転移場所
さあ、転移された主人公は一体、どんなところに飛ばされたのでしょうか…?
……あれから少し時間がたった。
暑いな…もう着いたのだろうか……
そっと目を開けてみる。
「おお…!」
思わず感嘆の声がでる。
なぜなら、そこには広い草原とかなり大きな木があったからだ。
「最初の場所的には最適だな。だが…」
俺はその先を言いたくなかった。というか、その現実から目を背けたかったからだ。
「水が…無い……」
そう、水が無かったのだ。一番必要性がある物が無かったのだ。
確か人は水さえあればニ.三週間は生きていられると聞いたことがある。だが、逆に水が無ければニ.三日で死に至るという。
しかもここは過去だからか、来る前は冬だったのに今は驚くぐらいに蒸し暑い。
もしかして……夏なのだろうか。
そうなると水分が一気に奪われてしまう。
というか既に結構奪われている。
「やばいな…どうしようか……」
周りを見渡す。しかし、そこには緑色の光景が広がっているだけで水色の液体は見えない。
このままだと死ぬ…
そう思った瞬間、一気に恐怖感に襲われた。
死ぬ…死ぬってどんな感じなんだろうか。
孤独感に襲われ、生き地獄を味わい、そのまま身体が枯れて死んで、遺体が腐って、アリやムカデが来て身体を貪り、ウジが湧いて……
もうやめよう…流石に気持ち悪い……
「………歩くか…」
吐き気が収まらないまま前進する。
歩くのもままならない程気持ち悪いが一刻も早く水を探さなければ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そろそろ三十分たっただろうか。
時計が無いから不便だな。
ちなみに吐き気は流石にもうなくなった。
だがやはり蒸し暑いのは変わらず、水分がどんどん体内から無くなっていく。
早く…見つけなければ……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一時間たった…のか?
いや、そうじゃなくても、もうそろそろやばい。
マジで死にそうだ。冗談じゃなく。
これが生き地獄というものなのか…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
や…ばい……
身体が………動かない……
もはや…じか……んなんて………気にして………られな…い……
は……やく……み……ず……を………
バタッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜主人公終了のお知らせ〜