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ハンターギルド

ブックマークが70件を突破しました(^O^)これからも本作を宜しくお願いします。


城門を通過したあたし達の目の前には傾きかけた陽射しに包まれるリッサの町並みが広がり、通りの傍らではあたし達の前に入城していたリーゼさんとミリナさんが待っていてくれた。

「お疲れ様、やっぱり少し時間かかっちゃったね」

ミリナさんに声をかけられたあたしは頷く事でそれに応じ、その様子を見ていたリーゼさんが前方を示しながら口を開いた。

「……ハンターギルドに向かうのだろう?私達も採取の報告をしなければならないから、案内しよう」

「ありがとうございます、宜しくお願いします」

リーゼさんに声をかけられたあたしは笑顔と共に答え、あたしの答えを聞いたリーゼさんとミリナさんは笑顔で頷いた後にあたし達の案内を始めてくれた。

リーゼさん達と会話をしながら暫く進んで行くと、前方に2階建ての石造りの大きめの建物が姿を現し、ミリナさんはその建物を指差しながら口を開いた。

「見えてきたよ、あの建物がハンターギルド、リッサ支所だよ、この辺だと唯一のハンターギルドだよ」

ミリナさんはそう言うとリーゼさんと一緒にドアを開けて中へと入って行き、それを確認したあたしは蓮華達と頷き合ってからドアを開けてハンターギルドの中へと入っていった。

ハンターギルドの中は職員とおぼしき人達が座るカウンターとその前に幾つか置かれた木製のベンチと壁にかけられている依頼書みたいな紙が幾つか貼られた掲示板と言う銀行か役所みたいな印象の内装で、某狩猟ゲームみたいに酒場が併設された騒がしいギルドを想定していたあたしが少し拍子抜けしまっているとリーゼさんがカウンターの右端を示しながら声をかけてきた。

「ハンターの新規登録はあそこだ、登録を申し込んでから紹介状を見せれば登録して貰える筈だ」

「分かりました、それじゃあ行ってきますね」

「頑張ってねリリカちゃん、私とリーゼは採取した夜菊の納品とあの襲撃の事を報告してくるわ」

あたしがリーゼさんの言葉に応じているとミリナさんがカウンターの左端を指差しながら声をかけてくれ、あたしは頷いた後に蓮華達と共にカウンターの右端へと移動してそこに座っているまん丸眼鏡と猫耳が印象的な落ち着いた雰囲気のお姉さんに声をかけた。

「あの、すみません」

「はい、いらっしゃいませ、こちらは新規登録の窓口になりますが宜しいですか?」

あたしが声をかけると受付のお姉さん(制服の名札にリーリャって書いてあった)は笑顔で応じてくれ、あたしは頷いた後に紹介状を取り出しながら言葉を続けた。

「登録についてなんですが、レパント村で隊商を率いているマリーさんから紹介状を書いて貰っています」

「隊商を率いているマリーさん……って★★★ランクのマリーさんの事ですか!?」

あたしの言葉を受けたリーリャさんは驚きの声をあげながら紹介状を受け取り、封筒と蝋封を確認すると立ち上がりながら言葉を続けた。

「失礼します、紹介状を確認してきますので少々御待ち下さい」

あたしが頷く事でそれに応じるとリーリャさんは丁寧に一礼してから後方の机で書類を見ていた上役っぽい人の所へと歩き始め、それを確認したあたしは蓮華達と一緒に近くのベンチに腰を降ろしてリーリャさんの帰りを待つ事にした。

リーリャさんに封筒を渡された上役っぽい人は蝋封を外して紹介状を取り出して拡げ、暫くそこに記されいるマリーさんの文字を見詰めた後にリーリャさんに頷きかけた。

上役っぽい人の頷きを確認したリーリャさんは頷き返してからカウンター席へと戻るとあたし達に向けて笑顔で頷きかけ、それを確認したあたしはベンチから腰を上げてリーリャさんの所へと移動した。

「お待たせしました、紹介状の確認が終了致しました、通常でしたら審査を行うのですが紹介状がありますのでそれについては免除させて頂きます、これより皆様のハンターカード制作に入りますので御名前を確認させて頂いても宜しいでしょうか?」

リーリャさんの言葉を受けたあたし達は頷いた後に各々が名前を告げ、それを聞いたリーリャさんは手早く4枚のカードを制作してあたし達に手渡してくれた。

あたし達がカードを受け取ると手の中のカードが一瞬だけ淡く輝き、それを確認したリーリャさんは笑顔で頷きながら口を開いた。

「これでハンターカードは完成です、カードに皆様各々の生命波を読み取りましたので他者には使用出来ない様になっております、ただ、皆様は登録されたばかりの為ルーキーランクとなっております、ハンターランクを上げていけば街の様々な施設を利用可能になりますので頑張って下さいね」

