予想外と恋
え・・・?
「いや、え?凛さん、俺が尾無しなの分かってますよね?」
「わかってるよー」
「そんな俺に尾有り探せると思います?」
「うん」
凛さん即答しちゃったよ・・・!
ちなみに尾有りとは尾値踏み師の一族ではなく、一般(つまり尾が見えない人)のところに生まれる尾が見える人の事である。なぜ俺には探せないのかというと尾値踏み師や尾有りなど尾が見える人は必ず服を着ても見える位置に狐を象ったマークがあるらしい。都道府県で個性が別れるみたいだ。俺は見たことないからよく分からないけど・・・。
「・・・で、どうやって探すんですか?」
凛さんはそう問われるとにぱあっと笑った。なんかすごく嫌な予感がする。
「あのね、尾無しの人はね、必ず初恋は尾有りの人なんだって。瞬は初恋まだでしょ?もしかしたら高校で見つかるかなって。」
なんだそれ・・・初めて聞いたよ。幸子おばさんに尾無しの事は何度も聞いたけどそんな話してなかったぞ?
「それ本当?」
俺がそう聞いても凛さんはにぱあっとした笑顔のまま言う。
「本当だよ、今までの尾無しの人の初恋は1度たりとも一般の人じゃなかったの。ちゃんと調べたよ。」
変なとこで凛さんって好奇心旺盛・・・。てか、この方法で探せるとしたら俺探知機みたいな感じじゃん・・・なんかやだなあ。
「大丈夫、ちゃんと愛はある。」
「心読まないでくれます!?」
「いや、なんとなくそんなことかなって思ったんだよ。ちなみに尾無しの人はそのまま尾有りの人と結婚した人もいるし、一般の人に婿入りした人とかいるしその後は様々だよ」
「最初だけなんですね」
「そう、最初だけ!なんか不思議だよね~」
ふと、目の前を見ると俺の入る高校、青島高等学校があった。俺と同じ初々しい緊張気味の一年生やそんな一年生にちょっかいをかける二、三年生が玄関に入っていくのが見える。俺もなんだか緊張してきた。新しい環境で果たしてうまくやっていけるのかと今更ながらに不安がこみ上げた。そんな俺を知ってか知らずか凛さんはぽんっと優しく肩をたたいて言う。
「学校ついた。じゃ、また放課後ね」
「あ、はい」
自然な笑顔で俺の不安をさらいながら凛さんはひと足早く玄関に駆けていった。
いよいよ俺の高校生活が始まる。
どうも隼です
冬休みになり、大学探しを始めました。
やっぱり学力は大事なんだと痛感しました。