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日常で世界を変える(湯浅編)  作者: mei


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8月13日 新チーム

 バックネット裏から、直江のピッチングを見るのは、1年前以来だった。審判のストライクゾーンに納得していない直江の表情が曇っていく。結局3番バッターを歩かしてしまったのだ。ここまは、どう頑張っても回したくなかったところだ。先ほどの回にホームランを打たれている4番蒼井にしては、尚更だ。

 今日は、新チームになってから初めての練習試合だった。俺は、淮南高校である練習試合に先輩として、かけつけたのだった。また、野球がしたくなるから、あんまり来たくはなかったけど、監督の頼みということもありこうしてやってきていた。

 前チームは、投打においての中心が3年生だったということもあり、新チームは経験不足が露呈するんじゃないかという不安があった。どの部活動でもよくあることだし、仕方ないことでもあった。今年の夏がベスト4というところまで行ったのだから、余計大変だった。

 2年生のベンチ入りメンバーは、わずか4人だったし、俺たちと混ざって試合に出ていたのも2人くらい。アイツらがこれから結果を出せるのだろうか?

 新チームの中心人物は、エースの直江と3番ショートの足立、4番レフトの南だ。その中でも、今日はエースの直江のピッチングを注目していた。試合は、淮南高校からの攻撃だった。しかし、園田学院高校の山田に3回無安打7奪三振という結果になっていた。

 一方、期待していた直江はというと、序盤から園田学院打線につかまっていた。1回に味方のミスも重なり3点とられると、今度は2回に2本のホームランを含む4失点。そして、この回もツーアウトからヒット2本と四球で満塁というピンチを迎えていた。

 直江は、腕をダランと垂らしながら、キャッチャーのサインを見つめていた。バッターボックスには、4番の蒼井が入った。ここまで、2回7失点。序盤から自慢のストレートは、名門校の園田学院高校には全く通用していなかった。見せ球のスライダーやチェンジアップも逆方向に打たれるなど、なすすべがなかった。

 こんなところで、打たれたらもう立ち直れない。普段は、お調子者の直江だが野球に対しては、とても繊細だった。すると、次の瞬間、4番の蒼井の打球が飛んでいく。打たれた蒼井は、うずくまってしまった。すかさず、キャッチャーたちの内野陣が集まろうとしていた。監督は、ピッチャーを交代をつげた。マウンドから降りる直江は、まるでヤル気がなくなった小学生の様だった。

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