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日常で世界を変える(湯浅編)  作者: mei


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9月17日 野球部vsサッカー部(応答)

 決めた。俺は、ストレートを磨くことにする。昨日、プロの選手を見ていて思った。このまま変化球を覚えたとしても俺は打たれる。変化球のキレがよっぽどよくないと抑えられることはない。だったら、ストレートのスピードを上げて勝負したい。それができなければ大学で野球をしても打たれるイメージしかない。


 ー9月10日ー


 野球部は、近藤。サッカー部は、鳥山。それぞれ5番走者へとバトンを渡る。以前、野球部リードは変わらない。しかし、そのリードはわずかだ。二人は最初のコーナーにさしかかっていた。近藤がトラックのカーブを曲がろうとしたその時、足がもつれてしまう。近藤はよろめき、腕を振り回してバランスを取ろうとしたが、無駄みたいだ。そして、次の瞬間には、グラウンド上に砂ぼこりが舞い上がり、彼の体はトラックに叩きつけられた。トラックを見ていた生徒はざわついていた。俺も息を呑みながら、見つめた。

 近藤から少し離れていたところにいた鳥山は、その異変に気がついた。地面に膝がついた近藤をすぐさま鳥山を抜いていく。バトンを引き渡そうと闇雲に伸ばされた。近藤が持っていたバトンは後ろへと転がってしまう。鳥山に負けじと、近藤も痛みをこらえ、すぐさま立ち上がろうとした。走り出したが、もう近藤とはかなりの距離が広がっていた。ここから、巻き返せるのだろうか?それでも、近藤は、必死に走っていた。そう、これは個人の戦いではない。野球部の威信をかけた戦いなのだ。この距離は、なかなかだな。さっきまで話をしていた直江も口を閉じてしまう。みんなの心に重くのしかかってしまうようだった。このままだと、チームの士気は低下してしまう。なんとかしないと。

 残り5人。逆転の可能性はないだろうか?後半のメンバーを見ても大きく差をつめれる気配はしない。全員で少しずつ距離を縮めるんだ。6番の新内、7番の氷島がいい流れを作ってくれたらまだチャンスはある。まだ、直江も俺も控えてくれるんだ。なんとかしてくれ。もう、間も無くサッカー部の鳥山が帰ってくる。サッカー部の次の走者は、桑原だ。そして、鳥山に遅れること3秒ほどして近藤が来る。近藤は、新内へとバトンをつなぐ。すぐさま近藤の周りに俺たちは駆けつけるが、近藤から応答はなかった。同じ2年の直江は、近藤にに寄り添う。彼は痛みと失望でそれどころじゃないのだろう。しかし、そんなことを言っても仕方がないのだ。

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