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日常で世界を変える(湯浅編)  作者: mei


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8月17日 後輩

 後、10日ほどで夏休みも終わってしまう。気がつけば、今日もグラウンドに来ていた。この前の後輩たちの試合を見ていると、無性に虚しくなってしまっていた。

 俺は、なぜか、ピッチャーマウンドにたっていた。今日は、佐藤も来ており、後で投げるためにピッチング練習をしていた。バッターボックスには、足立が入る。後輩とこうして真剣勝負は、初めてだった。本来なら、2月とかに紅白戦をするのだが、俺はあの頃、怪我をして投げられなかったのだ。

 ヘルメットをかぶった足立は、俺の方をまっすぐ見つめている。キャッチャーの八尾が出したサインはスライダー。八尾のサインに頷いた俺は、セットポジションに入った。一塁ランナーは、山西。一歩、二歩、三歩とリードをとっていくのが見える。顎を下に下げ、一塁ランナーの様子を見た。

 俺は、左足を上げ腕を引く。そして、ボールを放した。重たいボールを投げた時のようにゆっくりボールが落ちていく。バッターの足立は、バットを出さずに見送った。コーチの山川はストライクと告げた。

 キャッチャーの八尾は、俺にボールを返した。再び、ピッチャーマウンドに足を置いた。2球目のサインは、再びスライダーだった。キャッチャーの八尾のサインは、相変わらず短絡的だった。再びセットポジションに入り、一塁ランナーを見て投げたのだった。

 今度は、バッターの足立もバットを出す。金属音とともに打球は、三塁方向に飛んでいく。しかし、三塁の白線の内側には入っていなかった。ファールとなる。俺は、キャッチャーの八尾から新しいボールを受け取った。

 3球目のボールは何を要求してくるのだろうか?キャッチャーの八尾の指は、1を示す。1は、ストレート。ここで、ストレートかぁ。ワンパターンのリードだけど、従ってサインに頷いた。そして、左足を上げ、前へと踏み込んだ。

 右腕から投げ下ろしたボールは、スイングしたバットにかすらずミットに入っていった。キャッチャーの八尾は大きな声を出しながら、俺へボールを投げ返した。引退したボールも打たないのか?キャプテンでクリーンナップの足立ですら打てなかった。

 新チームに落胆してしまった。俺は、キャッチャーから受け取ったボールをカーブのような軌道でマウンドへ走ってくる佐藤にトスを出した。俺が今日、投げていた理由は、単純にピッチャーがいなかったからだ。なんか、落胆した気持ちにしかならない。

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