7月28日 明日への望み
俺たちは、明日の試合に備えて、ブルペンでバッテリーミーティングをしていた。集まっていたのは、山名、水上、佐藤、直江と俺を入れた5人だった。
俺 「どうだった?」
山名「前よりは、落ちてるかな」
俺の球速について、話をしていた。
俺 「そっかぁ」
山名「明日の聖徳強いからなぁ。抑えられたらいいけど」
疲労はないが、あまり抑えれるイメージはあった。
俺 「絶対抑えるから」
佐藤「俺に回すなよ、ハハハ」
山名と水上は、笑っていた。
山名「でも、逆に継投の方がよくない?」
俺 「それは、あるかも」
山名の言っていることはあながち間違いではない。小刻みに継投でつなぐのも一つの手かもしれない。
山名「聖徳は、橘、竹田、田中の誰かだろう。おそらく、2点はとれるけどそれ以上ってなると保証がない。だから、守が2点以内に抑えられるかが勝負の分かれ目だろ?」
聖徳高校は、俺たちより1試合少なく戦っていた。投打ともに充実しており、エースの橘は、4試合で失点なし。3番橋本、4番川中は、ともに1本のホームランを打つなど調子がいい。聖徳高校とは、新チームになってから、2度対戦しており2試合とも負けている。さらに、6月19日に行われた"聖淮戦"でも、敗北を味わっている。これ以上、負けるわけにはいかない。
【聖徳高校試合結果】
1回戦 取手高校 0対2 投手 橘ー竹田
2回戦 千川第二高校 0対9 投手 橘ー田中
佐藤「できるだけ、楽な展開で投げさせろよ」
俺 「お前が投げる間もなく、終わらしてやるよ」
後輩がいる前でひるんでいられない。
佐藤「頼もしいねぇ」
俺 「当たり前だろ」
佐藤「どういう戦略でいくんだ?」
俺 「今のところは、4対2ぐらいのスコアでもっていきたい。俺が7回2失点で、後は佐藤が2回抑えるのが大まかな流れだ。後は、向こうの打線だな」
横からノックのボールが飛んできた。
佐藤「橋本、川中の前にランナーは出したくない。でも、山里と八幡のバッティングもいい。むしろランナーを出さない方が難しい」
1年の前川がボールをとりにきた。
俺 「お前のいう通りだ。山名にはさっき言ったが、6人で1イニングを抑えるイメージの方が俺たちに合っている」
佐藤「となると、球数がかさむな」
俺 「最悪、直江の出番もあるだろう」
怪我もしてるし、コイツには来年もある。今は、無理をさせたくない。直江の顔を見ながら思っていた。




