第4話 異常
さてK◯Cのフライドチキンを食べますか。
パクっ……
あれ?味がしない。
「ねえ母さん?」
「ママって呼んで」
「ねえママ?」
「な~にティルちゃん?」
何かすごい苛つくが無視しよう。
「味がしないんだけど。これって食べて大丈夫?」
「え? どれどれ?」
パクっ……ムシャムシャ……ぐちゅぐちゅ……
効果音汚いな……
「別に普通だけど、ちょっとこれ食べて見て」
そう言って渡されたコンソメ味のポテト。
今どこから出した?
「これ味なくない?」
「…………」
「え? 何? どうしたの?」
「ティル後で一緒に研究所に行きましょう」
「なんで研究所? 病院でよくない?」
「ダメよ。お金がかかるし保険証もないんだから」
母さんの職業は遺伝子を研究する生物学者だ。だから研究所に行けばお金がかからないというのも納得できる。ん? 母さん職業……遺伝子? 突然の転勤、あの時の全てを知っていたかのような顔、これは……
「ねぇ母さん」
「ママ」
相変わらずめんどくさいな。
「ねぇママ」
「なに?」
「ボクたちを女の子にしたのってもしかして……」
「あら、もう気づいたの? ティルは相変わらず勘が鋭いねティナがいなくてよかったわ」
「どういうこと?」
「後で話すからティナには内緒にね」
「ん? 俺がどうかしたか?」
トイレから帰って来た何も知らないティナ。
「ティナ言葉使いが汚いよ」
「いいだろ俺は男なんだから」
「何言ってるのティナ、ティナは女の子よ」
これはTS小説で必ず起きるイベントじゃないか……何故ボクには起きない。
「それはティルを女の子のように育ててきたからよ」
「心読まないで!? あと何平然と男の子を女の子のように育ててるの!」
「そうだティナこれ食べて」
「何こr……むぐ!」
実の息子にポテトを突っ込む母親、今のうちに全部食べしまおう……ちなみに母さんは食べ終わっていた。はやくね?
「これ美味いな」
「やっぱり……」
あっ……これあれだ味覚なくなったヤツじゃね?
こっちを見てくる母さん。何が言いたいのかわかったので首を縦に振っておく
「ティナこのあとティルを病院に連れて行くから家で待ってて」
「なんで病院? まあわかった。」
「さあ帰りましょう」
病院じゃなくて研究所だろ……
「俺……まだ食べてないんだけど……」