表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/29

隊商

主人公が現在地とモンスターの情報を収集しつつ最初の村へと向かいます。


異世界で初めての戦闘(と言っても戦ったのは蓮華だけだけど)を終えた直後、蓮華の倒した飢狼犬は光の粒子となってあたしの身体に吸い込まれて行き、あたしが脳内に響いた硬貨がぶつかり合う様な音を頼りに意識を集中させてみると所持金2000ヴェール(ヴェールは「武具乙女」で使用されている通貨単位)と言う数字が脳内に浮かんだ。

それを確認したあたしは試しに自分のステータスを見て見ようとしてみると、自分のステータス(予想していた通り、HPや部隊編成表なんかはあったが、攻撃力やアビリティの表示は存在していなかった)を確認する事が出来た。

こうして取りあえず自分の現状を確認出来たあたしと蓮華は再び街道を歩き始め、飢狼犬や草子鬼(「武具乙女」に出てくるゴブリンみたいな奴でアイコンでは可愛い外見だったけど現物は大人の男性くらいの大きさで見た目も典型的なゴブリンその物だった)や草鬼(草子鬼の強化版でコイツは更にデカかった)の襲撃を蓮華に蹴散らして貰いながら旅路を続けた。

四度目の襲撃を撃退したあたしと蓮華が街道脇で小休止をしていると大型の馬車4両で構成された車列と遭遇し、車列を指揮していたきっぷの良いお姉さんから乗らないかと言われたあたしはその言葉に甘えてお姉さん、マリーさんが乗っている馬車に乗り込む事になった。

「……ふーん、女の子二人での旅ねえ、御苦労な事だねえ、態々海を越えてこのイバンに来るなんて」

あたしの説明(必殺・遠い国から来たのであまりよく分かりません作戦)を聞いたマリーさんは穏やかに笑いながら声をかけてくれて、それを受けたあたしは頷きながら言葉を返した。

「はい、まだ到着して日も浅いのでここイバンの事もあまりよく分かっていません、良かったら教えて頂きますか?」

「ああ、構わないよ、それじゃあどの辺から話そうかねえ……」

あたしの言葉を受けたマリーさんはそう言いながらあたしが今いる場所、イバン(ゲームでは未登場の国名だった)の事について教えてくれた。

イバンと言う国は七王大陸(七つの国で構成されている事からイバンの人々がそう呼んでいる、七つの国のなかには「武具乙女」に登場したベルト国の名もあった)の西方海域に存在する島国で、3つの大きな島、王都イバンポリスの存在する最大の島イバン島にその島の北方に位置するノルトブルク島、そしてイバン島の東に位置して七王大陸との主要な玄関口となっているオストブルク島(あたし達は現在この島に居る)とイバン島南方海域に存在する20以上の小島で構成された群島、サウスブルク群島がその領域となっている。

現在あたし達のいるオストブルク島はイバン王国が三分の二を、残る三分の一を有力諸侯の一つであるオストブルク公爵家が統治していて、今あたし達がいるのはオストブルク公爵家領に属するとの事であり、マリーさんはオストブルク島最大の港湾都市オストブルク(王国領)を拠点としている隊商の責任者で行商の最中にあたし達に出会ったとの事だ。

「マリーさん達はどこに行くんですか」

「レパント村だよ、と言っても小さな村だから他国の人には分からんだろうね」

マリーさんの説明を聞いたあたしがマリーさんに目的地を聞くとマリーさんは街道の先の方を示しながらそれを聞いたあたしが頷いた後に今度はモンスターの事について話を聞いてみると快く教えてくれた。

この世界のモンスターはその脅威度によって大き6つに別けられている。

町の近辺で遭遇するのが害獣級で飢狼犬や草子鬼なんかがこのタイプに属している。訓練を積んだ者やハンターなら問題無く倒せるけど心得の無い一般人には脅威であり、見かける場所が町や村に近い為、小さな町や村なんかは結構その動向に神経を尖らせていたりする。

その害獣級の上位種やより強力なモンスターがカテゴライズされるのが魔獣級、あたし達が遭遇してきたモンスターの中だと草鬼がこれにあたり、かなりの手練れで無いと1対1で戦うのは厳しいとの事だった。蓮華は草鬼もあっさり斬り捨てていたのでレベル2の状態でも相当に戦闘能力が高いみたいだ。

魔獣級の上位に当たるのが凶獣級、熟練したハンターでも危険でパーティーによる討伐が推奨されるモンスターでデュラハンとかヒュドラなんかがカテゴライズされている。

そして凶暴を上回るのが超獣(バキシ○とかベロクロ○とかじゃ無いよ)級、コイツは単独のパーティーでは討伐が困難な為、討伐するなら複数のパーティーによる討伐が必要な奴だそうだ。

そして、超獣級すらも上回るのが準災害級、このクラスが出現した場合は国が対応にあたる程の奴で七王大陸にある国の一つマダの森の奥深くにて半休眠状態にあると準災害級の六眼龍はただ寝ているだけにも関わらずマダの軍と魔導院によって厳重な監視及び警戒態勢が敷かれているそうだ。

寝ているだけで一国を戦慄させる準災害級、それすら凌駕する存在が災害級、コイツは人が抗える存在等では無く、もしも討伐するなら複数の国が戦力を磨り潰す覚悟が必要でそれでも討伐出来るか怪しい存在(ゴジ○とかキングギド○みたいな奴だと思う)だと言う事だ、それを聞いたあたしは出来るなら超獣級より上の連中にはなるべく関わりあいにならない様にしようと固く心に誓うのだった。

あたしはそんな風にしてマリーさんからイバンやモンスターの事について話を聞いて行き、そうしている内にどうやらマリーさんはあたしが貴族の箱入り娘(マリーさんから鏡を借りて確認してみると確かに外見が高校生ぐらいになっていた)なのだと結論づけたようだった。どうも今まで行った質問の内容が余りにも一般常識な内容に偏っていた様だ。

「……まあ、根掘り葉掘り聞いたりはしないから頑張りなよ」

「はい、ありがとうございます」

マリーさんにそう言われたあたしが笑顔で言葉を返すとマリーさんは大きく頷き、その後に前方を指差しながら言葉を続けた。

「ほら、見えて来たよ、あれがレパント村だよ」

そう言われたあたしがマリーさんの指差す方向に視線を向けると、街道の先に集落の姿が望遠され、あたしはそれを確認した後に傍らに座る蓮華に声をかけた。

「結構距離があったね、あのまま歩いてたら日がくれてたね」

「そうですね、良い方々に出会えましたね」

あたしの言葉を受けた蓮華はだいぶ傾き始めている陽射しを確認しながら返答し、あたしはその言葉に頷きながらだんだんと大きくなってくる集落、異世界で初めて訪れる事になる村、レパント村を見詰めた。



異世界に訪れたあたしは隊商と出会い、隊商からこの世界の情報を収集した。そして隊商の馬車に分乗して異世界に来て最初の村へと移動した。

あたしと蓮華が初めて訪れた異世界の村、その村の名はレパント村……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