第10話 惨状
身体から"闇"が吹き出した。その勢いに眼帯は外れた
「な、何だよそれ」
「何、、あれ」
竜哉と鈴木は動揺し、他の連中は息を呑んだ
「"絶壁闇夜"」
闇が右手を覆い尽くした。オレの右手は今"闇そのもの"になった様だ
しかしオレはそれに対して特に何も思わなかった。ただ、士部崎の太ももに刺さっている"炎の矢"をどうにかする事だけしか考えられなかった
(士部崎・・・今助けるから)
オレは士部崎に近づき、右手で矢に触った
闇は矢を飲み込み消えていった
苦しんでいた士部崎は痛みの原因が消えた事、そしてオレの変化に驚いていた
「き、北大路、くん!?」
「ごめん士部崎、、オレのせいで」
(オレが巻き込んだせいで、、士部崎が)
自分の感情に任せて、士部崎を傷つける結果になった事を後悔した
(竜哉、、鈴木、、お前らは許さない)
オレの変化と士部崎を襲った鈴木の"能力"が消えた事を少し遅れてクラスが認知した。皆混乱している様だったが、その中で自分の能力を消された鈴木は抑えられず喋り始めた
「ちょ、ちょっと、、アンタ何やったのよ!北大路」
「北大路、、お前、能力使えたのかよ。だから今日は調子に乗ってたのか。それにその眼と右手は何だよ」
「どうでもいいだろ?そんなの、、それともイジメてた奴が能力を発現してたから焦ってるのか」
「ふざけた事言ってんじゃねぇ〜よ!!!ちょっと能力が使えるようになったからって調子に乗りやがって」
竜哉は再度能力を使った
先程よりも大きな炎の矢を出し、それをオレへと投げた
「死ねぇ〜〜北大路!!!」
「"絶壁闇夜"」
右手の闇は雲散して広がり、闇がオレを覆った。竜哉の能力は"絶壁闇夜"に触れると飲み込まれ、消えた
皆声が出ず竜哉は起こった事に動揺した
「クソ、だから何なんだよそれ」
「今度はお前が何か味わってみろよ。"絶剣闇夜"」
覆っていた闇は形を変えて"刃"となった
形状が変わった事、、そしてその形状が明らかに攻撃目的である事にその場の空気が一層張り詰めた
「・・・いけ」
鮮血が噴き出した
その光景にクラス中がパニックとなった
当然だ
竜哉の左腕が斬られ血が噴き出したのだから
クラスメイト達は大急ぎで教室から出て行った
「き、北大路!!お前、なんて事を・・・」
(今更何言ってんだよ。散々竜哉達にやらせておいて、、ふざけんな)
オレは先生に"絶剣闇夜"を向けた
「ま!!待て、やめろ。やめてくれ」
先生は慌てて教室から出て行った
竜哉は斬られた事に一瞬、理解が追いついていない様だったが遅れて斬られた事実を知った
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!!いてぇ〜〜〜」
倒れ込んでのたうち回った
「竜哉。これがオレの能力だよ」
しかし竜哉はそれどころでは無かった
「士部崎!!!!俺の腕を治せ」
腰を抜かして呆気に取られていた鈴木も続けて言った
「ア、アンタなんて事すんの。竜くんしっかりして。士部崎!!早く竜くんを治しなさいよ」
(こいつらはまだそんな事言ってんのか。それが出来るなら先に自分の足を治してるだろ)
士部崎の能力を知っていたオレは冷たく竜哉達を見ていた
士部崎は困惑していたが、竜哉達の必死な声に気づくと動揺した
「わ、私、まだ北大路くんにしか、能力を使えないの」
その言葉に2人の矛先は士部崎に向いた
「嘘つくんじゃねーよ。いいから今すぐこっちに来い!!もっと痛めつけるぞ」
「そうよ早くしなさい。アンタなんてこんな時ぐらいにしか役に立たないんだから、さっさと竜くんを治してよ」
士部崎は顔を曇らせた
「士部崎、気にするな。お前はお前のペースでいいんだから。こいつらは、、オレがどうにかするよ」
「え!?き、北大路くん、どうにかするって・・・」
オレは竜哉達の方へ近づいた
「き、北大路、この腕が治ったら今度は容赦しないからな。殺してやる、、覚悟しろよ」
「アンタも、親と一緒に焼け死ねば良かったのよ。何でアンタだけ生き残ってんのよ。鬱陶しい!!」
(死んだ方が良いのは・・・お前らだ!!)
「"不知火"」
右手に"漆黒の炎"が現れた
オレ以外の3人は、新たな能力に驚きを隠せない様子だ
「あ、アンタ一体、それで何しようっていうの」
鈴木は明らかに恐怖を感じていた
「オレはさ、お前らこそ死ぬべきだと思うよ」
「おい!!北大路、そんな事してただで済むと思ってんのか」
「そ、そうだよ北大路くん、そんなの良くないよ。お願い、私は大丈夫だから止めて」
「そうだよ士部崎の言う通りだ。さっさと傷治して終わりにしようぜ」
「そうよ。アンタは大我くんじゃないんだから、そんな事したらどうなっても知らないわよ」
「何で大我がオレの家を、、両親を殺した事を知ってんだよ」
竜哉と鈴木は酷く動揺した
「いや、綾が言ったのは、そういう意味じゃなくて・・その、、な?綾」
「そ、そう、後から大我くんに聞いたの。あーしらも一緒にいたわけじゃないの」
何を言われても聞こえなかった
「"絶剣闇夜"」
オレは竜哉の右足も斬り飛ばした
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!」
竜哉は絶叫し鈴木と士部崎は言葉を失っていた
「お前ら大我と一緒にいたんだろ?そして大我が無罪になったのも知っている。だから能力に拘って士部崎にキツイ態度だったんだろ」
オレの言葉に鈴木は図星をつかれたような顔をした。竜哉はこれ以上斬られない様必死に話しかけてきた
「あぁ、そうだ。能力さえあれば何をしても許されるんだからな。なぁ、、もう良いだろ?士部崎早く治してくれよ」
「そうだな・・もういいよ」
(もう・・・)
安堵した顔の竜哉の身体を"絶剣闇夜"が貫いた
「ゴボッ、ぎ、ぎだおおじ、、」
竜哉はその場に倒れて動かなくなった
「え、、竜、くん・・?え・・・」
「き、北大路くん・・・」
(先ずは1人目、、やったよ、父さん、母さん)
「北大路!!アンタは絶対許さない」
鈴木は能力を使って攻撃してきた
「"絶壁闇夜"」
鈴木の矢はオレには届かず闇に飲まれた
「クソ、クソどうしてアンタなんかが特別なのよ。アンタは一生イジメられてれば良かったのよ」
鈴木が何を言おうとどうでも良かった
「"不知火"」
漆黒の炎を鈴木へと飛ばした
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!!熱い、アツい、あづい、、あ゙づ、、い」
鈴木の身体は燃えて消えた
残った竜哉の遺体と鈴木の焼けた匂い
この惨状に士部崎は嘔吐した
「おぇ、、お、おぇ〜、、き、北大路くんなんで」
士部崎が何か言っているが聞こえなかった。ただそこにあるそれを見ていた
(これで2人目)
オレの心を復讐が満たした




