あいの彼方
そんな彼は、女性によくもてるひとだった。
自分でも1000人切りというとんでもない数を言うのであった。
よくも、まあ、そんなことを!
わたしなんて、一人だけだよって。
彼氏とは三年。
全く結婚のけの字もでないまま三十路を迎えてしまった。
さあ、どう人生プランを立てようか、どうにもこうにも、わたしの一存では決めれないというミステイク。
出てくるワードもおばさんだ。
こんなこんなでこの仕事も8年目。
うん、いいよね、私このままでいいよね、と自問自答の日々。
YuTubeでお坊さんの説教を見て夜中に、しくしく泣く日々。
そんななかでの、彼との出会いだ。
当然、テレビで出てくる山崎けんたとかそんな類いのきらきら男子とは一生付き合えない、お先真っ暗のいなか育ちの人生ちゃん。
これはこれは、と獲物にするわけでもなく、ただただ、通り過ぎた秋もようの季節なだけであった。
そう、あれは、かけがえのない夢のようで地雷のような出会いだった。
だってあの人初め、キャップを被ってまるでラップでも今から始めますと言い出しそうな格好でいたのだから。
私は編集者で帰りはよく遅くなった。
彼は2こ年下の男の子。
もう、うんざりだった仕事に毎日吐き気に襲われていた。
けど、彼は編集者のかけはしだというのに、何そのちゃらめな格好は?!
度肝を抜くような野球帽子にスタジャン、腰パン、にたにた上の上司と飲み会に行こうと話してて渋谷か原宿から来たよう、yo!ってな感じの出で立ち。
まさかそんなやつが、私とすれ違うだけの関係だけにならないとは思いもよらなかった。