気に表れていたのだろう
汐留はすぐに次の話をした
「最後に鳳仙さんが見聞系と言った事についてですが、系統には、実は発現のしやすさ以外に成長の仕方にも差があるんですよ」
「え!!!!!?」
「何となく話の流れで分かるかもしれませんが、見聞系能力者の能力が最も成長しやすいという事が今現在分かっています。それは見聞系は経験を要素にしている為、何かを経験すればするだけ成長するからです。幻影系も着実に成長致しますが、その成長率は見聞系には到底及びません。そして心緒系は、急激な成長がある一方、何かの拍子に逆に能力が弱くなる事が分かっています」
「そんな、、だから大我はオレの想像以上に力をつけているから勝てないって事ですか?」
「はい。ですから北大路さんには西の能力者学園へ行って頂きたいのです」
「そこまで分かっているなら、オレなんて無罪にせずに他の人を探せばいいじゃないですか」
「そうはいかないんですよ。正直、見聞系は最も厄介ですから・・・」
「え!?」
「おっと雨が強くなりだしましたね。この話はまたに致しましょう。明日改めて伺いますので、その時に北大路さんの能力を見せて下さい。では」
汐留さんはそう言って足早に出て行った
(何だよそれ・・・)
「というか、オレの能力ってまだまだ大した事なかったんだな」
ショックから立ち直れなかった。身に付けた力が意味無いのかもしれないと思えた
"ゴロロロロッ"
"ドゴ〜〜〜ンッ!!!!!"
(今のって・・・)
閃光が走り空気が震えた。そして衝撃がオレに走った




