第5話 発覚
ティナを家に送りそのままボクと母さんは母さんの働く研究所に向かった。研究所に行くことは何度かあったのですぐに着いた。そこにはいかにも怪しいおばさ……お姉さんもとい、母さんの友人の伊東さんがいた。
「恵おはよう……誰その可愛いロリ幼女は?」
「おはよう圭、この娘は私の娘でティルっていうのよ」
「ああ、あの薬の……にしてもずいぶん可愛いくなったね」
薬!? まさか盛ったの? 実の息子たちに盛ったの?
「取り敢えず中に入りましょう。ティルちゃんは可愛いねほれほれ~」
まあ、あの母さんの友人だし変態であると思ってたさ。諦めよう……
「恵今日はどうしたの? 異常でもあった?」
「そうなの……この娘味覚がなくなっててね。ちょっと検査しに来たの」
「わかったわ。ティルちゃん奥の部屋に行こうか」
この後色々な検査をされました。血液検査や身体測定はもちろん他にもたくさん受けました。でも料理や掃除、洗濯をさせられたのは雑用のような気がする。ボク家事したことないのに……
「検査結果が出ました」
「結果は?」
「……味覚障害の他に嗅覚障害があったよ」
「そう……」
「でも普通の人間じゃあり得ないところもあったの」
「え? 何々?」
超ハイテンションで聞く母さんボクが研究対象にしか思われてない気がしてきた……
「それが……記憶力の能力だね。ティルちゃんは1度見ただけで完璧に記憶してます。記憶力に関しては薬が出来てるので研究対象にはできませんね。あと、料理がプロ並みにおいしいかったです。ごちそうさまでした」
この人なんで人を研究対象で見てるの! 母さんもなんとか言ってよ!
「そう……残念ね」
「「え?」」
「冗談のつもりだったんだけど……」
冗談でも言わないで欲しい……っと言うか母さん? 今のは?
「やだ冗談に決まってるじゃない。オホホ……」
胡散臭いけど自分の母さんに変わりないし幻滅したくないからこの話に乗っておこう。
「そ、そうだよね。じゃあティナも待たせてるしはやく帰ろ」
「そうね、じゃあね圭また明日」
「恵もまた明日ね。あっ……そうだったティルちゃんは炭酸飲むと酔うから気を付けてね」
「わかったわ」
そうしてボクたちは研究所を出た。にしても味覚障害は予想ついてたけど嗅覚までそうだったとは……伊東さんボクの料理がプロ並みとか言ってたけどボク味覚ないし、クソだわ。