「はい、ありがとうございました」

リーリャさんの言葉を受けたあたしは頭を下げながら御礼を言い、リーリャさんが笑顔で頷いていると上役っぽい人が近付いて来て口を開いた。

「お疲れ様です、ハンター登録とハンターカードの制作はこれで終了です、ですが別件で質問したい事があるので別室に来て頂けないでしょうか?」

上役っぽい人の言葉を受けたあたしがリーゼさんとミリナさんがいる方に視線を向けるとリーゼさんとミリナさんが別室へと向かっている所で、それを確認したあたしが上役っぽい人の所に視線を戻して頷くと、上役っぽい人は丁寧に頭を下げてからあたし達を促して歩き始めた。

あたし達が上役っぽい人に案内されてリーゼさんとミリナさんが入った別室に入ってみるとそこは大きなテーブルとソファーが置かれた応接室みたいな部屋で、あたし達が既に腰を降ろしているリーゼさんとミリナさんの隣に座ると上役っぽい人はあたし達の前に座りながら口を開いた。

「私は当支所の副支所長を務めておりますホトと申します、先程リーゼさんとミリナさんから報告された作為的なアンデッドの襲撃に貴女方も遭遇されたとの事でしたので御話を伺わせて下さい」

上役っぽい人、副支所長のホトさんの言葉を受けたあたしは昨夜のアンデッドの襲撃の事(オストブルク家の家紋が印されたブローチの事を除いて)をホトさんに伝え、それを聞いたホトさんは顔をしかめて頷きながら口を開いた。

「明らかに作為的な襲撃ですな、実は先程王国東方魔導局から禁忌を犯して逃亡した骸操士2名の生死を問わない捕縛要請が来たばかりなのです、どこに逃走したのかは不明との事でしたがどうやらこちらに逃走してきた様ですね」

ホトさんはそこで一度言葉を区切り、申し訳無さそうにあたしを見ながら言葉を続けた。

「この話は当ギルドより町の自警団やオストブルク第三騎士団にも伝える予定ですので襲撃を受けたリリカさん達にまた御話を伺う時が来るでしょう、ですから暫くはこのリッサの町で滞在してもらう事になると思いますが御了承下さい」

「大丈夫です、元々ハンターになってから暫くはこの町を拠点に活動する予定でしたから」

ホトさんの問いかけを受けたあたしは頷きながらそれに答え、ホトさんは安堵の笑みを浮かべて頷いてから更に言葉を重ねた。

「それは幸いです、宿が決まったら当ギルドの職員にその事をお知らせ下さい、今日はこれまでです、お疲れ様でした、御話を伺いたい時には宿に言付けておきますのでそれまでは気兼ねなくハンターとして活動して下さい、ただし遠出する際にはその事を御伝えして頂きますが」

ホトさんの言葉を受けたあたしは笑顔で頷き、それを確認したホトさんは笑顔であたし達に退室を促してくれた。

「お疲れ様、リリカちゃん、それとハンター登録おめでとう、皆」

「おめでとう」

「ありがとうございます、ミリナさん、リーゼさん」

退室するとミリナさんとリーゼさんが笑顔であたし達のハンター登録を祝福してくれて、あたしが笑顔でそれに応じるとミリナさんが笑顔で更に言葉を続けた。

「それと宿についてなんだけど私達オススメの宿を紹介しても構わない?」

「はい、もちろんです、どんな宿なんですか?」

ミリナさんから告げられた話はあたし達にとって渡りに舟な話で、あたしが勢い込んで応じるとあたしとミリナさんの会話を聞いていたリーゼさんが笑顔で口を開いた。

「ファレノプシスと言う宿だ、リリカの故郷のベルト国にカトレア亭と言う女性客メインの宿があってそこに泊まった事がある創業者がそこを参考にして三年前に設立した宿なんだ」

「女性客がメインだから内装とかも可愛くて、値段も手頃で料理も美味しいんだよ」

「素敵な宿ですね、でもそんな宿ならこの時間はもう一杯になってるんじゃ無いですか?」

リーゼさんに続いてミリナさんが宿の詳しい説明をしてくれて、その優良物件ぶりと現在の刻限を考えたあたしは懸念の声をあげたけどリーゼさんはゆっくりとかぶりを振りながら口を開いた。

「ここイバンは大陸に比べれば女性ハンターが多いがそれでも宿を使うのは男性が多い、ファレノプシスの料理はたしかに美味だが量は程々で程好い料金とは言っても格安の宿と比較すればやはり高い、つまり余程の事が無い限りは泊まる事が出来るのでそれもこの宿の利点だ、現在私とミリナは空き家を買い取ってそこで生活しているがそれまでは良くファレノプシスを利用していたよ」

リーゼさんの説明してくれた事情はモンスターの出現頻度が高いこの世界ならではの物で、あたしは日本とこの世界の違いを実感しながらその宿を利用する事にした。

こうして今宵の宿を決めたあたし達はその事をリーリャさんに言付けし、それからリーゼさんとミリナさんに教えて貰った宿ファレノプシスに向かう為にギルドを後にした。



初めての町リッサ、その町のハンターギルドを訪れたあたし達は昨夜の襲撃の真相の一端を垣間見つつハンターとしての登録を終えた……

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