第2話 二人の名前
「それはどうしたの?」
「だから智也」
なんかこれ以上聞いたらあんな風になる気がする。
「それよりあなたたちの戸籍と今後なんだけど…新しく戸籍作っちゃった♪」
……え?
「はいこれあなたの分」
ドサッ……
「おい」
摘まんでいた兄貴を転がし、1枚の紙を渡してきた。マイマザーよ、あなたさっきまで兄貴と話してなかったか? いつ行ってきたの?
とりあえず紙を見ると
氏名 神戸 ティル 12歳 性別 女
誕生日 12月25日
と書かれていた。
……うん。性別はそんな気がしてた。でもこの年齢と名前は?
「あなた自分のことまだ見てないでしょ。あなたの顔そこに転がっている智也と全く同じよ。違うところなんて目の色が紫色なところだけよ。体はあなたの方が幼女感溢れてるわよ」
え? これと全く同じなのか見た目はなかなかザ・12歳で可愛い感じだな♪……って違う!
「何幼女って!? あとこの名前は!」
「名前はその場で思い付いたからよ。ちなみに智也はティナにしたわ。鏡見てきなさい」
仕方ないので洗面所に行くとそこには、銀髪で紫色の目を持つ幼女がいた。
「ファッ!?」
「幼女でしょ?」
「幼女だね」
「ママの性癖は何か知っている?」
「うん! 変態!」
あれ? これってヤバくないっすか。
変だな未来が見えるぜ☆ 未来予知でも覚えたのかな?
「さぁお風呂に行きましょうか?」
Oh……
たっぷりと遊ばれました。え? 入浴シーン? ないよ。そんなの見て何が楽しいの? リビングに戻ると気絶してたやつが起きた。ストレス溜まってるし、少しからかってやろう。
「お姉ちゃんおはよう♪」
「……可愛い」
「!?」
ヤバいぞまさかの変態が増えてる。母さんに毒されてるのか?
「ほらこっちおいで、お兄ちゃんと遊ぼ!」
行ったら終わる……というか今お兄ちゃん言ったな、ということはまだ現実を見てなさそうだ。自分でも信じられない現実を教えてやろう。
「何言ってるの? お姉ちゃん、お姉ちゃんは女の子だよ?」
「は? 俺は男だぞ」
「どうしたの? 今日のお姉ちゃん変だよ。ママに見てもらったら?」
何かリビングの外から水が垂れる音がした。
きっとあの変態だな。