8月21日 群馬北高校vs道和高校2
昨日の試合は、白熱していた。あんな熱戦はもう二度とないんじゃないだろうか?
ー8月20日ー
全国大会準決勝。群馬北高校と道和高校の一戦は、6対6の同点だった。無死ランナー三塁で、2番の本田が入ろうとした時、ピッチャーの交代が告げられた。マウンドにいる中川は、とても余裕のあるみたいだ。
最速149kmを誇るストレートを武器に三振の山を築いていく。中川セットポジションに入り投球練習を始めた。とてもじゃないけど、このボールを打つことは難しい。投球練習の1球1球に大きな歓声が起き上がる。2番本田は、中川のタイミングに合わせてバットをふる。
おそらく、今日の観客は、中川の投げる姿を一目見ようと来ている人がほとんどだと思う。審判は、プレー再開の合図を示した。セットポジションに入り、大きく足を上げ、第一球目を投げこんだ。
おおぉ!!!地鳴りのような大きな歓声は、スコアボードに刻まれる数字からだった。バッターボックスの本田に投げた初球は、"155km"が記されているのだった。キャッチャーからボールを受け取った中川は、後ろのスコアボードを軽く見て、再び、セットに入った。これを打つなんて不可能じゃないか?
あまりにも中川と本田の差が激しいように感じた。さっきの打席では、タイムリーヒットを打っているのにそんなことを感じさせないくらい中川の存在だった。二球目も、ど真ん中ストレートに決まった。
セットポジションに入った中川、第三球目を投げこんだ。バッターの本田は、体を大きくまわしバットを振り出した。中川の指から放たれたボールは、本田のバットをかすらずキャッチャーミットに飛びこんでいった。ウォオオオオオオ!!!再び、スコアボードに"155km"とスピードが表示されていた。
背番号1は、俺が思っていた予想以上に大きく見えたのだった。この中川から打てるとしたら、この3番の八乙女しかいないだろう。3番八乙女は、県予選から打ちまくっていた。そして、この全国大会では、ここまで3試合、13打数7安打。3本のホームランを放っていた。この対決は、注目を浴びるだろう。
打席に入った八乙女の応援ソング、シンガーソングライター堀隆史の『stay』が流れていた。左打席に入った八乙女は、ピッチャーの中川を見つめていた。三塁ランナーの屋宜を見つめながら第一球目をなげこんだのだった。




