7月31日 期待
ベスト4に残っているチームは、道和高校、純新学園高校、白峰工業高校、淮南高校。明日は、決勝戦をかけて、それぞれがぶつかることになる。俺たちは、白峰高校戦。道和高校は、純新学園との一戦になる。大方は、白峰高校と道和高校が勝ち上がる予想だろう。
明日の一戦を見据えて、俺は、聖徳高校の永谷に連絡をとった。永谷から白峰高校の印象を聞いた。三好、武田の投手陣と河田、梅澤、村上のクリーンナップの打撃陣。点取るのも点守るのも一苦労だ。さらに、白峰には、中学校のチームメイトである丹生もいる。高校になってからは、全く連絡をとってないだけに楽しみもあった。
どっちにしろ、俺は明日投げられない。白峰高校の打線に対して先発予定の佐藤にかかっていた。佐藤が止められるのか?キャプテンとして不安でいっぱいだ。そんなこともあり、ブルペンに来て、佐藤と直江のピッチングを見守っていた。キャッチャーからボールを受け取った佐藤は、俺の方に近づいてきた。
俺 「調子どうだ?」
佐藤「フフフ。心配なの?」
俺 「そりゃあそうだろ」
佐藤「もう、あの時と違うから」
とても、自信に満ちた顔だった。
俺 「頼もしいな」
佐藤「お前は、決勝戦に備えてくれてたらそれでいいよ」
俺 「それは助かるな」
佐藤の横では、豪快に直江がストレートを投げ込んだ。
佐藤「聖徳の試合見てて思ったんだよ」
俺 「何を?」
佐藤は、グローブに入れていたボールを触りながら答えた。
佐藤「俺が投げなきゃって、、、」
俺 「カッコいいやんけ」
プレッシャーに落し潰されそうな佐藤は、もういなかった。
佐藤「明日は、俺が投げるきるから」
俺 「抑えるイメージはついてるのか?」
佐藤「いや、全く」
言葉とは裏腹に、不安そうには見えなかった。
俺 「そんなんで大丈夫かよ?」
佐藤「さぁな。でも、同じ高校生だろ」
俺 「その通りだ」
佐藤「試合する前から、相手をデカく見積もるのはおもんないだろ?」
俺 「あぁ。そりゃあ、そうだ」
"ラスト一球"。佐藤は、セットポジションから足をあげ、腕を振り下ろした。ボールは、右打者のインコース低めに決まった。キャッチャーの山名からの声が響きわたった。このボールが白峰打線に通じることができたらな、、、、。佐藤のピッチングに期待する自分がいた。




