愚者の生き方
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
馬鹿には馬鹿なりの生き方があるんですよ。
基本的に何も出来ず、人を頼らざるを得ないのが私である。だからこそ、誰よりも人間関係を上手く回す必要がある。例え其れが苦手だったとしても。
私の真隣で他愛のない雑談が聞こえてくる。電車の話とか、芸能人の話とか、飲食店の話とか。仕事には全く関係の無い話ではあるが、いや、だからこそ盛り上がる。それは『社会に出たら無駄口叩かず手だけ動かせ』と思って放り出された新しい規律、洗礼だった。
「○○から来てて〜」
「それって、○○県でしたっけ? ○○線、通ってます?」
「○○県です。地元民、しっかりしろ〜」
「あら〜?」
最近知った事がある。この方は、私の上に立つ人は、時折ぽろり、ぽろりと呟きを落とす。誰かについて話し掛けているのかと思ったが、そうではないらしい。周りの方々曰く、『独り言だから、無視して良い』との事。でも拾うとそれなりに嬉々として会話に乗ってくれるので、基本的に人と接するのが好きなのだと知った。
其れから早数ヶ月、人知れずに周りの、よく関わる人の事をよく見る様になった。
直属の上司は啓蒙を与えるのが好き。つまり話をするのが好きだから、知ってる事も、知らないフリをした方が良い。好き嫌いが激しい。だから懐に入れると多分ずっと面倒臭見るタイプ。歯に衣着せぬ言い方をし、我を通す。つまり良い意味で子供らしい。
別の上司は私に興味を持たないタイプ。つまり仕事が回る人の人を可愛がる。多分面倒事は嫌いなことなかれ主義。トップに立つ人がこの傾向が強い。
そう、何も出来ないならば、出来ないなりに、生き抜く手法を模索している。
「今の上司、どんな人? 悩みとかない?」
久方振りに友人に会ったら、そんな事を聞かれた。恐らく、長らく会っていないから、心配してくれたのだろう。
「良い人だよ。仙人の様に何でも知ってるし、頭の回転も早い。けれども、子供心があるから、話を聞いて欲しい側だし、人に崇められたい人。其れに面倒見が良いから、頂上目指すより中間管理職に向いてる人。物言いは鋭いし、容赦はないけど、悪気はないから、そこまで気にならないかな」
質問を返せばどんな問にも必ず分かりやすい返答がある。本人が失言したと思っても、私が気にしないと分かれば次からは気を遣わない。独り言を吐いて乗ると新しい仕事が舞い込んでくる。出来の悪い私を何ヶ月にも渡って面倒を見る。思った事はズバズバ言うけれど、嘘つけないだけ。だから悪気は無い。
きちんと根拠も提示できるから、相手を説得する事も出来るだろう。
「……よく見てるね……」
「人には人の最善な対応方法があるんだよ。其れを知っていた方が、生きやすいからね」
あの方々は、私のことを『アホの子』だと思っている。実際そうだし、否定はしない。でも、馬鹿には馬鹿なりの生き方があるという事は、念頭に置いといた方が良い。
全ての上に人に立つ人って、基本的に面倒臭がり屋なんです。
面倒な仕事は下に回す事が出来る人が、其れに罪悪感がない人がトップに立てる人です。
中間管理職の人って言うのは、逆に面倒見の良い人がなりやすいです。部下がどれだけ駄目でも面倒を見なきゃいけないので。
『歯に衣着せぬ物言いするから、メンタルが……』
というお話しをよく聞きました。
三者三葉、異口同音で答えが帰ってくるのも珍しいな〜。と思って聞いてました。
でもその分、嘘は付けない人だとも思いましたし、傷付けようという意思がないのも、見ていれば分かります。
色んな人が口を揃えて言う言葉も、人格の一つでしかないんです。
人を嫌わないで、少しでも生きやすくする為には、その人の意図や人格を知ると楽になりますよ。