純粋とマイペース
「瞬おはよー」
「ああ、おはよう」
翌日、まだまだ新鮮味のある通学路を歩いていると背中をぽんと叩かれ海に声をかけられた。
「なあなあー凛さんと一緒に登校しないの?」
早速疑問をぶつけられた。てか、周りに凛さん・・・いないや。よかった。
「昨日は一緒に登校したけど今日は一緒じゃないよ」
「ほうほう」
「一緒の方が良かったのか?」
「きっかけにはなるから一緒だったらいいなあって」
「へえー」
こいつ、嫉妬しないのか?そんなことを思いながらなにげなく携帯を見た。すると丁度のタイミングで凛さんからLINEが来た。
【私メリーさん、あなたの後ろにいるの】
いやいやいや、なにしてんのこの人。振り返ってみると凛さんがにたにたしながらこちらを見ていた。そしてまたLINEが来た。
【私メリーさん、あなたの真後ろにいるの】
もういいよ!内心凛さんにつっこんだ。
俺はしぶしぶ返事を凛さんに返す。
[なにしてんですか。分かりますよそれぐらい]
数秒して凛さんから返事が来る。
【えー。もうちょっと反応おくれよ〜。てかその子誰?】
げ。思わず俺は海の方をみた。当の海はん?と不思議そうに首を傾げている。
[最近話してる人。]
【そーかそーか!友達できたのね!よかった】
いや俺だって友達できるし・・・。ひ、人見知りだっただけで。
[てかなんで凛さんひとりなのさ、友達と一緒じゃないの?]
俺はあまりその話題に触れたくないので別の話を振った。
【いやそれが友達全員と交通手段違うんだわ。電車、バス、送迎ってな!】
なんか・・・同情したくなるな。
「ねーねー瞬。もしかして凛さんとLINEしてる?」
多分ほっとかれたからだろう、海が話しかけてきた。ちょっとしょぼんとした顔で。
「まあ、そうだよ」
「後ろにいるのに?」
「そういう人なんだよ。」
「なんかますます興味が湧いてきた!」
すごくキラキラした目になってる。やばい、こいつすごく純粋なやつや。
「なあ海」
「ん?」
汚れのない目がこちらに向く。
「お前さ、よく純粋って言われない?」
うーんと考えて答えた。
「言われるよ、どうして?」
「いや、なんとなくだよ」
やっぱりなと思いながら俺は凛さんにどんまいですと返し携帯をしまった。
投稿していないものも含め四つ書いています。そのおかげでどれも地味にしか進んでいないという・・・