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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第1章 M期 
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第9話 再開


 クソッ! ドーナツの味が……ドーナツの味が……ここまで味覚障害を辛いと思った日はないぞ! この18年間のうち最も不幸な出来事ランキングだんとつで1位だ!


「元気出しなさい私の分あげるから」


 グハッ……マイマザーよ……それは追い討ちです。その時……


「あっ! カレー粉の娘だ!」

「ん?」


 小学生高学年ぐらいの少女もといカレー粉のお姉ちゃんがそこにいた。


「あっ! カレー粉のお姉ちゃんだ!」

「ティル知ってるの?」

「うん。この前カレーの粉が届かなかった時に取ってくれたお姉ちゃんだよ」

「よく覚えててくれたね」


 まあこの体唯一の利点である記憶力ですから、1度見れば覚えますから。


「ティルちゃんって言うのね。今いくつなの?」

「今12歳だよ」

「え? お姉ちゃんに嘘はいらないよ」

「ホントだよ?」

「お母様? ホントのところは?」

「12歳よ? 来年中学生よ?」

「ええっ! ……嘘」


 まあ、普通こんな幼女が12歳なんて思わないよな、どう見ても7歳くらいだもんな…実際は18だが……


「同い年だったなんて……じゃあ3学期に転校してくるんですか?」

「しないわよ。やることがあるから。学校にいくのは中学生になってからね。あとこっちはティナでティルの双子の姉よ」

「双子!? 身長違いすぎるでしょ!」


 まあそうだな……でも世の中にはそういう病気もあるのだよ……TS病っていう薬を飲むことでなる病が……


「そういえば名前」

「ああ、言ってなかったね。私の名前は田辺雪奈(ゆきな)よ。雪奈って呼んで、よろしくね。ティナちゃんティルちゃん」

「よろしくね雪奈お姉ちゃん」

「よろしく雪奈さん」

「グッ……(双子なのに違いすぎない! しかもお姉ちゃんって!)」


 中学生になったら雪奈お姉ちゃんにたくさん甘えよう。以前からいいなと思ってたんだよ♪


「そろそろ行かないと……じゃあね。ティナちゃんティルちゃんまた今度」

「じゃあね~」

「また今度な」

 

 まさか同い年だったとは……次は中学校かな?


「じゃあ帰ろっか」

「そうね……(ドーナツ忘れてくれてよかったわ)」


 さて夕飯ですね。まあ味も匂いもしませんが…


「焼き肉だぁー! ヒャホゥー!」


 頭が壊れたんじゃないかと思うぐらいにまでハイテンションなティナ。こっちのご飯の楽しみなんて食感だけですよ。シャリシャリかパサパサかとかそんなもんですよ。今日は買って貰ったイルカと寝よ……

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