第2章・街道
本作品の前書きと活動報告で御知らせしましたが本作品の題名を変更させて頂きました。改めまして宜しくお願い致します。
ハンターとなる為にレパント村を出たあたし達はリッサの町に向かう為に街道を進んだ。
ここ数日間レパント村周囲で蓮華達がモンスターを駆逐していたおかげが暫くはモンスターの襲撃も無く平穏な旅路が続いていたけど、レパント村を出て3時間程した所で飢狼犬の襲撃を受け、それからはモンスターの襲撃を度々受ける様になった。
「……あんまり旅人がいない理由はこう言う事なんだね」
襲撃をかけてきた草子鬼を蓮華達に駆逐してもらったあたしは光の粒子があたしの中に流れ込んで来るのを見ながら呟き、あたしの傍らでそれを聞いた一美がマジックマスケットを肩に吊りながら口を開いた。
「安全がある程度保障されている筈の街道でさえこれほどの頻度でモンスターに襲撃されるとなると、旅をするのはそれ相応の理由がある場合や己の実力や雇った護衛等で自衛出来る実力者や富裕層に限られてしまいますわね」
あたしが一美の言葉に頷いていると前衛として戦っていた蓮華と信姫があたし達の所に戻り、蓮華は周囲を見渡して改めて安全を確認した後に口を開いた。
「……リリカ様、大丈夫でしたか?」
「……うん、大丈夫だよ、お疲れ様、蓮華、信姫」
蓮華に声をかけられたあたしは頷きながら前衛として戦った蓮華と信姫を労い、鞘に収めたへし切りを肩に担いだ信姫はあたしの言葉に表情を緩ませながら口を開いた。
「気にすんなよ、お嬢、この程度の連中には遅れを取ったりしねえからお嬢は俺等の後ろでドッシリ構えててくれよ」
信姫がそう言いながら笑うと蓮華と一美も頷く事でその言葉に同意し、あたしは頼りになる3人に笑顔を返しながら頷いた。
その後もモンスターの襲撃は散発的に繰り返されたけど襲ってくるモンスターは草子鬼や草鬼、飢狼犬に牙飛蝗程度で蓮華達は難なく襲いかかってくるモンスターを倒してくれた。
そうしてあたし達は進み続けたけど、ふと気が付くと陽射しは既にかなり傾いていて、あたしは黄昏時の迫る周囲を見渡しながら口を開いた。
「まだ大丈夫だけどそろそろ暗くなっちゃうね」
「そうですわね、このままだと夜道を行く事になりますわね」
あたしの呟きを聞いた一美も周囲を見渡しながら呟き、あたし達の呟きを聞いていた蓮華が油断無く周囲に気を配りながら口を開いた。
「村を出てからかなり歩いているので、マリーさんに教えて頂いた小屋がそろそろ見えてくるかもしれませんね」
「そりゃ良い、俺等は兎も角せめてお嬢には屋根の下で休んで貰いてえからな」
蓮華の呟きを耳にした信姫が頷きながら言葉を続けた。
蓮華の言葉の中にあったマリーさんに教えて貰った小屋と言うのは街道を進む旅人が雨露を凌ぐ為に街道脇に幾つか建てられている小屋の事で歩いてだいたい1日分くらいの距離を隔てて建てられているとの事だ。
レパント村からリッサの町までは歩いてだいたい2日程かかるのでほぼ中間地となる地点の街道脇に小屋が建てられていて、更にありがたい事に井戸も存在しているとの事なので野営をするには格好の場所だったりする。
あたし達が小屋を目指して更に歩き続けていると前方を伸びる街道脇にポツンと建つ小屋が望遠され、それを目にした蓮華は小屋を指差しながら口を開いた。
「リリカ様、小屋が見えて来ました!」
「うん、これで雨露は凌げそうだね」
蓮華の言葉を受けたあたしは蓮華が指差す小屋を見ながら安堵の呟きをもらし、あたしの傍らを共に進んでいた一美と信姫も同意する様に大きく頷いた。
あたし達は発見した今夜の寝床に向けて歩を速めたけど、それから幾らもしない内にモンスターの気配がこちらに近付き始め、それを感じ取ったあたしは気配が近付く方向に視線を向けながら蓮華達に声をかけた。
「皆、モンスターが近付いて来てるよっ!」
あたしが警告の声をあげた瞬間、それまでのんびりと歩いていた蓮華と信姫は即座に身構えながらあたしの視線の先を見据え、一美はあたしの傍らで立ち射ちの姿勢を取ってマジックマスケットの銃先をモンスターが近付いて来る方向に向けた。
「……近付いて来る気配はこれまで襲って来たモンスターと同じみたいだよ、姿を現したら最初に一美が射撃を浴びせて、それから蓮華と信姫が突撃して、一美は最初の一撃を浴びせた後は蓮華達の支援を行って頂戴」
「……了解しました、リリカ様」
「……了解だぜ、お嬢!」
「……畏まりました、御舘様」
あたしが身構えた蓮華達に指示を送ると蓮華達が力強い言葉で応じ、そうしている内に草狼に率いられた草子鬼達が姿を現した。
「……一美、射撃を始めてっ!!」
「畏まりましたっ!!」
草鬼と草子鬼達が射程距離に入ったのを確認したあたしが一美に声をかけると、一美は鋭い口調で応じながらマジックマスケットのトリガーを操作し、轟く銃声と共に射ち出された魔弾が戦闘を進む草子鬼を紅蓮の炎に包み込んだ。
「リリカ様、行ってまいりますっ!!」
「行ってくるぜっお嬢っ!!」
一美の射撃を確認した蓮華と信姫は鋭い声をあげながら一美の射撃に狼狽える草鬼と草子鬼の集団目掛けて駆け出し、あたしは支援射撃の為マジックマスケットに魔力を充填し始めた一美の傍らで突撃する2人の背中を見送った。
レパント村を出てリッサの町へと向かうあたし達、あたし達は襲撃してくるモンスターを排除しながらリッサの町へと伸びる街道を進み続けた。




