9月24日 カットボール
今日も後輩と一緒に体を動かしていた。
直江「今日も投げないんですか?」
俺 「ああ。後輩の邪魔になるからな」
淮南高校のグラウンドでは投げないようにしていた。けど、グラウンドに入ると投げてみたくなるよな。
直江「そんなことないですよ」
俺 「そうなの?」
今日は、18時までここで練習して、19時からチームで練習する。ハードスケジュールではあったが、俺にとってはやりがいの方が大きかった。
直江「たまには、僕らのバッティングピッチャーしてくださいよ?」
俺 「打たれる前提かよ」
相変わらずコイツは生意気だな。まぁ、それが可愛いところではあるんだけど。
直江「そんなことはないですよ」
俺 「じゃあ、大会前投げてやるよ」
直江に言われると俺にも火がついた。これからコイツらが勝てそうなのかも確認しないといけないしな。
直江「ホントですか?」
俺 「ああ。ただ、本気で投げるからな」
新しいチームに入ってから、これまでしていた野球がとても幼く見えた。やっぱり監督と先輩たちを見ているとそう思う。
直江「じゃあ、準備しないとですね」
俺 「打者9人ノーヒットで抑えるわ」
あの野球を学んでいて、こんな高校生相手に打たれるわけではない。先輩たちの野球をしている姿を見てるだけで大きく成長できる。
直江「マジですか?」
俺 「当たり前だよ。俺も新しいチームでしてんだから」
直江「でも、そんなに夏と変わらないですよね?」
相変わらずコイツは俺をカチンとさせる。さすがにこの発言にはイラッとしまう。許してはやるけど、俺が投げる時は手加減しないと決めた。
俺 「いやいや、進化してるよ」
直江「ホントですか?」
なんで進化してたら嘘になるんだよ。理解できない、コイツは。
俺 「ああ。これまでは、ワンパターンの投球術だったけど、カットボールを覚えてから幅が広がったよ」
直江「カットボール覚えたんですか?」
俺 「あんまり投げではないけどな」
カットボールは、柿谷さんから教えてもらったボールだった。柿谷さんは、大学でストレートとカットボールの二種類でばったーを打ち取っていたのだ。
直江「じゃあなんでわかるんですか?」
俺 「なんでだろうな?ハハハハ」
投球の幅が広がった俺にとって、淮南打線を抑えることは簡単だった。




