10月6日 相談Ⅲ
まだ、直江は来ていない。それでも、俺たちはアイツらが来るまで待つしかなかった。俺たちが引退する頃には、また新しい何かが見えるんじゃないかと思っていた。現在は、新しいチームの方向性を模索しているらしい。3年が抜け、投打の要がいない。加えて、キャプテンの直江が復調しないとなるとチームがよくなることはない。
ー10月4日ー
俺 「じゃあ、もう残ってくれるならどうすればいいんだ?」
直江「、、、、、、、、、、、、」
当たり前だけど、直江の中では残るなんていう選択肢はないだろう。
俺 「もしでいいよ」
直江「それだったら、キャプテンてんかな」
キャプテン?どういうことだろうか?
俺 「キャプテンがどうした?」
直江「キャプテンをおろしてほしい」
俺 「お前が戻って来れるなら、それくらい余裕じゃないか?」
俺は、若葉と近藤の方を向く。二人は、スムーズに承諾してくれた。
直江「正直、今の俺にキャプテンはつとまらないよ」
俺 「そんなことはねぇよ。ただ、今しんどいなら回復してもう一度戻ってきたらいいんじゃないか?」
若葉や近藤も同じ気持ちを思っているようだった。
直江「いつ戻れるかはわからないけど、とりあえずそうしてみるよ」
俺 「別に、ゆっくり戻ってきたらいいよ」
正直、もう秋の大会もない。次、あるとしたら3月の春季大会だろう。それまでは、練習が続くと思う。
直江「ありがとう」
佐藤「いつものお前らしくないぞ?」
直江「え?」
思わず笑みがこぼれた。たしかに、佐藤の言う通りだ。練習なんてしたいタイプではない。ただ、俺や佐藤、3年生が抜けたことは、本人にとってかなりのプレッシャーみたいだったことがわかった。そんなことにも、気がつけなかった俺はまだまだだ。
俺 「大丈夫だ、俺たちもできたんだ」
佐藤「本当にそうだぜ?俺はベンチでも、コイツらがやってくれたら勝てるし」
今年の淮南高校の投手陣は、昨年投げていたピッチャーが直江ぐらいしかいない。そのため、全然経験が積めていない。その差は、大きい。俺たちの代は、先輩たちのピッチャー陣が弱かったこともあり、1つ上の代の時から投げていたのだった。そこで経験できたことは、今年の夏に大きく影響したように思う。普通であれば、聖徳高校と守田工業高校に2年の時から投げていたこともあり、いいイメージがあったのだ。




