9月23日 ツーシーム
俺は、キャッチボールをする直江と話をしていた。新チームになってから1ヶ月。このチームは、どう変わっていっているのだろうか?エースの直江はチームの中心人物だが、1人では勝てない。問題はどれだけの人が同じ気持ちなのかということだ。
俺 「もうすぐ大会だろ?」
直江「はい。楽しみというかなんというか」
新チームになってからは、なかなか結果出ていなかったけどフォームを改善してからは少しずつ変わってきたみたいだ。
俺 「いいじゃん。1回戦はどこ?」
直江「聖徳なんよ」
俺 「聖徳?」
夏以来かぁ。後輩とはいえ、淮南と聖徳はライバル関係にあるのは変わりない。負けられない戦いだな。
直江「はい!」
俺 「新チームはどうなんだろうな?」
直江「向こうは、田中がいる」
俺 「田中かぁ」
田中とは、田中優聖のこと。夏の大会に1年から唯一のベンチ入り。現在は、ピッチャーとショートをしながら3番を打っていると聞いている。パワーこそないが鋭い打球で外野の間を抜けていく。さらに足も速いため、二塁打や三塁打は打っている。
直江「抑えられるイメージがないんですよね」
俺 「よぐ打つんだろ?」
直江「そうなんですよ。どこ投げても打たれそうで」
俺 「左バッターだろ?」
たしかにいいバッターという記憶があるが、直江の球威であれば抑えられないわけではない。
直江「変化球をみおくられて、ストレートを狙われる感じ。わかる?」
俺 「お前がよくやられてるパターンだな」
昔から直江が失点するケースは、そのパターンが多かった。ストレートがコース内に決まれば打たれないだろうけど。ピッチングに波がありすぎることが問題だ。まぁ気分の浮き沈みがピッチングに出てるんだろうけど。
直江「そうなんですよ。ストレートのコントロールが悪くなるといつと打たれるんですよね」
俺 「ストレートの球威はあるんだけどな」
直江「どうすればいいと思います?」
俺 「やっぱりストライクをとれる変化球を覚えるべきだな」
直江はボールを見ながら考えている様だった。
直江「何がいいですか?」
俺 「カーブ、スライダーは投げてるんだろ?」
直江「はい。でも、なかなか使いものにはならなくて」
俺 「じゃあ、ツーシームは?」
直江「ツーシームですか?」
直江のグローブからボールをとり、握ってみせた。




