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日常で世界を変える(湯浅編)  作者: mei


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7月30日 決着

 昨日の聖徳高校戦から一夜が明けた。選手たちの興奮も冷め上がらなかった。練習の雰囲気も選手の調子も最高潮に達していた。


 ー7月29日ー


 打席に立つと、ベンチやスタンドが遠く見える。監督のサインは、思い切って振れ。俺は、打席の中で、軽く振った。2死1.3塁。ここで打てなかったら、また流れが傾く。俺が打って1点をもぎとる。それしかない。

 マウンドの聖徳高校、田中は、とても疲れている様に感じる。そりゃあそうだろ。お前には、あと2年ある。ここは、譲れよ。先輩をたてろ。田中は、セットポジションに入り、キャッチャーのサインに頷いた。

 田中は、左足を上げ、グローブを上げる。俺は、バットを短く持ってタイミングを合わせる。その時、いろんな感情が浮かび上がってきた。佐藤や直江と思い切っり走り込んだ日々を思い出す。俺が怪我でマウンドに立てなかった時、佐藤は、プレッシャーで押し潰されて号泣していた。

 あれから、佐藤はマウンドに立ちたがらなくなったんだっけな?ただ、副キャプテンとして、佐藤を奮起させるしかなかった。本当は、もっと守ってあげたかったけど、佐藤以外のピッチャーが投げると、試合にならなかったからだ。田中の投げた球は、インコース高めに来た。これは、振れる。俺は、思い切ってバットを出した。

 野手陣では、副キャプテンの園山と何度もモメた。俺は、もともと練習量を増やしたいタイプだったが、園山は、量より質を求めるタイプ。部活だけでなく、勉強もしないと俺たちは大学進学ができない状態だった。それもあってか、気持ちで引っ張っていく俺の練習スタイルに、みんなついてこなかった。一方、プレースタイルや結果で示す園山の姿勢は、みんなからとても好印象だった。怪我で部活から離れていた期間は、園山がチームを支えていた。

 バットに当たったボールは、左中間に飛んでいく。レフトとセンターは、ボールを必死に追っていく。ピッチャー田中、キャッチャーの橋本もボールの行方を見つめた。俺は、とりあえず走り出した。怪我をしてから、園山が考えた練習方法や内容が正しかったことになんとなく気がついた。

 俺も園山もお互いを受け入れることは難しかったが、勝ちたい想いは、同じだった。それが実るかのように、"聖淮戦"が終わってから、少しずつ一つのチームになってきた。聖徳高校のレフト早川、センター山里は、途中まで全力で走っていたが、途中で足を止めてしまった。スタンドからの大歓声を聞きながら、俺は1塁ベースを踏んだ。

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