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不死の襲徒

今後も本作を宜しくお願い致しますm(__)m

街道脇の小屋での野営、その最中にミリナさんとリーゼさんと言う2人のハンターも訪れ、今あたし達は彼女達と共に眠りについていた。

現在あたしはリーゼさんが持っていた魔照明器(光亀と言う亀の甲羅を利用しているそうだ)に照らされる室内で不寝番(あたしもやると言ったら蓮華達は相当難色を示したけど押し切った)として椅子に腰かけて寝息をたてている皆を横目に見ながら眠気覚ましの紅茶を啜っていた。

毛布に包まった蓮華達は安らかな寝息をたてていて、あたしは何時もとは異なるあどけない蓮華達の寝顔に思わず頬が緩まるのを感じながら紅茶を啜った。

紅茶を飲み干したあたしは椅子から立って空になったカップを片付け、それが終了した後に再び椅子に腰かけてこの世界に来てから今までの事を思い起こし始めた。

(……殆ど無一文の状態でこの世界に来ちゃったけど蓮華や一美、信姫と出逢えて、マリーさんみたいなとても良い人達とも出会えた、あたしは凄く運が良いだろうな)

あたしがそんな事を考えながら蓮華のあどけない寝顔に視線を向けた刹那、あたしの脳裏が此方に向けて害意を持って近付いてくる複数の気配を察知し、それを察知したあたしは急いで立ち上がりながら皆に向けて警報を発した。

「皆、起きて、此方に何か近付いて来てるよっ!!」

あたしがそう言った瞬間、蓮華が弾かれた跳ね起きて、それに続いて他の皆が飛び起きる中妙法蓮華経を手に取りながら口を開いた。

「リリカ様、如何なさいましたっ!?」

「此方に向けて近付いて来る気配があるの、かなり数が多そうっ!!」

蓮華の言葉を受けたあたしが此方に近付いて来る気配がかなり多い事を感じながら応じていると、目を擦りながら起きたミリナさんの黒兎耳がピクリッと小さく震え、ミリナさんはトパーズ色の瞳を鋭くさせながら口を開いた。

「……リリカちゃんの言う通りだよ、此方に何か近付いて来てる、数も多い、30から40位はいそうっ!!」

「……凄いなリリカは、ミリナよりも早く気付いたのか!?」

ミリナさんの警報を受けたリーゼさんは眠っていた身体を解す様に軽く動かしながら感嘆の声をあげ、蓮華達のレベルが上がった為に察知能力が上がっただけのあたしが若干の申し訳無さを感じつつ頷いていると身支度を整えた一美と信姫があたしに声をかけてきた。

「御館様、備えが整いましたわ」

「お嬢の言った通りちっとばかし数が多そうだが心配すんなっ俺等で蹴散らしてやるよっ!」

あたしが一美と信姫の言葉に頷いていると妙法蓮華経を腰に差した蓮華があたしの傍らに控えてくれて、あたしは蓮華に小さく頷きかけ、ロングソードを手にしたリーゼさんとグルカナイフのお化けみたいな剣を両手に持ったミリナさんが立ち上がったのを確認してから蓮華達に向けて口を開いた。

「皆、迎え撃つよっ、また皆に力を貸して貰う事になるけど宜しくね」

「無論ですリリカ様、我が身は貴女様に捧げております」

わたくしも同様ですわ、安んじて私共に後命じ下さいませ、御館様」

「へっ、任せなよ、お嬢、お嬢の身は俺等が必ず護ってやるぜっ!!」

あたしの言葉に対して蓮華達は力強い言葉で応じてくれて、あたしが頷いているとミリナさんが笑いながら声をかけてきた。

「フフフ、中々良いパーティーじゃない、勿論私達も協力するわね」

ミリナさんがそう言うと傍らに立ったリーゼさんも静かに頷いてからミリナさんに向けて口を開いた。

「では行くぞっ、ミリナ」

「了解、行きましょ、リーゼ」

リーゼさんとミリナさんはそう言葉を交わすと頷き合った後に小屋の外へと出ていき、あたし達は2人が出て行った後にそれに続いた。

外に出たあたし達は小屋から少し離れた所に立つミリナさんとリーゼさんの所へと移動し、それからあたし達は2人と共に此方に向けて近付いてくる気配を待ち受けた。

「この辺には夜間にこれ程の集団で襲ってくるモンスターがいるんですか?」

「……妙だな、この辺に出てくる夜行性のモンスターで集団で襲撃してくるモンスターなら飢狼犬だが、大抵は10匹程度、多くても20匹程度だ、数が多過ぎる」

あたしの問い掛けを受けたリーゼさんが訝しげな表情で応じていると近付く気配に向けて意識を集中させていたミリナさんの黒兎耳がピクピクッと微かに反応し、ミリナさんが戸惑った表情を浮かべながら口を開いた。

「飢狼犬じゃない!?この音って……アンデッド!?」

「アンデッドだとっ!?」

「見えたぜっお嬢っ!!」

ミリナさんの戸惑いの声を耳にしたリーゼさんが驚きの声をあげていると信姫が前方を指差し警報の声をあげ、それを受けたあたし達は一斉に信姫の指差す方向に視線を向けた。

夜空にいつの間にか上がっていた血に塗れた様に紅い月、その月から降り注ぐ月光に物悲しく照らされる草原、その草原の上を今の風景に相応しい異形の集団が此方に向けて進んでいた。


カラン……


コロン……


血塗れの月から降り注ぐ月光に物悲しく照らし出される草原、その上を舞う生温い風に乗って響く無気味で無機質な音、その音を立てながら此方に向けて近付いて来ているのは粗末な造りの盾と剣を手にした燻んだ色合いの骸骨の集団だった。

「……スケルトンだな」

骸骨の集団を目にしたリーゼさんはアメジストの瞳を鋭くさせながら呟き、あたしがその呟きを聞きながら近付いて来る骸骨、ゾンビと並んで有名なアンデッド、スケルトンの集団を見詰めているとスケルトンの集団は手にした粗末な造りの剣を掲げ、血塗れの月光を浴びた剣が鈍い輝きを放った。



街道脇の小屋での野営を行ったあたし達、新たに出会えたミリナさんやリーゼさんと共に穏やかな夜を過ごしていたあたし達は突然の襲撃を受けた。

あたし達を襲撃して来た連中、それは血塗れの月の光を浴びながら進み続ける骸の集団、黄泉からうつつへと戻って来た、不死の襲徒……

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