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日常で世界を変える(湯浅編)  作者: mei


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9月8日 ピッチング

 9月を過ぎても暑さは残っていた。最近は、野球部のみんなと走りこんだ後、ピッチングという流れで、十分に体を動かしてきたつもりだった。昨日、直江に受けてもらった時も、いいボールがきていると褒めてくれていた。しかし、今日はそういうわけにはいかないみたいだった。ここまで、打者二人に対して、レフト前ヒットとライト前ヒット。キレイに打ち返された。もはや、自分のボールがこの人たちに通じないことは理解していた。こんなに簡単に打ち返されてしまうと、逆に何が足りないのか気になっていた。目の前に立っている梅澤に対して、自分は、どこまで投げ切れるのだろうか?ここまで打たれたのは、2本とも大学生。梅澤は、俺と同じ高校生だ。

 夏予選。白峰工業高校との一戦。俺は、スターティングメンバーから外れ、ベンチから応援していた。しかし、佐藤、直江と連続で打ちこまれ、俺は8回から投げることになった。ピンチは作ったものの、なんとか梅澤に回るまでに抑えて、俺と梅澤の対決は幻となった。コイツは、そのことを覚えているのだろうか?あの時、ベンチから見ていたまっすぐ立ちながら、バットを構えていた。これがよく言うどこに投げても打たれそうなやつか。

 ここで、俺が打ち取れるくらいの実力があればな。そんなことを考えながら、バッターボックスに入る梅澤に投げ込んだ。ここの野球スクールは、自分に合っている気がしている。みんなのことを考えなくていい。自分の成長だけに使える場所というのは、とてもありがたかった。ワガママともいうのだけれど、それはそれでよかった。ここにいる選手たちが楽しそうにバッティング練習やピッチング練習をしているのを見て、自分もこの環境でやってみたいと思うようになった。

 いい球を投げ込んだつもりだったが、結果、再び、レフト前ヒットを打たれたのだ。結局、打者三人全てヒットを打たれた。当たり前と言われたらそれまでだ。後は、ここからどうするか。それだけだった。ボールを受けてくれていたキャッチャーの永瀬とキャッチボールをしながら、ゆっくりとダウンをしていた。この後、監督と話し合いをする予定だった。3本ヒットを打たれたが、永瀬はナイスボール!と励ましの声をかけてくれた。コイツは、俺と同じ高校3年生だ。たしか、和佐田高校のキャッチャーとか言っていた。あんまり聞かない高校だったから、そんなに気に留めていなかったが、コイツのキャッチングは、とても投げやすい。コイツがキャッチャーじゃなかったら、もっと打たれていたのかもしれなかった。

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